令和元年五月一日・・・新たな元号と共に、新天皇の即位が行われました。
生前退位からか明るい雰囲気のまま行われた即位は、儀式などが多くのテレビで中継され話題となりましたね。
そのなかでも注目された儀式の一つ、剣璽等承継の儀と呼ばれる、三種の神器を引き継ぐ儀式があったことも、皆さんまだ記憶に新しいのではないでしょうか。
今回はその三種の神器について解説していきたいと思います。
神話の宝具?三種の神器とは
三種の神器とは、代々天皇が権威の象徴として継承している三つの宝、「八咫鏡」、「天叢雲剣」、「八尺瓊勾玉」の総称です。
それぞれ神代に由来を持ち、天皇家の霊的な権威を象徴するものとなっております。
その神秘性はまさに神聖にして侵されざるべきものとされ、天皇陛下でさえ実見は許されていません。
まさに伝説の神宝であり、日本国の国体と言っても差し支えないレベルのものですね。
八咫鏡
最初に解説するのは八咫鏡。
皇祖神である天照大御神が天岩戸にお隠れになったとき、再度呼び戻すために作られた鏡とされています。
地上には天孫降臨の際、他の神器と共に瓊瓊杵尊が持って降臨したとされています。
正確に言えば八咫鏡とは固有名詞でなく、大きな鏡という意味の一般名詞なのですが、現代では三種の神器を指すものとして使われがちです。
また八咫鏡は、他の神器が神話により多少異同があるのに比べ、どの神話にも共通して見られるため、三種の神器の中でも特に重要視されているのでは?と言われています。
本物は伊勢神宮の内宮にあり、即位に使われるものは形代と呼ばれるレプリカとされています。
天叢雲剣
次に紹介するのは天叢雲剣。
草薙剣という名前でも有名ですね。
神話においては、須佐之男命が八岐大蛇を倒した時に尾から出てきたものとされています。
その際に須佐之男命が自分の持つべきものではないと天照大御神に献上し、瓊瓊杵尊が鏡や勾玉と共に持って降りたことにより地上へと伝わりました。
その神聖性からいかなるものにも実見が許されない三種の神器ですが、この天叢雲剣は江戸時代に熱田神宮の大宮司と数名の神官が覗き見たという事件がありました。
覗き見た神官たちは次々と死んでいき、最後に生き残った神官がその姿かたちを伝えたと言われています。
その言い伝えによると長さは約85㎝、刃先は菖蒲の葉のようで中ほどは厚く、全体は白みがかっていたそうです。
本物は熱田神宮に存在し、即位の際に受け渡されるのは八咫鏡と同じく形代とされています。
八尺瓊勾玉
最後に紹介するのは八尺瓊勾玉。
これは上の二つと違い、比較的後から三種の神器として扱われたものですね。
ただ、考古学的な観念から見れば、勾玉は鏡や剣より古いものであり、天皇家の神道が伝わる前の、縄文時代の古代宗教の名残では?とも言われています。
神話的には天照大御神がお隠れになった際に、八咫鏡と共に献上されたものとされています。
地上には他の神器と同様に、瓊瓊杵尊が持って降臨したとされています。
また、八尺瓊勾玉も八咫鏡と同じく、正確には固有名詞ではなく、大きな勾玉という意味の一般名詞です。
八尺瓊勾玉は三種の神器で唯一、皇居内に本物が収められている神器ですね。
以上が三種の神器です
それも神代の幻想的な代物であり、神秘的な歴史を感じることができるものだと思います。
こういった伝統には底知れぬロマンを感じてしまいますね。
これからもずっと三種の神器と共に日本が安泰であることを願い、今回は筆をおきます。
※画像はイメージです。天皇陛下すら見たことのないものですから。
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