4つのトレードカラーをたなびかせ、鍛え上げたニンジャの技とホットなユーモアでマンハッタンのコンクリートジャングルを駆け抜ける、イカしたチームの正体はなんとカメ?!
70’sの風を纏ったストリートスタイルでマンハッタンを縦横無尽に飛び跳ねた「あの」ユーモラスなミュータントニンジャ達が、愛敬と格好良さはそのまま21世紀に「ミューテイション」して参上!
ギャグ・コメディ要素が多めだった過去作の風情を踏まえながら、シリアス・ドラマティックにブラッシュアップされた物語も見逃せない、子供向けだと思って油断出来ない驚きのハイクオリティ・アクション・エンターテインメントをご紹介致します!
驚きのセンスとクオリティ!ハイスピード・ニンジャ・バトル!
3Dアニメーションもここまで来たかと唸らずにはいられない!驚きのハイセンスとクオリティから繰り出されるハイスピード・ニンジャ・バトルアクションをご覧あれ!
今回紹介する2012年版を含めて、過去何度も映像化やゲーム化までされた人気コンテンツであるこの「タートルズ」ですが、その「原作」に当たる作品は日本で言う「同人誌」に近いものとされ、それ故に遠慮も躊躇も無く趣味性満載のキャラクター作りが為されています。
結果として生まれた「70’s」な「アメリカン・ストリート・スタイル」の「ニンジャ・アクション」…如何にもごった煮感満載の、悪ノリB級パロディを思わせる字面となってしまう「原作」から連なる作品は、それぞれにそうした軽薄でコミカルな中にちょっとダークな皮肉を込めた背景を持った作品です。
しかしその背景はあくまで作品を形作る「下地」や「骨組み」に留め、大都市マンハッタンの「アンダーグラウンド」を駆け抜ける強く優しいお茶目でヒロイック、その正体はニンジャ・マスターから正義に生きよと教えを請うた若きニンジャという、何でも有りな世界観を飲み込んでしまえる「パワフルなキャラクター」が形成されています。
武器とキャラクター性を強く押し出したアメリカン・カートゥーンライク
その「多彩」なニンジャ・スタイル故に、持ち前の武器とキャラクター性を強く押し出したアメリカン・カートゥーンライクな戦闘描写まで許容してしまえる懐の深さから「正統派アクション」の要素まで辿り着きにくい所もあったかもしれません。
そんな「お茶目だけどキメる所は格好良くキメて見せる」境地にまで辿り着いたと言えるのが、2012年に公開され実に足掛け5年間、120話を越える一大シリーズ作品となった本作です。
過去、その難題の原因ともなっていた版権関係の取りまとめに成功した事で「タートルズの物語を一からきちんと作り上げる」事が可能となり、キャラクター造型を関係性から「語り直す」意欲作となりました。
更にフル3DCGアニメーション技術が普及してノウハウが蓄積された事から表現の幅が広く深い進化を遂げ、一方で「パルクール」のような現実においても身体動作の参考となる競技等も表われる事で、その表現力が「かつてのファンも待ち望んでいたもの」へ近づいたと言えます。
即ちそれは現代マンハッタンが形作る地下迷宮…下水施設と地下鉄の織り為す闇の世界で、古より連綿と受け継がれて来た「ニンジャの技」を受け継ぐ最強のマスター「ヨシ・ハマト」が「息子」として15年の時と愛情を掛けて育て上げた「四人の弟子」へと「受け継がれた技」という「厚み」と「重み」を持った技として現れます。
地下の闇を自由自在に駆け抜けて、大小新古凹凸傾斜多文化入り乱れるマンハッタンの屋根を縦横無尽に飛び跳ねて、正体不明のミュータントから悪のニンジャ軍団、果ては宇宙人にドラゴン、未来人まで、ありとあらゆる戦域と戦術を相手に泥臭く、パワフル且つスタイリッシュに戦い抜く姿はアクション大作もかくやという作り込みになっています。
大長編なればこその「パワーアップ」も、修行やトレーニングの果てという「物語」ともリンクする「理由在りきの強さ」として語られればこその楽しみとなっていますので、是非ともその「芯の通った強いアクション」を最後までお楽しみ下さい!
