『そのきれいな顔を吹っ飛ばしてやる!!』
この言葉を聞いて、ミリタリー好きの人ならばあのシーンを思い出すのではないでしょうか?
そう『新條まゆ先生』のとある漫画で、笑劇的な描画で世間の話題になったシーンです。
この『新條まゆ的射撃姿勢』について、真剣に考察してみました!
『そのきれいな顔を吹っ飛ばしてやる!!』
このセリフと、銃を肩に担いだ姿勢で一時期話題となったのが、漫画家の『新條まゆ』先生です。
あまりに有名なシーンになりすぎて、元ネタ漫画が忘れられていますが、『覇王・愛人』(はおう・あいれん)の第3巻に収録されています。
その後、あまりの反響に先生がモデルガンを購入し、実際の構え方を専門家に伝授してもらう事態になりました。
『新條まゆ的射撃姿勢』は不合理な姿勢だろうか?
ここで考えたのですが、『新條まゆ的射撃姿勢』は本当に不合理な射撃姿勢でしょうか?
射撃前の目標を捜索するときに、スコープを使うときに簡単な方法として、銃床を肩に担いで捜索する方法があります。
その点でいえば、それほど不合理な姿勢ではありません。
むろん、発砲には不向きな姿勢です。
肩に担いで撃つ銃もあるじゃないか!?
実際には、肩に担いで撃つ銃というのも存在します。
『バレットM82A2』『RT-20(クロアチア製)』という2つの銃では、肩に担いで射撃する方法になっています。
いずれも、『アンチマテリアルライフル』となっています。
『バレットM82A2』はその後、商業的に芳しくなくすぐに引退となってしまいましたが・・・
『RT-20』についても、20ミリ弾を使うライフルであまり売れていないようです。
それでも、反動などが軽減され撃ちやすいのが映像から見て取れます。
『新條まゆ的射撃姿勢』は、小口径スナイパーライフルには向かないのかもしれませんが、大口径『アンチマテリアルライフル』として使う分には理にかなった撃ち方ではないでしょうか?
『クリス・コスタ』射撃の変形版と考えればよい?
『クリス・コスタ』が考案した射撃姿勢も、ある意味従来の撃ち方か乖離した方法です。
しかし、銃の反動を抑える理にかなった射撃姿勢です。
実際の軍隊でも使っている?
似たような射撃姿勢という事であれば、海兵隊で使用されている「ショートストッキング」ではないでしょうか?
米海兵隊はモットーとして「全員が優秀なライフルマン」、それ故にカービンタイプの銃身が短いアサルトライフルが好まれず、M16系ベースにした「長いアサルトライフル」を主に使用していました。
しかし建物の中への潜入等の際に長い銃身は邪魔になります。
その対策として「ショートストッキング」という射撃スタイルが編み出されました。
本来は銃の反動を制御する為にストックを肩にあてて安定させるのですが、「ショートストッキング」はあえてストックを肩に乗せ、銃身を少しでも短い状態で構えます。もちろん射撃の精度は極端に落ちてしまいますので、一時しのぎです。
ですが・・・もしかしたら『新條まゆ的射撃姿勢』は、将来的な射撃姿勢の発展を予言させる姿勢なのかもしれません。
今後の発展を見守るべきかも?
(C) 覇王・愛人 新條まゆ 少女コミック/小学館
思った事を何でも!ネガティブOK!
コメント一覧 (3件)
超今更ですが、ライフルを肩に乗せるのはショートストッキングという射撃姿勢になるそうです。
これはアフガン、イラク戦期に米海兵隊が全長の長いM16A4を閉所で運用する為に開発した射撃姿勢です。
新條まゆ氏がそこまで調べていたとは思えませんが。
こんばんは、ショートストッキングの事も踏まえ、ちょっと書き足そうと思っていた所でした。
コメントありがとうございます。
新條まゆ式射撃姿勢は大口径ライフルの場合理にかなっているのではないかと言われてますが、RT20が低反動なのは射撃姿勢によるものでなく、後ろに発射ガスを噴射し反動を相殺するシステムによるものです。
M82A2の場合も対空射撃用のため俯角を大きくとろうとした結果ですし、通常の大口径ライフルに適した撃ち方ではありません