約5年前に伊丹に住んでいました。
当時働いていた職場の先輩、怪談が大好きだったんです。
怪談会という飲み会
先輩を含め、私と友人2人、計4人で仕事終わりに怪談会と称した飲み会を会社の側の居酒屋で催しました。
先輩以外の3人は怪談に詳しくなく、耐性もない平凡な3人。お酒を交えながら先輩の話を聞いていると、先輩も行ったことがない怖い公衆電話という心霊スポットの話になったのです。
その公衆電話はある公園にあって、夜な夜なだれかから電話がかかってくる。それを取ると呪われて良くない目に遭う。近辺には自殺者の絶えない池、必ず出るという墓地もあり、この手のモノが好きな人には堪らないスポットなんだとか。
話を聞いているうちに皆の好奇心が刺激されたようで、飲み会の場所から車で20分ほどかかる場所なんだそうですが、お酒のノリもあったのでタクシーを呼び、全員で現地に肝試しに行ったのです。
心霊スポットへ肝試しに
到着すると、そこは不気味でいかにも幽霊が出ますよという雰囲気。着いてすぐは怖いという感覚はありましたが、10分も経つとなんだか慣れてきてしまい、なんだこんなものか・・・となんだかあっけない感じです。
ただ、誰1人として電話ボックスの中に入ってみようと言い出す人はいなかった。やばい・・・そんな感じがしていたのだと思います。
その時です、しびれをきらしたのか、先輩がジャンケンで負けた人がボックスに入ろうと提案しました。
イヤイヤながらもジャンケンをして、負けたのがここに来ようと最初に言い出した友人だった。
負けた友人以外、10メートル程離れた場所から見守っています。
友人がボックスに入った瞬間、わー!と叫び声をあげた!
その声にビックリした私たちは、彼を置いて近くのコンビニまで猛ダッシュで逃げました。
いったいだれ?
コンビニに着くいて、やばかったなと話をしていると、彼が遅れてきて「吐きそうやからトイレに行く」とうつむきながら店内に駆け込む。
「大丈夫かよあいつ」・・・なんて話していると、後ろから「おーい!」。
振り返るとボックスに入った彼が走ってきて、「ビックリするやろ、置いていくなよ。」とわめき散らす。
皆が顔を見合わせて、さっきトイレに行ったのは誰だ・・・言葉が口から出る前に、すぐにタクシーをつかまえて、の飲み会の会場となった居酒屋まで、逃げるように戻ります。
帰り道では誰も何も話しません。タクシーで10分ぐらい走ったときだったと思うのですが、先輩の携帯に着信があって、なんの気無しに出てみると「置いてかないでくださいよ・・・」と一言だけ喋ってきれたようです。
私は横で携帯から漏れてくる、その一言を聞いた瞬間、表現ができない怖さを感じました。
後日談
次の日から数日、ボックスに入った彼が会社を休みました。高熱でうなされ、医者に行ってたのですが原因不明。さらには足が歩けないくらい痺れたそうなのです。
気になるのはボックスに入る直前に、中から呼ばれたように感じたと言っていました。あそこに行こうと最初に提案していたのも、ジャンケンに負けたのも彼。
トイレに駆け込んで、後から電話をかけてきたのは一体なんだったのでしょう?
いやむしろ、横で仕事をしていた彼、果たして本物だったのでしょうか?
※画像はイメージです。
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