さて、今回紹介したいミリタリーな作品は「王立宇宙軍 オネアミスの翼」です。
今作は1987年にガイナックスで制作されたアニメーション作品で、後の1990年代のアニメ業界にセンセーションな作品を無数に排出する事となる、あのガイナックスの記念すべき第一作とも言える作品です。
当時宣伝費用に8億円を投資し、興行成績は赤字だと言われているも、作中の動画の動きには目を見張るものがあり、実写さながらの細かな動きなどが高い評価を受け、SF作品としては、マニアックな評価を受けているも、一度見てしまえば心奪われてしまう、その世界観に魅了されてしまう事間違いなしの作品です。
大まかなあらすじ
それは地球に非常に似た世界であり、地球とは違う歴史を歩んだ世界が舞台となります。
不安定な政治事情と国境線との小競り合いが燻る時代、失敗ばかりでなにもしないオネアミス王国の落第軍隊と世間から見下されていた王立宇宙軍から、物語は始まります。

王立宇宙軍に所属する宇宙軍士官であるシロツグ・ラーダットは、変わり映えのしない日々を送りながら、退屈な日常を過ごしていました。
かつては軍隊に憧れを抱き、ジェット戦闘機乗りを目指していた熱い気持ちは既に冷めてしまい、淡々としながら軍隊生活を過ごしていた彼。
ある夜に同僚達と共に繰り出た歓楽街にて、布教活動を行う少女・リイクニ・ノンデライコと出会う事で、彼の一念発起が始まり、人類初の有人人工衛星打ち上げ計画に志願し、人類史初の宇宙飛行士を目指す事となります。

厳しい訓練に堪え、色々な現実と向き合いながら、飛行士として成長していくシロツグ。
でも宇宙開発の裏側では、多額の税金と裏金が動き、オネアミス王国と敵国である共和国の思惑に巻き込まれ、シロツグが宇宙を目指していく──
と、実に熱い内容となっています。
1987年のSFアニメーション作品
この作品が発表された当時である1987年のSFアニメーション作品の主人公や、物語においては、非常に地味だと言われていますが、この宇宙へと目指す、目指そうとする落ちこぼれ達が、一つの目標に向かって努力すると、そしてやる気のないシロツグが、徐々に成長し、男の顔になるなど、努力と成長が描かれた作品でもありました。

また筆者が好きなシーンを挙げれば、後半部にあるシロツグが刺客と戦うシーンなどが挙げられます。
清掃車で轢き殺そうとする刺客相手にナイフで挑み戦うシロツグ。
他にも国境線でロケットの打ち上げとなり、共和国の軍隊が攻めてくる中で、ロケットを発射を取り止めようとする仲間を叱咤し、宇宙へと向かおうとするシーンも必見ながら、この作品の最大の見せ場となるのは、シロツグが乗るロケットが、宇宙へと飛び立つシーンが、最大に見せ場とも言えます。

リアルすぎるロケットの発射シーンに心奪われながら、ガン見していたあの頃。
子どもながらにあのシーンを何度も見てしまい、この作品にすっかりとハマっていたものでした。
それ以来ガイナックス作品を追いかける事となり、知らず知らずにオタクの道を歩み始めてしまうきっかけを与えてくれた、この作品は、見て損のしない、落ちこぼれ達がカッコ良く見えるアニメ作品です。

(C)1987 王立宇宙軍 オネアミスの翼 BANDAI VISUAL/GAINAX
思った事を何でも!ネガティブOK!