9月といえば皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
8月のお盆が終わり、10月のハロウィン、神無月や紅葉の合間である、9月といったら秋の始まりに残暑、菊の花に秋祭り々、十人十色なことをイメージするかと思います。
しかし9月といったらアレを忘れてはいけません。そう、十五夜です。
名月を楽しむ十五夜はまさに日本らしい行事ですよね。
今回はその月にかけまして「タケ」に関する、あらゆることについて触れていこうと思います。
もしも興味を頂けたなら、どうかしばらくの間お付き合いください。
竹は破邪の植物
タケといったら「竹」と表現したほうが話が早いでしょうが、実は「竹」を用いるのは人文もしくは産業の場面で用いるのが適切です。そのため記事内では「タケ」と表記していきます。
閑話休題。本題に入りましょう。
タケは昔から神聖視されていた植物で、破邪の力があると信じられてきました。
それは中身が空洞であることや急激な成長ぶりが関わっていると考えられており、日本最古の物語「竹取物語」の主人公・かぐや姫がその証拠に上げられています。もっともタケの中から生まれるという異常誕生譚は日本では珍しいタイプの御伽噺で、世界的に見たら中国やアジアのほうが多いそうです。
とはいえ日本でタケ自体が珍しい植物というわけではなく、僧侶による大蛇退治を由来とする「鞍馬山竹伐り会式」や埼玉県に伝わっている「継子と笛」、もっと言えば日常使いされていた竹細工などタケは日本人に親しい植物でした。
竹は九州が本場?!
何しろ自生しているところでは容易く手に入る植物です。特に九州は竹の本場だと言われています。
そういえば鹿児島県には「十五夜ソラヨイ」というお祭りがあるそうですね。
旧暦の8月15日に子供たちが藁の蓑笠をまとい、「ソラヨイ、ソラヨイ」とうたいながら地面を踏みしめて月と大地に感謝する行事だとか。
鹿児島県といったら隼人、その隼人は月神信仰をしていたという話は有名ですよね。
ちょっと話が逸れてきましたが、その隼人たちは竹細工を得意としていたそうです。
つまり何が言いたいかと言えば日本では月とタケは隼人たちが深い関わりを持っており、中国やアジアから九州へ、それから畿内にタケという存在と概念が伝わったのではないかと考えられています。
タケといったらあの妖怪!
タケは神聖視されていたのは確かですが、「タケの神様」がいるかと言ったら実はいなかったりします。
そもそもタケは神様の依り代とされており、そういった意味ではいないのは当然かもしれません。
けれども「タケの妖怪」ならいるんです。それは妖怪万年竹、「ゲゲゲの鬼太郎」で知られている水木しげる先生の著書で登場する妖怪です。
この妖怪は1万年も生きたタケが妖怪化したもので、人間が竹やぶに入ってくると術をかけて迷子にさせてしまうとか。また妖怪万年竹がいる竹やぶで野宿をすると、竹の枝に似た手を伸ばして生気を吸い取ってしまうと言います。
アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」でも登場しており、ちょっと怖い話になっていますよね。
しかしこの妖怪は妖怪に精通している人たち曰く、昭和40年代に創作された妖怪だと考えられています。
現代人風にいえばゲーム「大神」のラスボス、空亡のようなものでしょうか?
さて、れっきとした「タケの妖怪」はこれだけですが、「タケ」と関わりがある妖怪はもう1ついます。
それは竹伐狸。京都府亀山市に伝わる妖怪で、夜中に竹を切る妖怪です。
他にも祭囃子を鳴らしたとか伝わっていますが、基本的に無害ですね。
余談ですが狸が狐と違ってユーモラスなのは狐は信仰されているのに対し、狸は人里でよく出現していたので怖がられなかったからと言われています。
※画像はイメージです。
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