陸上自衛隊は戦後にできた警察予備隊が前身となっていますが、そのまた前身が大日本帝国陸軍でした。
そのため自衛隊基地は元々帝国陸軍所有施設だったことが多々あり、地下には現在も地下基地や長い坑道の跡地が膨大に残されているのです。
この話は、私が自衛隊にいた時に体験した不思議な話です。
現状調査員に選ばれた
昭和の時代になりますが、私は帝国陸軍基地の現状調査員に選ばれて、首都圏のとある極秘の地下坑道に潜って行くことになりました。その地下坑道は都心から離れていない位置にあるも、21世紀になってもネット上にもほとんど情報が出てこないような種類の地下坑道なのです。
戦後も未調査区域が多い旧陸軍施設であり、自衛隊管理下にある坑道であることが、今も情報が出ない理由だといいます。その総距離は数十キロにも及ぶというもので、基地の地下から中に入ると酸素濃度が薄くはあるも、空気の流れが今だに健在であることがわかりました。
全回までの調査地図は既に存在していて、それを頼りに調査隊数名で進んでいきます。坑道は地面が鋪装されておらず、天井や壁面の崩壊、地下水の水たまりなどもあり、ゴムボートなども駆使しての調査。そのあまりに果てしない暗闇に飲み込まれて、精神がやられてしまいそうでした。
異変
基地の地下に1時間も潜って進むと、場所としては市街地から離れた山間部であり、山の麓などに秘密の出入り口が確認されるのですが、もちろんそこは地上からも立ち入り禁止区域。3時間も調査を進めた頃ですが、Aは徐々に酸素の薄さを感じられるようになり、隊長は途中で危険と判断して戻ることにしたのです。
しかしその時にキーンと耳鳴りが発生すると共に坑道内の印象が一変し、隊員は全員が動けなくなった。その理由は真正面の坑道を照らす懐中電灯の光が点滅し、恐ろしい人影のようなものが多数あらわれて、さらに地獄から聞こえるようなうめき声やささやき声が坑道に響いたからです。
私たちは顔面蒼白になっていましたが、隊長の落ち着いて進めという声に押されて無言で進み続けました。その無数の人影はずっと付きまとっていましたが、酸素濃度が濃密になり出したころにようやく見えなくなりました。
本当の理由は?
酸素濃度が低下したことで幻覚を見たのだという人もいましたが、全員が同じ現象に遭遇していたのは奇妙過ぎ。
坑道調査から戻ると、そこには見知らぬ神主さんがいて、熱心なお祓いを受けてから宿舎に戻ったので、この坑道には言えないなにかが確実にあったのでしょう。
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