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ショットガンについての考察

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FPS界隈で耳にする「ショットガンは卑怯だ」という声。
最近はサバゲーでもフルオート射撃のできるAA-12の販売された頃から聞かれるようになりました。
実際、ショットガンってなんなんだろうと歴史からの考察などです。

ショットガンの歴史は意外に古く、18世紀には鳥撃ち銃として狩猟用や、海軍において暴徒化した船員を鎮圧する目的で使用されていました。

アメリカでは植民地時代からすでに「ショットガン」は入植者に愛用され、射程は短いものの優れたストッピングパワーでインディアンとの戦闘などに活躍していました。

アメリカでは初期の頃からショットガンは戦場で使用されていたことになりますね。
独立戦争ではブラウンベスマスケットに銃弾を多数詰め込んだ「バックアンドボール弾」を使用していますし、南北戦争の騎兵隊の写真で二連水平のショットガンを構える写真が残ったりしています。

■ショットガンを持ったアメリカ連合国の騎兵隊員

By The original uploader was Primalchaos at English Wikipedia. [Public domain], via Wikimedia Commons

英国植民地でも一部、バックアンドボールした銃弾を使用できる旧式銃を残していたようです。
イメージ的に、ワラワラ人垣でやってくる相手が想定される場所では多用されていたイメージですね。

第1次世界大戦は塹壕戦になり、米軍が主にショットガンを多用した記録が残っています。
ウィンチェスターM1897に銃剣を付ける機構まで追加して正式採用しているのです。

■オリジナルのM1897トレンチガン(上)とノリンコM97Wライオットガン(下)

By Rubyt38 [Public domain], from Wikimedia Commons

CQBの原点ともいえるこの戦闘で、ショットガンは信頼性が高く評価され、またマシンピストル(短機関銃)の需要も高まっていくことになります。

ちなみに1918年9月、ドイツはショットガンが非人道的であると外交的に抗議していますが却下されています。

そして、第2次世界大戦でもM1912が主に太平洋戦線で使用されました。
この時点でボルトアクションライフルしか持たない、その他大勢の国の兵士は気の毒ではありますが・・・

同じくベトナム戦争でも、兵士の多くが自前のショットガンを持ち込んで使用しています。
ポイントマンが好んで使用した記録もあり、ショートレンジの接近戦ではショットガンの威力は絶大ということが証明されていますね。

ショットガンはアメリカを中心に戦場で活躍したイメージがあります。
ではヨーロッパではというと、ショットガンは軍用としてあまり普及しませんでした。

狩猟用の二連水平が主流でポンプアクション式が普及していなかったことと、ヨーロッパの平原ではショートレンジの戦闘が想定されていなかったことが原因と思われます。

ただし、もっとえげつないものがあります。
「キャニスター弾」です。

これは前装式の大砲に数百発のマスケット銃弾を詰め込んだものを撃ち出す砲弾になります。
戦列歩兵が接近してくると、防御手段のない砲兵はこれを敵の戦列に撃ち込むわけです。

もちろん、阿鼻叫喚の地獄絵図ですね。
これを撃った砲兵は、後続の戦列歩兵によって念入りに殺されたそうです。

これらの歴史的な流れを見ると、ショットガンが時にチート兵器として存在したことがうかがえます。
ただし、近代以降の戦闘は複雑化しています。

全員がショットガン装備してしまうとロングレンジの戦闘は不可能になります。
状況によって装備や編成を柔軟に切り替える運用力あってこそ、ショットガンは活躍の場を与えられたと考えるべきでしょう。

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コメント一覧 (1件)

  • キャニスター弾のことは知りませんでしたが、アラモ守備隊の話で似たようなのを聞きました。
    大砲に使い古しの蹄鉄を詰め込んで撃っていたそうです。

    それの使い手は敵兵から復讐されるとの話は、トレンチガンでもあったそうです
    塹壕戦でそれを持ってると、「やられる前にやれ」で真っ先に狙われるし、捕まると捕虜にしてもらえなかったのだとか。

    それにしても、ベトナム戦争時の米兵の件。
    「自前」とありますが、アメリカ軍って、戦場で使う銃を自腹で入手して持ち込んでも良いのですね(汗

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