坪野鉱泉肝試し失踪事件

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。

1996年5月5日、富山県氷見市の二人の少女が「肝試しに行く」と家を出たまま、二度と帰らなかった。
二人が向かった先は、北陸屈指の心霊スポット「坪野鉱泉」だった。
その名を一躍有名にしたのが、この神隠し事件。
しかし、事件の結末は思いも寄らないものだった。

目次

坪野鉱泉とは

まずは、この事件の鍵となる「坪野鉱泉」とは何なのかを説明しよう。

坪野鉱泉は富山県魚津市の山中にあり、飛鳥から奈良時代に活躍した仏教僧が掘った仏像のお告げによって発見されたという逸話が残る温泉である。
明治時代に医師によって温泉地として開かれ、婦人病や神経痛、胃腸の病に効能がある湯治場として栄え、昭和31年には温泉施設として改めて創業し、地域の人々の憩いの場となった。

その後、1970年代初頭になると、近代的な観光ホテルとして「ホテル坪野」が開業する。
ローマ大浴場やレストランシアター、南国ムード漂うワイキキプールなど、当時としては破格の設備を誇り、地元のみならず観光客にも人気を博した。
だが1976年、全国を席巻したネッシーブームに便乗してテーマ施設を増築したものの、期待したほどの集客には至らず、巨額の建設費が経営を圧迫。
売上は投資を回収できず、資金繰りは急速に悪化していった。

1980年前後、ついに経営は破綻し、ホテルは閉鎖。
その後、所有者の所在が不明となり債務整理も進まぬまま、建物は管理されることなく放置された。

90年代には「幽霊が出る」という噂が広がり始めると、最恐の心霊スポットとして有名になっていった。
暴走族の溜まり場と化していた事や、建物の内部には老朽化などによって事故など、幽霊より物理的な危険さも持ち合わせている。

消えた二人

1996年5月5日の夜、富山県射水市(旧・新湊市)に暮らしていた、屋敷恵美さんと田畑あゆみさんが「坪野鉱泉に肝試しに行く」と言い残して出かけたまま戻らなかった。

二人は午後10時過ぎに、魚津市内のガソリンスタンドで給油していた姿が目撃され、友人のポケベルに「今、魚津にいる」とメッセージを送信した直後に消息が途絶えた。

警察は失踪届を受理し、坪野鉱泉周辺を中心に大規模な捜索を実施するが、車も持ち物も発見されず、事件性・事故性のどちらも断定できないまま捜査は難航した。
事件が迷宮入りする中、インターネット黎明期の掲示板では「坪野鉱泉で神隠しが起きた」と噂され都市伝説化する。
一部では「北朝鮮拉致説」が浮上した。日本海側という地理的背景が、当時の拉致報道と結びついたためだ。

しかし、真相は見えないまま年月だけが過ぎていった。

24年後の発見

2020年3月、海底捜索により軽自動車が引き上げられ、車内から二人の白骨化した遺体と遺留品が見つかった。DNA鑑定の結果、屋敷恵美さんと田畑あゆみさんであることが確認された。

この事件が長年「行方不明」のまま迷宮入りしていた最大の理由は、捜索の前提そのものが誤っていた点にある。
失踪当初、警察は二人が「肝試しに行く」と言い残していたことから、捜索の重点を坪野鉱泉周辺に置いて、捜索を行っていた。

一方で、二人の車が沈んでいた伏木富山港周辺の海域は、捜索の主軸にはなっていなかった。
仮に捜索していたとしても、港湾部の海底は水深があり、潮流による泥や砂の堆積が激しく、車が転落していれば、短期間で完全に埋もれてしまう環境で、通報や確かな目撃情報がなければ、発見はほぼ不可能に近い。

それが、なぜ発見されたのかというのは、「あの夜、車が海に落ちるのを見た」という証言が警察にもたらされた事によって、伏木富山港の海底調査が行われた結果、長きに渡って沈黙していた車両が発見されることになる。

沈黙の理由

警察はその後、18年後の2014年12月下旬に、情報をもとに3人の目撃者を絞り込んだ。

目撃者が20年以上も沈黙を続けた理由について考えられるのは、車が後ろ向きに急発進して海に転落する場面を目撃したことに伴う恐怖で、彼らは関与を疑われることへの不安から、通報せずその場を立ち去ったとされる。

ではなぜ、今になって話すようになったのか。その理由は明確には分からないものの、時間の経過による心理的変化が影響している可能性がある。
結婚や家庭、子ども、あるいは死や病気と向き合う中で、「このまま黙っていていいのか」という意識が芽生えたことは否定できない。良心の呵責や、事件が未解決のまま語られ続けることへの耐えがたさが、沈黙を破らせたとも考えられる。

重要なのは、目撃者が沈黙を破った理由が正義感によるものなのか、自己保身の限界によるものなのか、それとも別の事情によるものなのかを裏付ける証拠は存在しないという点だ。

ただ一つ確かなのは、もし証言がもっと早く出ていれば、二人は「神隠し」と呼ばれることもなく、より早く現実に引き戻されていた可能性が高いということである。

真実はどこにあるのか

警察は現場の状況や車両の損傷、海中での沈み方から、「港からの転落事故の可能性が高い」と結論づけ、事件性は否定された。こうして事件は一応の結末を迎えたことになる。

しかし、腑に落ちない点は消えない。
長年沈黙していた目撃者が、突然証言したこと自体が不自然だ。しかも証言者は3人。全員が同じ考えに至り、同じタイミングで口を開いたというのも奇異に感じられる。

あくまで筆者の推測だが、もしかするとこういう線もある。
3人は二人と何らかの関わりを持ち、トラブルの末に車が海に落ちたのか、あるいは意図的に落としたのかもしれない。時効が来るまで、口をつぐむことを選んだ可能性も否定できない。

警察にしても、時間が経過しすぎており、真相を追求するには困難を伴う。
事件が片付いたという体裁を崩さず、外部にはあくまで「目撃者の証言」として処理する方が都合がよかったのかもしれない。

果たして、彼らは本当に単なる目撃者だったのか?
それとも、何かを隠していたのか?
今となっては誰にも確かめようがない。
事件の背後には、説明のつかない影が、静かに潜んでいる⋯そんな思いを、読者は抱かずにはいられない。

※画像はイメージです。

面白かった?

平均評価: 0 / 5. 投票数: 0

投票がありませんよ、最初の評価をしてね!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

思った事を何でも!ネガティブOK!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次