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諏訪大社、神様の夫婦喧嘩とその理由

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これは御柱で有名な長野県のと諏訪地方に伝わる民話です。
温泉どころの諏訪地方ですが、土着の神様の話が息づくこの地方では、面白い民話が伝わっています。
今回はその民話を二つを紹介していきましょう。

目次

神様の夫婦喧嘩

諏訪大社上社に祭られている建御名方神と下社に祭られている八坂刀売神は夫婦の神様。どんなに仲良しの夫婦で神様でも喧嘩はします。
ある日夫の建御名方神と大喧嘩をした八坂刀売神は諏訪湖を挟んだ対岸の諏訪大社下社へと移り住むことにしました。家出をする際にお化粧に使っているお湯を綿に含ませて持っていき、小舟に乗って湖を渡る途中、その綿からぽたぽたとお湯が落ちます。

下社の本殿の手前、秋宮あたりに着いて綿を置いたら、不思議なことにその場所からお湯が沸き出てきて、綿からこぼれたお湯が落ちた湖の中にも温泉が湧きました。
お湯は時間とともにぬるくなるので、上諏訪の温泉はぬるく、下諏訪の温泉は熱いのだそうです。

秋宮あたりの温泉は「綿の湯」と名付けられ、今でもこんこんと温泉が湧いています。
そのお湯に心の汚れた人が入ると、みるみる温泉が注ぎ込まれる湯口が濁るという言い伝えもあり、下社七不思議のひとつにも伝えられているのです。

神様の夫婦のその後

どうやら今でも別居は続いているらしく、寒い冬にひとりで過ごすのは神様といえども堪え、建御名方神はさみしくなって下社に会いに行こうと思いました。

その時ちょうど諏訪湖が凍っていたので、建御名方神は徒歩で諏訪湖を渡るのですが、龍の姿をしているとも言われている大きな神様が通って行ったので、氷の張った諏訪湖から大きな大きな音がします。眠っていた湖畔の人間はびっくり仰天しました。

朝になって見に行くと、諏訪湖の氷が筋をなして盛り上がっていたので
「神様が通って行ったんだ」
と話し合った。

神様二人は冬の間下社で過ごしたとのことです。

筆者の考察

この話には謎があります。
夫婦喧嘩の理由で、これについて短い一つの民話に理由を見出しました。

11月の神在月、出雲大社では神様が集まって会議をしますが、そこに遅刻して首だけやってきた神様がいたのです。それが諏訪の龍神様。

出雲の神様は遅刻の理由を聞くと
「おれの体が大きくて、今もしっぽは諏訪湖のほとりの松の木に絡みついている」
そう答えた龍神様に出雲の神様は
「そんなに移動が大変なら、じゃあ来年からは来なくていいぞ、会議の様子からはだれかよこして伝えに行くから」
とこたえました。

それ以来11月になっても出雲には出向かずに諏訪大社の中で過ごしているのです。
なので、信濃の国からは神無月が消えて、神在月になってしまったそうです。
この民話では八坂刀売神は出てきませんが、おそらく八坂刀売神は以降も出雲に出向いていると思われます。

では建御名方神はどうしているのか?
家でちょっとした家事もせずにダラダラされては、さすがに神様でも頭にくるのではないでしょうか?しかも、会議から疲れて帰ってきて家が荒れ果ててたとしたら?

ということで、大げんかの理由は出雲から帰ってきたら家が荒れ果てていたから、というのはどうでしょうか?

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