第二次世界大戦のアフリカ戦線をモチーフとした同人コミックを紹介します。
美少女、戦車、ケモミミと、(結構深い)戦記物との融合作品です。
ユーモア作品のようでいて、それだけではありません。
「砂漠のウサギ」(M・WOLVERINE 著)は、イカロス出版から発売されているコミックです。現在4巻まで発売されています。
もともとは同人コミックでしたが、商業作品として出版されています。

内容は架空の小国フェアリーランドが、第二次世界大戦を戦うというストーリーです。舞台は主としてアフリカ北部、エジプト近辺です。
ドイツやイタリアをモチーフとする国を敵として、イギリスをモチーフとする国を味方として激戦が展開されます。なお、ご期待の通り、あの名将ロンメルが実名で登場します。
もとは同人作品だっただけに、絵やストーリーは自由な感じに展開します。
特筆すべきことは、架空の国フェアリーランドが亜人の国であることです。このあたりは、ハードなミリタリーマニアには不満かもしれません。

しかも、このフェアリーランドという国は何故か男女比がおかしい国という設定で、登場する将兵は、主として女性ばかりです。
ケモミミの美少女が、戦車に乗って戦うというストーリーが展開します。
このコミックの絵柄は、デフォルメされた丸い感じの絵柄です。また、戦闘シーンもデフォルメされていて、残酷な描写はありません。
現代のコミックというよりも、往年の名作「のらくろ」を連想させるような絵です。登場人物は、負傷はしても死にはしません。基本的にユーモア作品と言えます。

しかし、この作品の魅力はそういう毒のないユーモアだけではありません。
第二次世界大戦の史実を基礎としたストーリーは、単なる冗談作品ではありません。デフォルメされているものの、戦車の描写にはリアリティーがあります。
また、主人公たちは、弱小な戦力で大軍を相手にして、辛くも防衛線を維持しています。
その一方で、国内の政治的な対立の様子や、融通のきかない憲兵との対立も描かれています。

まったく冗談みたいな新型戦車が登場したり、他のコミックのパロディーもありますが、基本的なストーリーはハードでシビアなものです。
冗談とリアリティーがミックスした奇妙な作品ですが、ミリタリーファンならば面白いと評価できる作品でしょう。
(C) 砂漠のウサギ M・WOLVERINE イカロス出版
(C) M・WOLVERINE
本文の画像は M・WOLVERINE様のPIXIVより引用させて頂いております。
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