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巨匠・安彦良和先生が描く「ヴイナス戦記」

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さて今回紹介する作品は、機動戦士ガンダムなどを手掛け日本漫画界と日本アニメ界の巨匠として名高い、安彦良和先生の手掛けた、幻の未完の作品として名高い「ヴイナス戦記」を取り上げたいと思います。

本作は、SFをテーマにした作品で、舞台となる世界は21世紀初頭の未来。
かつて金星と呼ばれた星は、小惑星の衝突によって環境が著しく激変してしまい、金星は地球と同じ環境となった、人類の生存生活可能な惑星と激変してしまいます。
やがて地球は金星植民を開始し、いつしか金星は人の住む第二の地球として人類史に歴史を刻む事となっていきます。

しかし時代を重ねていった結果、いつしか金星には二つの派閥が産まれました。
強大な軍事力を誇る「イシュタル」、芳醇な国土に恵まれた「アフロディア」と金星を二分する二大自治州は、時代ごとに深い対立を刻み、やがてそれは金星初の戦争へと発展しようとしていました。

そんな一触即発の時代の中を生きていた主人公・ヒロキ・セノオは、地球へと行く事を夢見る少年。彼は生きる糧を得る為に、バイクゲームと呼ばれるハードな生死を掛けたレースへと参加をし、天才的な腕前をいかんなく発揮。
その腕を見込まれて、アフロディア軍の技術士官シムスにスカウトされ、イシュタル軍の重戦車部隊に対抗する部隊戦闘バイク部隊HOUND へと入隊する事となります。

一人の少年が戦争へと巻き込まれ、兵士として戦う事となる。同年代だった筆者から見ても衝撃的なその内容は、過酷な世界で自分の守りたい者の為に戦い時代に挑んでいく、彼の姿に憧れるモノがありました。

またこの作品の見どころとなるのは、登場するアフロディア軍開発局で開発された戦闘用バイクHOUNDでした。
一輪バイクに40mm口径の対戦車ライフル砲、ミサイル、対人用機関砲と重武装を施し、イシュタル軍主力戦車であるアドミラルA-1戦車と戦うシーンは、いつも固唾を飲んで見守っていました。

熱砂の荒野を駆けていく、彼の姿や、また戦争の中を生きていく姿と、子ども心にカッコ良さを抱いていました。
連載が中断し安彦先生が封印してしまった本作は、最近になって日の目を見る事となりましたが、筆者は中断されていた第三部が再開される事を切に望んでいます。

監督:安彦良和
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いば・よしあきと申します。
昔、未来になったら、一輪車型のバイクが出回るのかと、本気で考えていたライターですが宜しくお願い致します。

ヴイナス戦記 (C) 安彦良和 学研・松竹・バンダイ

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