アメリカの国防総省は、2020年1月9日、シンガポールに対してF-35Bステルス戦闘機の売却を認める決定を発表した。
日本でも護衛艦「いずも」・「かが」の改修にあわせて、その艦載機として42機のF-35Bステルス戦闘機の導入が決定しているが、小国にも関わらずシンガポール空軍も12機と数はすくないものの同機の導入がアメリカ国防省の承認を受けたことが明らかとなった。
意外に感じたのはシンガポールが小国と言う点もあるが、通常滑走路での運用を行うF-35Aステルス戦闘機ではなく、敢えてF-35Bステルス戦闘機を導入するとされた点だ。
シンガポール自体は人口は日本の凡そ20分の1以下の約560万人に過ぎないが、かつてのイギリスの植民地時代に日本軍によって容易に攻略された経緯から、小国にしては経済的なバックボーンもあり強力な陸上戦力を有していることも有名だ。

なにしろこの小国にして、戦車はドイツ製のレオパルトⅡを190両も保有しており、東南アジアでも有数と思われる充実ぶりだろう。同じく航空戦力も比較的充実しており、F-15戦闘機を40機、F-16戦闘機を74機と中々の有力な機体を揃えている。
しかも今回は短距離離陸・垂直着陸が可能なF-35Bステルス戦闘機を12機とはいえ、わざわざ導入するという点に軒並みならない意欲を感じざるを得ない。
しかし日本とは違い、現状保有する艦艇にはF-35Bステルス戦闘機を艦載機と出来るものはなく、新たにこれを搭載するための強襲揚陸艦を建造するものと見られている。
恥ずかしながら、現状でも6,000トン級と比較的小型ではあるが既にシンガポールが揚陸艦を保有していることを今回調べて知り、驚いた次第だ。
かつての日本軍による占領経験があるとは言え、この小国が揚陸能力まで備えていることには脱帽する思いだ。
今後のシンガポールの軍事戦略は、当然中国軍を睨んだものである事は明白だが、香港デモの絡みもあり、抱える危機感は日本の火ではなく大きいのだろうと感じる。
航空母艦や新型駆逐艦を相次いで就役させている中国軍に対し、同じアジアの国として日本との協調を願って止まない。
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