「孫子」は単なる戦略書ではなく、ビジネス書であり心理学書。
孫子とは
孫子といえば、3つのことを指します。
第一に兵法書としての『孫子』、次に春秋時代の呉の名将孫武、そして戦国時代の斉の軍師孫ぴんです。現代に残る兵法書としての『孫子』は三国志の英雄である曹操がまとめたものといわれます。
その内容は、国策の決定・行軍・作戦など戦闘全般について簡潔に語られたものです。日本でも愛好者は多く、武田信玄の「風林火山」が孫子からとられていることは有名です。
道、天、地、将、法
孫子の中で戦いに勝利する条件として挙げられているのがこの五つです。
道とは、簡単に言えば大義名分といえるでしょう。会社が発展しようとするとき、組織が何かの目的をなそうとしているとき、戦争でなくても一致団結して同じ方向を向くことが成功への条件となります。みなが納得する大義名分を備えていれば、競争でより優位に立つことができるでしょう。
天とはタイミングです。早すぎる決断や遅すぎる行動によりチャンスを失ってしまうことは今も昔も変わりありません。
地とは地理的な位置づけです。自分のなそうとしていることが成功するかどうかのカギは、立地条件にも大きく左右されます。シンガポールが発展したのはアジアと中東を結ぶ大動脈であるマラッカ海峡に位置するという地理的条件があったからです。
将とはリーダー、すなわち人です。どのように優れた理念や地理的条件を持っていてタイミングが良くても一人ですべてのことをなすことはできません。多くの人を束ねていくリーダーが必要です。
法とはルールであり仕組みといえます。信賞必罰という言葉がありますが、公平に評価される基準がはっきりしていれば人々は自分から困難に立ち向かうこともできます。何をやっても評価されないというのではやる気を失い、指示待ちになりかねません。
まとめ
孫子にはこの言葉だけではなくたくさんの現代に通じる至言があります。孫武や孫ぴんの人生エピソードが書かれた『史記』とともに読むことでさらに興味深いものとなるでしょう。
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