MENU

リサイクルせよ!玩具流用の思い出

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。

子供から大人まで、人生をちょっと楽しくしてくれる素晴らしいアイテム「玩具」。
「しょせん子供の遊ぶ物」と軽く見られがちであるが、「玩具」はきちんとメーカーによって作られた「工業製品」である。
いまや、変身ヒーローの変身アイテムなどは、最先端の技術が組み込まれており、毎年どんな仕掛けで楽しませてくれるか注目している人も多いはずだ。

工業製品である以上、メーカー側はユーザーの安全を考慮しつつ、いかにコストを削減するか「現実的な問題」にも立ち向かっている・・・はずだ。

目次

玩具をリサイクル・・・ん?

玩具は主に金属やプラスチックを使用した商品で、多くは工場で「金型」によって成形されている。
金型一つを作るにはコストがかかるが、1種類の金型から、カラーバリエーションなど、複数の製品を作ることも可能だ。
玩具開発の中では昔から、金型を利用して既存商品の「流用」、すなわち「リサイクル」が行われていた。

SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が注目され始めている今、玩具ファンが「ん?!」となった玩具ならではの「流用」の事例をいくつか見てみたいと思う。

1985年の夏、いまや映画で有名な変身ロボ玩具「トランスフォーマー」の第一弾の商品群二十数点が、玩具売場の一角を一挙に占拠した。「海外からやってきた!」といったコピーとともにTVアニメと雑誌展開も同時展開し、売り場では連日ビデオ映像やラジカセでBGMが流れ、何やらすごいものがやって来た、という雰囲気を醸し出していた、が・・・多くの子供たちは思っていたはずだ、「これ、ダイアクロンとミクロマンじゃん!!」と。

ダイアクロンとミクロマン・・・んん?

80年代初頭に販売されたタカラ(現タカラトミー)のダイアクロンとミクロマンはアニメ番組を持たない「玩具オリジナルシリーズ」として、高品質の玩具をリリースし続けていた。主に乗り物からロボットに変形するダイアクロンのカーロボット、モデルガンやカメラ等のツールからロボットに変形するミクロチェンジシリーズは広く支持された。

海外での商品マーケティングも進められ、その結果、なんと2つのシリーズは一つのシリーズにまとめられる事になる。ダイアクロンと、ミクロマンは似ているが、乗り物とツールではスケールが違い、当時の開発スタッフは戸惑ったそうだが、いまや「スパイダーマン」等で有名な「マーベルプロダクション」の手により、トレーラートラックとカセットテープが違和感なく殴り合う「トランスフォーマー」という唯一無二の世界観が構築されたのである。

多くのダイアクロン・ミクロマン商品が、若干の金型改修や成型色やステッカーの変更が行われ、84年に海外でトランスフォーマーとして大々的に販売・展開され、翌年、日本に逆輸入されることになる。

トランスフォーマー・・・んんん?

85年の春頃、意欲的にダイアクロン・ミクロマンの記事を掲載していた講談社のテレビマガジンで突然、「トランスフォーマー開始」の告知がされた。筆者は当時小学生低学年、この記事に頭の中が「?」となり、玩具売場で困惑した覚えがある。新商品のトランスフォーマーの棚の近くにダイアクロンとミクロマンが売れ残っている。つまりパッケージやタイトルは違うが、中身はほぼ同一の商品が並んでいたのである。

事情を知らない子供たちは「ダイアクロンの真似だ!」とか言っていたが、真似も何も同じ商品(ただし刻印等、若干の変更が加わっている)、筆者は「箱だけ変えて、同じ物を買わせるなんて、大人ってずるい!」なんて思ったが、アニメを見た途端その異常な世界感に取り込まれ、既に買ってもらったダイアクロン・ミクロマンとトランスフォーマーをごっちゃにして遊び、今も「トランスフォーマー沼」にずぶずぶ浸っている・・・。

見方を変えると、同じ商品を仕様変えして、最初にダイアクロン・ミクロマン、次にトランスフォーマーとして、2度販売した事になる。もちろん、金型を改修したり、パッケージを作り変える等の労力もあったはずだが、一から全く新しい商品を作るのではなく、前の商品を流用し、30年以上続く全く別の「ブランド」を立ち上げたことは「驚異」ではないだろうか?

