私はアウトドアが大好き、週末になるとテントを自転車に積みこんでソロで野営を楽しんでいます。
ある夏の日、一泊二日である山の山頂まで遠征ツーリングする計画を立てました。
本来は景色の良い山頂付近まで行く予定だったのですが、猛暑で予想以上に暑くて体力を消耗してしまったのです。
まだ中腹ぐらいですが限界に近い状態、ちょうど野営に良い河川敷があったので、今晩はここに泊まろうとテントを広げました。
夜の河川敷で野営・・・
酒を飲みながら、山の木々を眺めつつ川のせせらぎを聞き料理を嗜ります。
想像以上の疲れで睡魔が襲ってきて、早めに就寝とすることにしました。
どれぐらい時間が経ったのか解りませんが、テントの周りで石を踏みしめるでもない、何か動く音がうるさくて目を覚ましてしまい、不意にテントから顔を出し確認するも誰もいない。
気のせいだろうと寝ようとすると再び、何かが動く音が聞こえてきて、目が冴えてしまう。
「あかん・・・酒飲み過ぎてもうたか・・・」
白湯を沸かして飲もうとコンロに火を着けた瞬間・・・・。
目の前には体の一部が潰れかかった血だらけの子供が何人も・・・数メートル先で見ているっ!!!
あまりの衝撃に腰を抜かし失禁と共に気絶してしったようで・・・気づいた時には朝になっていました。
この場所は・・・・
急いで道具を片付け一刻も早くこの場を離れようとしていると、数人の地元のおじさん達がこちらに向かってやって来る姿がみえます。
余裕がなかった事もあるのですが、よく調べずに野営してしまったので注意されるのでしょう。
代表者のような方が私の前にやってきて一言・・・「ここに泊まったのかい?」・・・と。
私はやはりと思って、「すいません」とその方の顔を見ると怒っているというよりは青ざめている。
ちょっと意外な反応にとまどっていると、その方は私の背後の方に指をさし、その先の草むらには、よく見ないと気がつかないぐらいの石碑?のような物が見えます。
その方の話では、
「この村では、災害が起きるたびに子供を山の神に生贄を捧げる習慣があって、その慰霊碑。」
「村人も怖がって夜間は近づかないぐらいの場所、毎年、この時期にに慰霊祭をやるので手入れにやってきたら、貴方が寝ていた」・・・との事。
極めつけは、「怖い思いをしなかったですか?」と少し半笑い。
逃げ帰ってけれど
一目散に自転車に乗り、乗り逃げるように帰った。
帰宅して一安心、急いでグチャグチャに畳んだテントを終い直していると、野営していた時と同じような音が聞こえ、不意に振り返ると血だらけの泣いている子供が一瞬見えた。
弔いの念仏を上げると共にテントをしまい、夏なのに部屋の雨戸を閉め切り布団をかぶり、汗だくになりながらとにかく眠りました。
もう子供が現れる事はありませんが、野営するのに場所は十分注意しようと心に決めました。
※画像はイメージです。
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