2000年前のイエス・キリストの遺骸を包んでいた布と伝わっている「聖骸布」。
この真偽についてはこれまでも様々な説がありましたが、専門誌「法科学ジャーナル」において発表されたイギリスのリバプール大学の研究報告によると、「聖骸布」に付着していた血痕の流れからみてイエスの遺体を包んだ布の可能性はないとの結論が出たそうです。

Shroud of Turin [Public domain], via Wikimedia Commons
この通称「トリノの聖骸布」と呼ばれる高名な布は、縦4・35m、横1・1mのリンネルです。その布がキリストの遺体を包んだものかどうかの真偽については、これまでも様々な意見があり、複数回に渡り科学的調査が行われてきました。現在では「その布が十字架で亡くなったイエスの遺体を包んだもの」とは断言はできていないものでした。

Giuseppe Enrie, 1931 [Public domain], via Wikimedia Commons
「聖骸布」に映った人物を調査した学者は「手、首、足には貫通した跡があった」と発表し「遺体は伸長180cmの男性だった」と指摘され、「トリノの聖骸布」やはり本物と考える事もできるとされていました。

■ 16世紀の画家ジュリオ・クローヴィオの絵画
Giulio Clovio [Public domain]
具体的には、ボランティアの手首に細いチューブを挿入して十字架に打ち付けられる際に釘が挿入したときの流血を再現し、槍の傷についてはマネキンを使用したそうです。これらを最新機器で測定したところ、血液の流れる方向と流れ方が高解像度カメラで撮影した布から検出されたものと一致しなかったという事です。キリスト教における真贋論争に新たな展開が巻き起こりそうです。
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