なお、海外では、タカラ以外のいくつかのメーカーの変形ロボを流用し、トランスフォーマーの商品点数を増やしていた。かつて存在したタカトクトイスから販売されていたあのマクロスの「バルキリー」までもラインナップされており、海外版のパンフレットを見てぶっ飛んだアニメファンも居たはずだ。このような、玩具世界での「商品流用」と言う現象は、当時の不思議な体験として印象に残っている。
※マクロスシリーズに関してはちょっと事情が違いますが、長くなるのでここでは説明しません。

リデコレーションという手法?

タカラでは、トランスフォーマー以前からも、過去商品の流用は何度も行っている、別メーカーも然りだ。既存商品に、新たなパーツを組み合わせて別商品を作る、リデコ(リデコレーション)という考え方がある。

1970年代中頃に販売されたミクロマンの「ロボットマン」は、5体をバラし別のビークルに組み変えられる大型商品だが、後にそのボディだけを流用しアニメ「鋼鉄ジーグ」に登場する「メカドン2号」という「ロボットマン」とは全く異なるコミカルタッチなロボとして販売されている、玩具の世界で面白いのは意外な所で過去の商品が流用される事だ。

88年に放送された、サンライズによるアニメ「魔神英雄伝ワタル」には、ゴルフ大の球体に変形するミクロマンの「流星ロボ」3種が敵側のライバルキャラ:虎王が操るサポートメカ「邪鬼玉」として登場、トランスフォーマーでは扱われなかったアイテムなので当時は嬉しかった思い出があるが、その後に改修され、90年代に「ビーストウォーズ」の「エッグビースト」、さらに2000年代初頭に、「トランスフォーマーキスぷれ」にて「スパークボット」として3度も流用されている。

90年代、トランスフォーマーに変わり登場したサンライズの「勇者シリーズ」には、トランスフォーマーから流用された商品が多数登場、また、トランスフォーマーではリリースされなかった商品も流用された。93年放送の「勇者特急マイトガイン」に登場するライバルキャラ:雷張ジョーが操縦する「轟龍」は、1990年に販売されたトランスフォーマーの6代目司令官ダイアトラスの色替え商品であり、数年前のメインキャラが敵キャラに流用され複雑な思いをしたトランスフォーマーファンも居たようだ、ちなみに劇中で「轟龍」と名付けられる前は「アトラス」と呼称され、事情を知ってる人をニヤリとさせた。また、主役ロボ「マイトガイン」は、97年放映の「勇者王ガオガイガー」にて、リデコされて味方側のロボとして登場するプランもあったらしく、それはそれで見てみたかった。

88年に放送された、同じくサンライズとタカラによる「鎧伝サムライトルーパー」では、主人公:烈火の遼をサポートする白虎:白炎王の玩具がリリースされたが、その中身は、ミクロマン以前の1970年代初期に展開されていた「変身サイボーグ」の「サイボーグジャガー」を流用した商品で、十数年も前の商品の流用と、リデコされているにも関わらず本編と似ても似つかない姿に多くのキッズが戸惑い、オールドファンを驚かせた。

バンダイだって

ライバル社バンダイの商品も見てみよう。
ダイアクロン・ミクロマンのライバル的な商品として、82年にポピーから変形ロボ「マシンロボ」がリリース、小型サイズながら精巧な作りで人気を博し、やがてポピーを吸収合併したバンダイからリリースされることになる。
マシンロボはタイトルを変えることはなく、同様の商品をパッケージをリニューアルしつつ、新商品を加えながら88年まで商品展開を続けた。

