私の家は線路を挟んだ駅の裏手にあり、ローカル線な事もあって駅への近道として線路を横断しています。両親からは「いつ電車に轢かれるか危ないのでアンダーパスを通って帰って来なさい」といわれていましたが、アンダーパスはよく変質者や不良がいるので「アンダーパスの方が危ないから」と両親に言い返していました。
ある学生時代の夏の日の出来事です。私がいつも近道に使用している線路内で、泥酔状態の男性が進入して快速電車に跳ねられる死亡事故が起き事からこの話は始まります。
怖い話
学校で事故が起きた数日間は、この話でもちきりでしたが次第に忘れ去られました。ですが、夏休みに入りお盆が近くなってきた頃、季節柄か怖い話が盛り上がる時期に、学校や怖い話や近隣の心霊スポットの話と共にこの話が再燃したのです。
唐突に先輩が「線路で死んだオッサンの腕、まだ見つかってないんでしょ?」といいだし、私たちは「そこまで詳しいこと知らないよ」と答えると、先輩の父親は救急救命士で事故当時、現場に出動要請があったと得意げに話しだしたのです。
そこでは、バラバラになった遺体を回収もする事になってしまったらしいのですが、いくら探しても腕だけが見つからなかったと・・・。
先輩
一瞬、場の空気が変わった気がしましたが、友達の一人が「私たちを怖がらせる作り話でしょ?」と笑いながら先輩に問いかけると、先輩は「バレた?」と笑顔で答えたのです。
緊張の糸が切れたようにみんなで大笑いをしているとき、突然友達が悲鳴を上げます。
その悲鳴を皮切りにその場にいた全員が異変に気付き、私を含め全員が体のどこかを触られたのです。私は「変な作り話するからみんな敏感になったんだよ」と攻めると、先輩は「ごめんごめん」と笑い、皆もつられて「もー先輩は!」とか言いながら大笑いしたのでした。
記念写真
そして夏の思い出として使い捨てカメラで記念写真を撮ったのですが・・・・。
数日後、友達から連絡があり、友達は青い顔をしていました。
私は「どうしたの?」と聞くと「これ見て」と差し出された、あの日撮影した写真には、先輩の肩にだれか解らない手が写っていたのです。
確かに手のように見えるのですが、そうでないと言えば違うような不鮮明な写真だったので、怖がる友人に私は「気のせいじゃないの?」というと・・・。
「実はね。あの電車事故で死んだの先輩のお父さんなんだって」と。
真実は?
私は「要請があって駆け付けたって言ってたじゃん」と返すと友人は「何であんなウソついたのかわからないけど、先輩はどこかに引っ越したみたいで連絡つかないんだよね」
手が見つからなかったの実話だったのでしょうか?
私たちを触った手は先輩のお父さんだったのでしょうか?
何もわかりませんが、私はその日以来アンダーパスを通っています。
※画像はイメージです。
思った事を何でも!ネガティブOK!