杉沢村の本当のモデルは「リンゴ農家一家8人殺人事件」？！

杉沢村といえば怖い話好きな人なら1度は聞いた事がある、映画になる程の有名な都市伝説。
真実は分かりませんが、ある青森県で殺人事件がモデルになっているという・・・・。

「杉沢村」とは

知らない人はいないと思いますが・・・昭和初め頃、青森県に「杉沢村」という村がありました。
ある日、理由は解りませんが村に住む1人の若者の気が狂い、たった一晩で村人を皆殺し、そして自害。
誰もいなった村は廃村となり、いつしか地図から消えて消え去った。
しかし話はそれで終わらず、廃墟となった村には悪霊が住み着き、悪鬼と化した若者が今でも迷い込んできた人々に襲いかかる・・・。

「杉沢村」の噂は2000年前後にインターネット上で話題になり初め、テレビ番組「アンビリバボー」で特集されたのをきっかけに全国的に知られるようになった。
当時を知る者としては、2chのオカルト板の住人や個人ブログでは様々な考察や憶測が錯綜し、実際に杉沢村を探しだそうと青森県へ探索へ向かった者もいたほどの熱狂ぶりだったのを今でも覚えています。記憶の限りでは、村を発見したという話もあったと思うのですが、ほとんどがフェイクでした。

実際に「杉沢村」は存在するか？といえば「杉沢村」は無いが、青森県三戸郡南部町に「杉沢」という地名はある。
地名はあるのですが、このエリアで似たような事件が起こった事実はなく「杉沢村」は創作だと言われています。

モデルになった事件は？

「杉沢村」のモデルになったとされているのは、「津山三十人殺し」という大量殺人事件とされています。
事件を要訳して説明すると、昭和13年に有望な若者が結核を患って徴兵検査を不合格になったのを発端に能無しと村人から邪険に扱われるようになり、復讐で悪口を言って蔑んだ村人を30人を殺し最後に自決。

「杉沢村」との相違点は若者の動機が明確なだけで、その他はほぼ同一な事からそのように言われている。有名な事件であり、この事件を着想を得し「杉沢村」創作したのは間違いないように思われます。
しかし、この事件が起きたのは岡山県であり、なぜ遠く離れた東北の青森に置き換えたのかという疑問が湧きました。
そこで他に類似するような事はなかったのか調べていくと、東北地方のある事件が浮かび上がってきたのでした。

青森にもあった大量殺人事件

それは昭和28年に青森県新和村で起きた、「リンゴ農家一家8人殺人事件」。
事件の概要は、リンゴ農家の3男、24歳の若者が父の住む家から、酒のつまみとして味噌を盗もうとするのですが、たまたま置いてあって猟銃が目に入ります。もしバレてしまうと、この銃で殺される事なるなら、いっその事・・・。
殺られる前に殺れと言わんがばかりに、父親、母親、兄、妹を射殺、免れた若者の姪も放火による火事に巻き込まれて死亡、8人の犠牲者を出す殺人事件となる。

ちなみにこの若者が事件の後、犯行当時に心神喪失状態と精神鑑定の結果が出て、刑事責任に問えないとなり、殺人は無罪が確定。有罪として判決されたのは住居侵入罪の懲役6ヶ月の執行猶予２年のみだったのです。

「津山三十人殺し」よりもマイナーで、犯人は生存し殺害れた人数も少なく動機も違う。ですがこの事件の犯人の本当の動機は、怠惰で金や女にだらしない性格の犯人の父から虐待を受けて育ち、成人してからも人間以下の環境で食うや食わずの生活を余儀なくされ、父と兄を憎んでいた・・・「津山三十人殺し」と動機に似ている部分がある。

いずれにしても東北地方である事もあり、こちらの方がしっくりくる。「リンゴ農家8人殺人」は杉沢村伝説に1番近い位置にあると思えるのです。

※画像はイメージです。