トランスフォーマー同様に、海外展開も行われ、日本では86年よりTVアニメが放映され、メイン商品として「パイルフォーメーション・バイカンフー」がリリースされた。
大・中・小のロボットが重なるように(マトリョーシカ方式に)合体する姿は、多くの人が「ゴーディアンじゃん!」と叫んだはずだ。1979年に放映されたアニメ「闘士ゴーディアン」、この玩具をリリースしていたのはポピー、そこからの「金型流用」かと思われたが、これは全くの別物であり、「変形・合体ギミック」のみを流用するという発想のアイテムだった。

86年に開発された大型のマシンロボ「タフトレーラー」は、同年に放映された特撮戦隊シリーズ「超新星フラッシュマン」の2号ロボ、タイタンボーイに流用され、アニメと特撮にそっくりなロボが登場することになる。更にタフトレーラーは改修され、翌年はリデコアイテムで兄弟である「プロトラックレーサー」としてリリースされた。

逆に戦隊シリーズからマシンロボへの流用として、82年に放映された「太陽戦隊サンバルカン」の味方側の戦艦「ジャガーバルカン」が一部リデコされ、敵側ギャンドラーの戦艦「バリガールX」として登場、ひっくり返った特撮ファンも多かったはずだが、元々凶悪なデザインなので妙に納得できるリデコだった気がする。馴染みのメカが、全く別の作品で活躍!というのも玩具的な事情とは言え、やはり不思議な体験ではあった。

2002年に、マシンロボは新シリーズ「マシンロボレスキュー」として新生する。ロボットデザインは過去作を踏襲し、新規アイテムがリリースされ、ストーリーも一新された。シリーズ後半には、メインロボの色変えや、リデコ商品も増えたが、興味深いのは大型基地「大回転ベース」だ。

中央にタワーが立ち、その周りをグルグル回転するコンベアが付いているのだが、その形状はまるで「廻る寿司」!これは商品は全く異なるが、やはりバンダイの「元祖ファミリー大回転寿司」という全く別ジャンルの玩具から「機構」のみを流用した物らしく、なかなかユニークである。

女児向け玩具もリデコ?

ユニークな流用と言えば、80年頃のタカラ発の女児向け玩具「こえだちゃん」の「木のおうち」のことを思い出す。
ボタンを押すと、ガシャンと大木が開き、作戦室…ではなくお部屋やエレベーターが出現する「木のおうち」、その感触はロボット基地玩具そのもので、よく従姉妹の家でいじらせてもらい迷惑がられた。

後年これとそっくりな、ケナー社からリリースされた「EWOK FAMILY HUT」というアイテムをネット通販で見かけた、83年「スターウォーズ:ジェダイの逆襲」公開時の関連商品だ。あの毛むくじゃらな「イウォーク族」の家、たしかにこえだちゃんの家ならばマッチする。

てっきりこえだちゃんの家が海を超えて流用されたと思っていたのだが、実は、70年代初頭にケナー社から既に「Family Tree House」という玩具が既にリリースされており、これはその商品の「機構」の流用アイテムだった。また、こえだちゃん関連のアイテムも、実は「Family Tree House」を日本向けにアレンジされ開発されたそうだ(それにしてもそっくり)。
海外でもこういった風に、過去の商品の意外なリサイクルは行われている。

玩具って本当に面白い

いまだに玩具を集めていると、リデコ商品に出会うことが多々あるが、最近は、先に書いた「思わぬ再会」の様な「大胆な流用」はあまり見られなくなり、ちょっと寂しい気もする。

見えない部分での流用が行われているのか、それとも商品が増えすぎて気付かないだけなのか?とはいえ、現在の玩具、過去の玩具を探っていくと面白い発見があって飽きない。
もっと探れば驚くべき事実が判明するかも知れない(あくまで玩具世界の中ですが)。
玩具は人を幸せにする。

※アイキャッチの画像はイメージです。本文と写真の内容があっていませんが、ご了承ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

どんな事でも感想を書いて!ネガティブも可!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次