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予言の書だった??東野圭吾の名作「天空の蜂」

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1995年の八月の暑い日、愛知県小牧市にある航空自衛隊小牧基地に隣接した『錦重工(三菱重工をモデルにした企業)』の格納庫から、防衛庁に納入される予定になっていた超巨大輸送ヘリ、ビッグBがテロリストによって奪取され、福井県敦賀市にある高速増殖炉『新陽(モデルはもんじゅ)』の上空にぴたりとホバリングしていました・・・

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東野圭吾の名作「天空の蜂」

この作品が出版されたのは1995年です。
まさか、2011年にあんな震災が起こって、原発に事故が発生するなんて、思いもよらない時代にこの題材を書いた東野圭吾という人は、凄いなと思いました。

『ガリレオ』や『新参者』など、さまざまなシリーズを読みましたし、映像作品も見ていますが、数多い東野圭吾作品の中でも、この『天空の蜂』はカテゴライズがほとんどできない、唯一無二の独特な一本でした。

堤幸彦監督が作り上げた映画『天空の蜂』は、その原作のテイストを見事に余すところなく具現化しており、そして最後に、今でなければ出来ない、素晴らしいおまけをつけてくれました。
試写会で始めてみたときには、号泣が止まらず、恥ずかしい思いもしましたが、その最後のオマケの破壊力がすさまじかったのだということだけは、お伝えしておきます。

あらすじ

この物語の中では、クライマックスが二回きます。
最初は、ビッグBの設計者湯原の息子高彦の救出シーンです。
たまたまちょっとした好奇心で乗り込んでしまったビッグBがテロリストにダッシュされ、いつ落とされるか判らない、そのヘリの中に取り残された高彦を救うべく、航空自衛隊小松救難隊が出動します。

救難員(メディック)が活躍する物語は、発表当時には殆ど見受けられず、珍しいな、と思っていましたが。
公開された2015年には東日本大震災を経たこの国では、その職業を知らない人は殆どいないだろう、というほどに周知されていたわけです。
リアルにその救助ミッションが出来るかは別として、大変丁寧なその描写は好感度が高いものでした。

さらに、二つ目のクライマックスは、ビッグBの燃料が切れる前に、如何にして新陽からそれた場所に落とすか、というミッションです。
技術者と、警察、そして新陽を守る現場の職員たちが必死になって攻防を重ねていく、その姿の向こう側に、人は何を守って生きているのか、守れなかったら、その人はどうなってしまうのか。
そうしたギリギリの戦いが描かれていました。

そして時が流れて

あの事件を生き延びた人々の姿が描かれることで、大切なことを伝えてくれた、その堤監督の想いは、東野圭吾さんの原作をちょっとだけ引っ張って、超えたのではないかと思っています。

原発とテロという政治的に問題になるテーマだった故に、自衛隊の装備品やヘリはリアルなものを使うことが出来なかったとのことですが、それはエンタティンメントということで、代替品であっても、十分な迫力のあるものでした。

ただ、一瞬だけ、犯人の履歴書が画面に映りこむのですが。
その写真は、結構な衝撃です。
どうぞ、お見逃しありませんように、ご注意を。

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