さて今回紹介したいゲームは、ゲームソフトというよりはゲームハード。老舗であるセガが、かつて手掛けた体感ゲーム機でもある「Sega R-360」で、1990年11月に発表されました。
異色の筐体
この体験ゲーム機、最大の特徴は360度回転機構を持つ筐体。ゲーム内の自機に合わせて、コクピット部分がグルングルン動くのです。ソフトは当初「アフターバーナー2」がインストールされていましたが、後にR360専用のゲームソフトとして、G-LOCが開発され、ストライクファイター、 筐体間で通信プレイ可能なウィングウォーと次々にアップデートされていくのですが、 ウィングウォーが発表された1994年頃には国内では筐体をほとんど撤去され、通信プレートいっても現在のようにインターネットを利用した物ではなく、同じフロアの筐体同士です。
この筐体の問題点
そもそも筐体はゲームセンターに備え付けられているゲーム機みたいなものであり、ソフトである基盤を入れ替えれば、違うゲームがプレイ可能ともなる、入れ替えが出来る事に利点があります。ですが体感筐体はレースや戦闘機、ガンシューティングと独自性が強く、ソフトの入れ化は筐体ごとがほとんど、ゲームに当たり外れに左右され、高価な割にハイリスクでゲームセンター側も購入に頭を悩ませるものです。
そこにこの筐体ですが、1990年代の手頃なゲーム筐体の値段は1台60万円未満であり、この「R-360」は1台1600万円と群を抜いて高額な筐体。設置面積は4.5m四方、高さは2.4m、重量1100kg(1.1トン)と巨大、電力は三相200Vと設置できるゲームセンターは限られてきます。
そしてゲームの問題
そんな中で「R-360」は戦闘機によるリアルなドックファイトを体感できるとの触れ込みをしている通り、ゲームの画面に合わせて360度回転する仕様。ゲーム開始時するには、必ず備え付けられたシートベルトをちゃんと身につけセーフティーバーを起動させないと、ゲームが出来ないと徹底して安全使用に気を使っていました。
しかし、ゲームがスタートして、激しい動きをすると合わせて筐体が激しく回転しプレイヤーを徹底的に遠心力で苦しめ、もし撃墜などされれば、サービスのつもりなのか?キリモミ回転すると、実に鬼のような仕様で作り込まれた体感ゲーム。360度回転するゲームをまともにプレイできるプレーヤーが意外に少なく、筐体内にある「ギブアップボタン」と呼ばれる「緊急停止ボタン」が押されることもしばしばありました。
またプレイのお値段も1回500円と信じられない高額な値段であり、またボッタくりゲームセンターでは1000円を取るくらいに1プレイの値段が高く、簡単においそれと遊べる代物ではありませんでした。
実際にプレイした思い出
著者が最初にこのゲーム出会ったのが池袋、もの珍しさにプレーしたのですが、ポケットの小銭をぶちまけてしまってゲームセンターに迷惑をかけてしまったのを覚えてします。その後、ポケットに入っているものを入れておく籠が置かれました。
見かけた中で一番酷かったのが新宿の某ゲームセンター、数人のサラリーマンの方がプレーしていて、あまりゲームが上手い方では無いのと、慣れていない様子で常に筐体はグルグル回っていました。本来であれば外側のコンソール部分に案内をする店員がいるのですが、設置されてかなり経過していたのでコストカットなのか?もう大丈夫と思ったのかいませんでした。
そして回転耐えられなくなり、内部の 「ギブアップボタン」 を押せない状況になったのか、筐体内部で戻してしまい、ゲロと共に回転、慌てて観ていた仲間と思われるサラリーマンが外部の 「ギブアップボタン」 を押して停止させました。
その後は大変でした。乗っていた本人もともかく、店員が哀れに感じました。
ちなみに慣れている友人がプレーしているとき、センサーを遮り、筐体が微妙な角度に傾斜した状態でプレーを続行させる、嫌がらせ裏技が流行ったのを覚えています。
もし今の世にどこかにこの筐体がまだ動いていたら、もう一度挑戦してみたいものです。
※アイキャッチは動画より引用しています。
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