ロボットアニメ不作の時代とすら言われる2020年代。確かに多くの大ヒット作が生まれたかつての時代と比べると、小粒な作品しか作られなくなった印象は否めない。だが、面白いロボットアニメが無くなったかというと話は別。
今回紹介するアニメ『サクガン』もそんな小粒だが良質なロボットアニメの一つ。「新世代のオリジナルアニメシリーズを創出する」『Project ANIMA』の一環として制作されたこちらの作品。今回はその魅力に迫ってみよう。
親子バディの成長と冒険!アニメ『サクガン』は家族で楽しい
今回取り上げるアニメ『サクガン』は、新作アニメシリーズ創出プロジェクト『Project ANIMA』から生まれた作品。プロアマ問わず集まった作品のトップに立ち、映像化が決定した意欲作だ。
『サクガン』の舞台は遠い未来、岩盤で隔てられた居住区「コロニー」で人々が暮らすとある惑星。コロニーの周りには「ラビリンス」と呼ばれる危険地帯が存在し、そこに足を踏み入れることができるのは探検家「マーカー」のみ。本作の主人公、天才少女メメンプーも「マーカー」となって「ラビリンス」の探索を夢見るひとりだ。
そして彼女とバディを組み惑星探索の旅に出るのが、彼女の育ての親にして「典型的なダメ親父」ガガンバー。この二人の惑星探索を軸に本作の物語は進んでいく。
本作のみどころは二人のアツい関係性!
本作のみどころは何と言ってもこの二人のアツい関係性だ。しっかりものだがまだまだ未熟なメメンプーと、普段はだらしない中年だがやるときはやるガガンバー。二人がぶつかり合いながら互いを認め合い、未開の地を踏破しながらバディとなっていくストーリーには年齢を問わず引き込まれる視聴者も多いはず。
また当初はメメンプーの保護者として、彼女の夢を応援できなかったガガンバーがメメンプーをマーカーとして認め、バディとなっていく流れは大人の視聴者のほうが共感できるだろう。大人と子供の主人公コンビはロボットアニメでは結構珍しいかもしれないが、もし大人の視聴者の感情移入を狙ったものならばうまくハマっている。
少女とおじさんの惑星探索SFというストーリーはターゲット層がわかりにくいイメージを持たれるかもしれないが、本作は年齢を問わず楽しめる新世代のファミリー向けアニメと言っても良さそうだ。
掘って、けずって、突き進め!『サクガン』もう一つの主役は重機ロボ!
主人公コンビのアツい関係性に大人も引き込まれる冒険ロボットアニメ『サクガン』。未知の世界の探索や主人公コンビのバディ関係が見どころの本作だが、もう一つの見どころはやはりメインとなるメカ。『サクガン』というタイトルからもわかるかもしれないが、本作に登場するロボットはみな重機のようなデザインをしている。
両手には惑星の分厚い岩盤を掘り進むため鋭い爪がつき、武器も工具や建設資材のようなアイテムを使って戦う本作のメカ。どっしりしたフォルムや重機モチーフのメカデザインは『グレンラガン』を思わせるが、雰囲気はより「本物」の重機に近い。「本当にこんなメカがありそうだな」と思わせるリアリティのあるメカデザとなっている。またいかにもパワータイプのメカデザインながら、実際アニメを観るとものすごくよく動く。
『サクガン』はメカ好きから見ても楽しめるアニメと言えるだろう。
新世代のアニメを作る
「新世代のアニメを作る」というプロジェクトから生まれた意欲作『サクガン』。紹介したように惑星探索、ロボット、主人公コンビの絆とベタなモチーフを扱いながら、主人公二人の関係やメカデザインに今までと少し違う要素を盛り込んだ見どころのの多い作品だ。
大作ロボットアニメ比較すると少し小粒に見えるかもしれないが、質のいい良作アニメと言っていい。新しいロボットアニメを探している人はせひ一度鑑賞してみてはどうだろうか。
(C)「サクガン」製作委員会/SAKUGAN Project
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