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「冥婚」の歴史と込められた「祈り」

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「冥婚」という言葉を聞いたことがありますか?
死者と生者を結婚させる、世界各地に伝わるこの風習は一体なぜ生まれたのでしょうか。
冥婚が生まれた意味や、そこに込められた願いについて考察していきたいと思います。

目次

「冥婚」という言葉を聞いたことがありますか?

死者と生者を結婚させるという風習ですが、特に有名なのは台湾の「赤い封筒」の話だと思います。
赤い封筒は、故人(女性)の遺髪や写真を遺族が赤い封筒に入れて道端に置き、それを拾った男性と結婚させる(無理やり結婚を迫る)風習と言われています。

実際には道端に死者の髪や写真が入った封筒が落ちていることはなく、あっても大概いたずらだったりするらしいです。
しかし、本当に死者のことを哀れんだ誰かが、死後の世界で死者と生者が結ばれて幸せになることを望んで赤い封筒を道端に置いたのだとしたら、安易に拾ってはいけないでしょう。
死者に魅入られ、そのまま死後の世界に囚われてしまうかもしれません。

台湾の赤い封筒、実は比較的最近に始まった風習らしく、よくドラマや映画の題材にされています。
どちらかというと、風習というより現代の都市伝説に近いのかもしれません。

しかし、古来より世界各地には冥婚とも言える伝説や神話・風習が数多く残っています。
一体、冥婚とは何なのでしょうか。
何のために行われてきたのでしょうか。

冥婚について考察しながら、世界に伝わる冥婚のいくつかをご紹介したいと思います。

伝わる冥婚

有名な物語の一つに、ギリシャ神話のペルセフォネと冥界の神ハデスの話があります。
豊穣の女神デメテルの娘、ペルセフォネが冥界の神であるハデスによって死者の国へ連れ去られ花嫁にされてしまう物語ですが、これもまた冥婚と言えるのではないでしょうか。
ペルセフォネは死者の国でザクロの実を12粒のうち4粒食べてしまい、1年のうち、3分の1は冥界で暮らさねばならなくなりました。
そのためザクロは生と死を司るものとして、この神話で語られているような気がします。

このザクロの実は血のように真っ赤であり、先に述べた台湾の「赤い封筒」とも通じるものがあります。
赤は古来より「生命」や「勝利」「魔除け」「生と死」のモチーフとして世界各地で使われてきた色でした。
神話や各地の風習など古くから伝わってきたものが流れ着いて、現代に生まれた台湾の冥婚でも、赤色の封筒が使われているのかもしれないと私は考えています。

また、世界だけでなく日本にも冥婚の風習がいくつかあり、その一つが山形県に江戸時代より前から伝わる「ムカサリ絵馬」です。

ムカサリ絵馬は、婚姻せずに亡くなった男性を供養するものとされています。
絵馬に亡くなった故人と架空の花嫁を描き、奉納するこの風習は、死者と生者を無理やり結婚させるようなものではありません。
どこか穏やかな優しさや、故人への思いやりすら感じられます。
結婚せず亡くなってしまった男性を、結婚という通過儀礼を通して一人前の人間として旅立たせたいという遺族の親心から生まれた風習なのかもしれないと私は思いました。

大切な人との別れは・・・・・

ギリシャ神話のペルセフォネとハデスの話も、日本のムカサリ絵馬の話も、そして現代の台湾で語られている「赤い封筒」の話も、これらの冥婚に関わる話は、結局は死後の世界を信じている人々の祈りや願いから生まれたのかもしれないと思いました。
台湾の「赤い封筒」の話も、死者と封筒を拾った男性を無理やり結婚させるのは乱暴な気がしますが、これもまた遺族が故人を思うがゆえに生まれた物語だと私は考えました。

大切な人との別れは悲しく辛いものであり、遺族の心は簡単には癒されることがないと思います。

そんな遺族が故人の死を受け入れ、彼らや彼女たちの死後の安寧や幸せを願って冥婚が生まれたのだとしたら・・・。
冥婚とは古来から続く、遺された人々が死を受け入れるための、一種のグリーフケアだったのかもしれません。

怖い話とお酒と猫が大好きです。
最近、子猫を保護しました。保護した初日からヘソ天でソファでくつろぎ、家の中を自由気ままに歩き回っている姿を見て、ひょっとしたら先代猫の生まれ変わりなのではないかと思い始めました。猫が毛皮を着替えて戻ってくるという伝説は、案外本当なのかもしれません。

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