その夜、近道をしてスーパーに行こうと裏道を歩いていたんです。
その道はかつて「西国街道」と呼ばれ賑わってていましたが、今となっては単なる狭くて暗い道。
程なくして向こうから人が来ている事に気が付きました・・・つるつるの坊主頭に修験道の様な装束。
そして何より驚いたのは、その男の装束が真っ赤なのです!
しかも真っ暗な中、男はレンブラントの絵画の様にスポットライトを浴びて光り輝いてるではありませんか!!
明らかにおかしい
負けん気の強い私は、逃げ帰るのは癪だと思いました。
このまま突き進んで何かされそうになったら、その辺にあるブロックでもお見舞いしてやろう・・・と。
徐々に近づく赤衣の僧、顔が見える距離まで近づいたところで、相手がニヤニヤしている事が分かりました。
・・・なんて気持ちが悪いのだろうか???
それまでお互い左側通行をしていたのですが、あと数mですれ違うという距離で赤衣の僧はフラフラと道の真ん中に踊り出て来て、なぜか通せんぼする様なしぐさを見せました。
驚くやら怖いやらで「!?!?!?」と思っていたら、すれ違った瞬間、僧はサッと身をひるがえし、同時にバチバチバチっと全身に電気が走ったような苦痛が!
どうしよう!通り魔に何かやられた!!
逃げなければと思うのですが、あまりの苦痛でうずくまってしまい、動けなくなってしまった私。
背後からは「ヒイヒイヒイヒイー」とけ、たたましく笑う声。
力を振り絞るように振り返ると、そこにはもう誰も居ません。
夜道が続いているだけ。
しばらくして痛みも治まり、冷静になって辺りを見回すと、そこは何かを祀った石碑の前だったのでした。
古くからの街道筋なので、きっと何か人外が住み着いてるんやわ、暗くなってから西国街道は二度と通るまいと固く心に誓いました。
これで終わると思った?
喉元過ぎれば熱さを忘れる・・・とでもいいましょうか。
数ヶ月が過ぎて、私はその事をすっかり忘れていました。
その日の昼下がり、同じルートで買い物に出かけたのですが、全く同じ位置に、全く同じ赤衣の僧が居るではありませんか!!そしてこちらに気が付いた様でまたニヤニヤ笑い始めました。
もう金輪際関わりたくないので見えた瞬間、踵を返して猛ダッシュして逃げました。
それ以降二度とそのルートは通っていません。
昼間は人通りもある通りで、近所の友人に話をしても笑われておしまい。
なぜ私だけ狙われるのでしょうか?
※画像はイメージです。
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