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よくある普通の学校の七不思議

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小学生の時の話。東北の田舎の小学校で、校舎は昭和中期に建てられたコンクリート。学校の敷地は無駄に広く、物置や飼育舎みたいな古い木造の建物がちらほら。
学校のまわりは田んぼだらけで、通学路は学校が見えているのになかなか辿り着かない、そんな田舎の小学校の話。

目次

七不思議

学校の七不思議と言うものが流行った。音楽室のベートーベンの目が動く、ピアノが勝手に鳴る、理科室の骨格標本が走る、模型も走る、屋上に続く階段が一段増える、貯水槽に死体がある、壁に死体が塗り込められている・・・等々。

数えればあっという間に七つを越えているくらい、学校の七不思議と言うタイトルの怪談が流行った。平成の始めごろ、テレビの中でもエンターテイメントとして怪談が扱われていたから、当然、小学生も影響を大いに受けた。

流行りの七不思議を集めてみない?
誰かが言い出して、みんなが悪ノリした。

秋の終わり、冬の始め、夏休みも通りすぎて、だれていた時期の暇潰しにもってこいだった。
五、六人で集まって、流行りの七不思議をあげて、ノートに書き出していく。
あっという間に七つを越えて、十三だか、十四だかになった。この中から、所謂、定番と呼ばれるものを取り除いて、流行りものを見つけ出そうと言う魂胆だ。

トイレの花子さんは有名だからだめ、口避け女はそもそも学校の七不思議か?
色々と言い合いながらボツになった怪談に×をつけていく。

時は流れ

突然なり響く「ゆうやけこやけ」。五時のチャイムだ。
外からの防災無線が、日がくれたことをやかましく知らせていて、外を見ればもう黄昏。
放課後の教室で顔を付き合わせて遊んでいた私たちは慌てて帰り支度をした。

ばいばい、また明日、続きも明日ね!
各々が家に帰っていく。私は代表としてノートを預り、家に持ち帰った。
ご飯も終えて、お風呂も入って、さあ寝るぞって段階でなんとなく気になって、ノートをランドセルから引っ張り出した。流行りの学校の七不思議を書き出すためのノートだ。新品のノートではなくて、私が落書きしている自由帳を使ったのだけど。

パラパラとページをめくる。
×のついた流行りの怪談ばかり。全ての怪談に×がついていた。
あれ、そうだったっけ? まだ全部に×をつけていなかった気がするけど、誰かが×をつけたのだろうか?
不思議に思いながらも、特に追及もせず、その日は眠った。

次の日

次の日の中休み。昨日の五人だか六人だかで顔を付き合わせて、昨日と同じノートを開いた。
放課後まで待ちきれなかったからだ。放課後の興奮を引きずりつつ、ノートを開く。
しかし、ノートは白紙。
白紙だったのだ。

慌ててノートをめくるが、最初の方に描かれたらくがきしかない。でも、この落書きが同じ自由帳であることを物語っていた。おかしい。ボールペンやサインペンを使って書いていたのに。たとえ、鉛筆で書いてあったとしても、こんなに真っ白く消える筈がないのに。

跡形もなくなった流行りの怪談。
これがきっと、七不思議のひとつなんだね、と言ったのは誰だったのか。
これが、実際に体験した七不思議のひとつのお話です。

※画像はイメージです。

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