あの「懐かしい名前」の数々に「カワバンガ!」
あの「懐かしい名前」の数々に「カワバンガ!」間違い無し!
過去タイトルを知っていればこそ是非見て欲しい「憎いアイツ」の新たなストーリーにドキドキする!
本作を含む「タートルズ」作品と言えば、キャッチーな名前から更に想像も付かないような驚きの造型で以て登場する数々のキャラクターこそがその大きな魅力です。
師匠であり名付け親である「スプリンター先生」が趣味全開で名付けたのは、二刀流の熱きリーダー「レオナルド」に短気で情に厚いサイ使い「ラファエロ」、末っ子気質の奔放ヌンチャクマスター「ミケランジェロ」、頭の切れ味と理屈っぽさは宇宙レベルの杖術使い「ドナテロ」からなる若きニンジャ・チームです。
過去作が若干の「おっさん臭さ」も思わせる、おっとりとしてユーモラスな雰囲気を纏っていたのに対し、本作では原題に見られる「ティーンエイジ」の文言通り、15年掛けてニンジャの技を収めた修練者である一方での瑞々しい若さを全面に押し出した姿や立ち居振る舞いを見せます。
そんな彼らに対して敵として立ちはだかるのは、過去から受け継がれた宿敵「クランゲ」と「シュレッダー」率いるニンジャ集団「フット団(軍団)」です。
今回の敵はシュレッダーではない!
本作ではこの両者は当初から手を結んでタートルズと敵対するのではなく、数万年という単位で地球に潜みながら侵略計画を画策していた「クランゲ」と、怨敵「ヨシ・ハマト」の消息を遂に掴んだ「シュレッダー」こと「サワキ・オロク」が復讐の為にマンハッタンへと乗り込んだ事で複雑化していく利害関係の中、手を組んで強大化していく敵として描かれていきます。
故に過去作で見られた「サワキちゃん」等の軽いノリでの掛け合いは少ない一方、最終局面まで一切隙を見せる事の無い文字通り「最強の敵」として立ち塞がる強さと威圧感は、強さと鋭さを増したタートルズの「敵」として相応しい存在感を誇ります。
他にもミュータントの「愉快な」強敵として現れた「ロックステディ」や「ビーバップ」「レザーヘッド」「スラッシュ」「トッカ」に謎の「人間」である「ケイシー・ジョーンズ」からうっとうしくて憎らしいけどちょっと可愛らしくもある小型メカ「マウサー」まで、過去シリーズで存在感を放った彼らも新たなストーリーを引っ提げて表れます。
脈絡無く突然現れては物語を引っかき回して楽しませてくれた彼らも等しく巻き込まれる「大冒険譚」は、初見の方が楽しめる事はもちろん、かつて見た物語を知ってる人には、きっと「懐かしくも新鮮」な驚きを味わえるものになるものでしょう。
「カワバンガなんて古いよ!」って言われてもメゲずに楽しんで下さい!
ニンジャタートルズ
今回紹介させて頂いた作品は、いわゆる「原作」以来、全てを語り尽くしたと言えるような「物語」としての構成を「初めて」与えられたと言っても良い作品です。
その点を敢えて強調する理由として、筆者が最初に「タートルズ」という存在に触れたのは1991年発売の「ニンジャタートルズ2 マンハッタン・プロジェクト」だったのですが、これがファミコンという処理能力の低いゲーム機にあって驚く程のキャラクター描写と印象深いサウンドで以て、それが何なのかも分からず幼心を「カッコイイ!」の一色に染め上げてしまう作品となった事が発端となります。
かくして「タートルズ」というめったやたらに「格好良い」キャラクターが何であるのか分からないまま抱え続けた「しっくり来ない」感じが遂に「しっくり来た」・・・「格好良いキャラクター」に見合った「納得の物語」という思い入れこそが、本作をオススメする最大の理由だと言えるものです。
多分に個人的な思い入れが強い部分はありますが、もちろん作品としての満足度それ自体も高いものとなっています。
現在ネット配信などでは第2シリーズ辺りまでが配信されており、全話視聴には少しハードルが高い所もありますが、恐るべき完成度を誇るファミコン版と合わせて是非多くの人に知って頂きたい「名作」として紹介させて頂く次第です。
※画像はイメージです。
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