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ネットミームから生まれた怪物スレンダーマン~その詳細と正体

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日本ではあまり有名ではないものの、海外では絶大な知名度を誇る怪物がいます。それが、子供に大きな影響を与えると言われる謎の存在、「スレンダーマン」。

スレンダーマンはネットの中で生まれた「ネットミーム」といわれる存在の1つです。その成り立ちから、スレンダーマンは確固たるキャラクター性を持つものの、伝わっている内容は大きな違いがあります。

スレンダーマンとは、一体どんな存在なのでしょうか。また、その正体とは何なのでしょうか。
色々な情報から、探っていきたいと思います。

目次

スレンダーマンとは? その詳細について

ネット上でまことしやかに語られるスレンダーマンとは、どんな怪物なのでしょうか?

スレンダーマンとはその名の通り、ガリガリにやせた細長い体を持つ男の姿をした怪物です。スーツを着込んだ(例外あり)一見人間のような姿をしていますが、異常な高身長(最大3m程)と長い手足、髪や目鼻の無いのっぺらぼうのような顔をしているとされています。
時折、背中から黒い触手が生えているという目撃談が報告されることもありますが、一般的ではありません。

スレンダーマンは変質的な性格をしており、気に入った人間へつきまとい、激しい恐怖やトラウマを植え付けるとされています。特に子供を好むとされ、酷い場合にはさらわれることすらあります。
また、スレンダーマンは深い森に住むとされています。1人で、暗く深い森に入るのは避けた方がよいでしょう。

スレンダーマンの成り立ち

スレンダーマンが生まれたのは2009年のインターネット上のこと。アメリカの掲示板に一枚の白黒写真が投稿されました。その写真には、遊ぶ子供たちの背後に写る、細長い不気味な男性が写っていました。

投稿者はその後、写真に付随する文章も投稿しました。写真のストーリーを補完するような文章で、簡潔ながらも背景の奥行きを感じさせるものです。
これら一連の投稿から、掲示板の利用者は様々な空想を広げていきました。その結果、「スレンダーマン」という1つのネットミーム/怪物が生まれたのです。

ちなみに、多くの都市伝説やネットミームには著作権が存在しませんが、スレンダーマンにはエリック・クヌーゼン氏が著作権を有しています。クヌーゼン氏は、最初に当該の写真を投稿した人物だとされています。

アメリカで起きたスレンダーマン事件

スレンダーマンは架空の存在と考えられていますが、現実にも大きな影響を与えています。その代表例が、2014年にアメリカで起きた「スレンダーマン事件(刺傷事件とも)」です。

この事件の概要は以下のもの。

2014年、アメリカのウィスコンシン州で、わずか12歳の少女2人がクラスメイトをめった刺しにするという事件が起きました。被害者の少女は奇跡的に救助され生き延びることができましたが、その傷は内臓に達するほど深かったといいます。
彼女たちがこんな凶行に及んだ理由は、都市伝説のスレンダーマンにありました。2人はスレンダーマンの実在を信じていました。それだけでなく、スレンダーマンの信者的な存在であり、彼の歓心を買おうとしていました。誰かを殺すことでスレンダーマンを喜ばせれば、彼の住処(実在する森の中)で働くことになると思い込んでいたのです。

審議の結果、加害者の少女2人は罪に問われることはありませんでした。年齢や精神疾患が考慮されたためです。しかし、25年及び30年の長きに渡り、精神科で拘禁されることとなったのです。

スレンダーマンとは何なのか

スレンダーマンとは何なのでしょうか。その正体を探っていこうと思います。※かなり私見が入りますので、読む際にはご注意ください。

先に見てきた通り、スレンダーマンはネットミーム(クリーピーパスタとも)により生まれた怪物です。たった1人の人物の投稿をきっかけとして、多くの人の想像力を掻き立て、一個のキャラクター性を得るに至りました。

こうした誕生の経緯は、スレンダーマンという存在の曖昧さにもつながっています。
ネットを誕生の地とする都市伝説の多くで言えることですが、スレンダーマンは強烈な個性を持ちながらも、その実体はモヤモヤとしています。「~だから〇〇なのだ」という、明確な説明文がないのです。

スレンダーマンは一般的に、細長い、スーツ姿の男性状の姿をしているとされています。顔はのっぺらぼうで、気に入った人間につきまといます。つきまとった末に何をするのか。それは、「さらう」/「トラウマを与える」といわれています。さらった末にトラウマを与えたり、さらうまでに至らなくともトラウマを植え付けたりするのでしょうが、そのトラウマがどんなものであったのかは言及されません。

「トラウマ」とは心的外傷のこと。本人にはどうしようもないことが起こって(多くは災害など)、後々に影響し続ける心の傷となります。

もちろん、スレンダーマンにさらわれるという事象はトラウマになりかねないものでしょう。しかしそれならば、「スレンダーマンにさらわれることで果てしない恐怖を感じた」といった風になるはずです。
つまり、スレンダーマンには具体例がありません。その恐怖の感覚が曖昧模糊としているのです。

夜道を1人きりで、心細くなりながら歩いているとき、聞こえて来る音や感触の全てが恐ろしく感じることはありませんか? 真っ暗闇の中、急に足に触れた枯れ枝を、幽霊の手を誤認したことはないでしょうか。

スレンダーマンは森に親和性があるとされています。深い森は、技術の発展した現代でも対処しきれない、強烈な闇があるものです。
スレンダーマンとは、そんな闇に潜むものが現代的な姿を借りて現れたものなのかもしれません。

少し特異な都市伝説 スレンダーマン

都市伝説とは怖いながら、人を惹きつけて離さない存在です。その理由は、不条理ながらもどこか現実味と説得力のある存在感にあるのでしょう。物語の原点が容易に分からず、「もしかすると、広い世界のどこかではこんなことがあるのかもしれない」という感覚です。

しかしその点、スレンダーマンは異質と言えます。話の大元を投稿した人も分かっており、話が広まるきっかけが分かりやすく提示されているからです。

そんな、いわば「分かりやすい」存在ながら、スレンダーマンは人々の間に広がり、著名な都市伝説と化しました。
その理由は、スレンダーマンという存在の不気味さと現実味にあるのでしょう。

「スーツを着た、長身の男。手足が異常に長く、のっぺらぼうである」

この文言からして、不穏な雰囲気を放っています。その現代チックな見た目からして、あなたの後ろに佇んていたとしても不思議ではありません。
森に入る前、もしくは、何かの行列に並んでいるとき、背後を確認する癖をつけた方がよいでしょう。

※画像はイメージです。

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