この話は私が子供の頃、お盆休みに母の実家へ帰省した時の出来事です。
母の実家は関西のある田舎町にあり、周りは山と田んぼだらけで本当に何もありません。
墓参りに行こう
毎年、夏のお盆休みになると母の実家へ帰るのが決まりで、2泊ほど田舎でゆっくり過ごすのが定番です。
その日、テレビを見て過ごしているち、母から「墓参りに行こう。」と告げられ、隣に住んでいる親戚の兄と一緒に行く事になりました。
今は火葬だけど昔は土葬で家の祖先もそうだったなんて話をしながら、歩いて10分程度の墓地に向かいます。
墓地に着くと母たちは、先祖の墓をブラシなどでキレイに洗はじめ、私と親戚の兄は、仏花や線香を買いに管理しているお寺のそばにある売店へ向かいました。
不思議な出来事
売店までの途中に雑木林があり、その近辺に無縁墓が集められ、いつ来ても不気味な場所です。
私達は足早に通過しようとした時でした。
墓石の間になにか動物の様な物が見え、私は指を指し「あれ何?」と親戚の兄に言うと、その物体は動き始めました。
体は小柄で毛が生えていて目が大きいのが特徴で、一見、タヌキのような風貌でしたが、凶暴で今にも襲いかってきそうで気味の悪いモノなのです。次の瞬間、それは雑木林の奥に走って行き、あっいう間に見えなくなりました。
親戚の兄も見たことがなく、おそらく妖怪の類で、場所が場所な事もあって昔から居るという噂があったといく話を聞いた事がある。そして、売店のお婆さんにもこの話をすると薄ら笑いの表情で、この辺は昔からそんな妖怪が出て人を食らうので気をつけた方が見のためだと・・・。
二人で震え上がりながら、急いで母たちの元へと逃げるように走っていったのでした。
正体は
その夜、祖父母にも話をしましたが、誰も信じてくれませんでした。
そんなとき、ふとテレビを見ると・・・そこには思いがけない事実が!
テレビのローカルニュースでは、この近辺にペットだったのが捨てられて野生化した「アライグマ」が繁殖してしまい農作物や生態系にも被害があり、地域住民が迷惑をしている。
「これだ!墓地にいたのはこの動物だ。」
私は驚きと感動で家族にその事を告げると、一同大笑いです。
でもね
不思議な出来事はこれで解決したように思いますが、売店のお婆さんがいった妖怪の話はなんだったのだろう?
隣の親戚のお兄さんに話しても納得できないようでしたので、次の日、一緒にお婆さんに詳しい話を聞きに神社の売店に行ったのです。
ですが店番はしていたのは若いお坊さんで、お婆さんの話をすると何の事でしょう・・・そんな人はいないと。
親戚のお兄ちゃんはそんな事は無い、昨日話しを聞いたはずだと食ってかかっていくのですが、昨日も店番はこのお坊さんがしていた。
本当に「アライグマ」だったのでしょうか?
お婆さんの正体はいったい何なのでしょうか?
※画像はイメージです。
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