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活躍してすみません?極悪戦隊vsモブ戦闘員「戦隊大失格」が面白い

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戦隊。本家ニチアサのスーパー戦隊シリーズをはじめ、今や特撮の枠を超えて、広い世代に愛される存在。そんな戦隊の概念をぶち壊すのが、今回ご紹介する漫画『戦隊大失格』(著: 春場ねぎ)だ。本来正義であるはずの戦隊が「悪」で、彼らに立ち向かうのが悪のモブ戦闘員というちょっと変わったこちらの作品。今回はその魅力に迫ってみよう。

目次

日本版『The Boys』??

「正義の味方」がヴィランで、本来正義と程遠い立場の人間が彼らに立ち向かう……といえば皆さんはどんな作品を思い浮かべるだろうか?堕落したヒーローの横暴に、一般人が立ち向かう洋ドラ『The Boys』が特に有名だが、現在日本版『The Boys』とでも言うべき作品がジワジワ盛り上がりを見せている。
それが今回紹介する『戦隊大失格』だ。

タイトルのとおり、『The Boys』で主人公たちの前に立ちはだかるのが、スーパーヒーローだったのに対し、本作で物語のいわばヴィラン役を勤めるのは「戦隊」。この作品では、色とりどりのヒーロースーツに身を包んだ「大戦隊」ドラゴンキーパーが悪い意味で活躍する。
そしてヒーローゆえに横暴で傲慢な彼らに、一矢報いんと奮闘するのは普通の人間・・・ではなく、なんと悪の組織の戦闘員。特撮でワラワラと出てきては、ヒーローに蹴散らされる「あの」戦闘員である。

そう、本作『戦隊大失格』で堕落したヒーローに立ち向かうのは、出てきてすぐにやられてしまうモブ戦闘員なのだ。ここで戦隊vs一般人を選ばず、戦闘員を持ってくるところがなかなかいいセンスをしていると思うのは自分だけだろうか。

ヒーローVS悪の組織ではない

まあとにかく、そんな本作の舞台となるのは、十三年前悪の怪人組織によって侵攻を受けた天の川市。そして今も悪の怪人組織と正義の味方「大戦隊ドラゴンキーパー」との戦いが続いているというのはなんと真っ赤な嘘。

十三年前、怪人軍団は大戦隊のパワーの前に壊滅。生き残った下位の戦闘員たちは戦隊側と取引きをし、命を助けてもらう代わりに毎週日曜マッチポンプの戦闘ショーを繰り広げる契約のもと、戦っていたのだ。
舞台裏をのぞくとなんともむなしい話である。

主人公の戦闘員Dはそんな毎日に疑問をもち、打倒戦隊を目指して行動し始める……というのが本作のあらすじだ。

物語はおおまかに、現在進行しているところまでで大体三つのパートに分けられる。
戦隊に対して圧倒的に弱い戦闘員Dが、なんとか戦隊に一矢報いようと奮闘するパートが序盤。
ある事件を機にDが人間の姿と名前を得、「大戦隊」のメンバーになるべく大戦隊内部に潜入する中盤パート。
大戦隊組織で新たに遭遇した敵と戦隊チームとともに戦う最新パートだ。

堕落した戦隊vs意識高めのモブ戦闘員というシンプルな構造ながら、ストーリーは変化に富んでいてめまぐるしい。主人公の「大戦隊」加入から、新たな敵の出現のあたりはやや話がとっちらかっているように感じるが、ストーリーはまだまだこれからといったとこ。主人公がどんな道を選択するのか、続きがますます気になる作品だ。

世界が深まる??ストーリーのカギを握るガジェット「神具」にも注目!

ヒーローとヴィラン、その役割りと性質を反転させ、そこに日本のエンタメ「戦隊もの」の要素を取り入れた『戦隊大失格』。底辺からの反撃、敵組織への潜入……と盛りだくさんなストーリーが進んでいく本作だが、やはり「戦隊もの」として見逃せないのが、戦隊メンバーが使う武器だ。

(おもちゃを売るためにも)本家の戦隊にとっては欠かせないこの要素、本作のヒーロー集団「ドラゴンキーパー」たちも「神具」と呼ばれる武器で戦う。ただこの神具、私たちが子供時代に憧れたキラキラしてかっこいいものではない。
作中の「神具」は不死身の再生能力を持つ怪人すら消滅させる、一種の「チートアイテム」。むやみに使えば甚大な被害をもたらす危険な品だ。そのため、戦隊メンバーも戦闘員らとの八百長試合ではこれを使用せず、使うのは本気の時のみ。

また「神具」には戦隊メンバーの各カラーに応じた伝説上の竜の名がつけられており、それぞれ特徴的な力を持つ。そんなカッコよくも禍々しいアイテム「神具」だが、実は現在色々あって、あろうことかレッドのそれは失われてしまっている。レッドといえば従来の戦隊ものでは主人公格。そのレッドの「神具」が最終的に誰の手に渡るのか、その存在がストーリーにどんな影響をもたらすのか、こちらも目が離せない要素のひとつとなりそうなので、作品を楽しむ際は注目してみるといいだろう。

君の味方は怪人?戦隊?それとも?主人公が選ぶ道とこれから

さて、圧倒的戦力差での反撃、”敵”大戦隊組織への潜入、そこで出会う新たな敵、戦隊の「神具」の行方とめまぐるしいストーリーのアップダウンを繰り広げてきた本作。そして今、主人公はひとつの岐路に立たされている。

序盤、戦隊との八百長試合でなぶられる毎日に嫌気がさし、悪の怪人らしくだった一人で地球侵略を完遂すべく行動を開始した主人公。だがストーリーが進み、「大戦隊」の隊員として彼らと行動を共にし、主人公がもといた組織側でも戦隊側でもない、はぐれ怪人と対峙するうち、どこか「大戦隊」の隊員たちと友情が芽生えはじめているのだ。

当初の目的か、潜入先での友情か……潜入捜査官ものではよくある展開ながら、本作の場合、主人公の選択には天の川市の……いや地球の命運がかかっている。主人公が選ぶのは「地球侵略」か、それとも友情を育んだ戦隊組織の隊員か、はたまた怪人でも戦隊でない第三の選択肢なのか。まだまだ展開が読めないが、これからも見逃せないストーリーとなりそうだ。

今回紹介してきたように、『戦隊大失格』は、私たちにとって馴染み深い特撮戦隊ヒーローをモチーフとして扱いつつ、大人向けの設定とアップダウンが激しい展開でこれからのストーリーから目が離せない作品だ。加えてアニメ化も決定している。気になった方はぜひ一度読んでみてはいかがだろうか。

著:春場ねぎ
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戦隊大失格 (C) 春場 ねぎ 講談社

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