美少女+大正ロマンのさきがけ的存在にして大ヒットタイトル『サクラ大戦』。架空の大正時代を舞台に、主人公たちが帝都を脅かす敵と戦うというストーリー。ゲームや美少女アニメに詳しくない人でも、名前ぐらいは聞いたことがあるのではないだろうか?
25年経った今でも新作タイトルが発売される人気シリーズなのだが、初期の名作であるOVA版やじっくり楽しめる漫画版の他に、テレビアニメ版が存在する。ゲーム版のファンには残念ながらあまり評価が高くなく、派生コンテンツの多さも相まってか「サクラ大戦」シリーズ中でもあまり話題に上らない本作だが、観直してみるとこの「TV版サクラ大戦」なかなか面白い作品なのである。
ビックタイトルの派生作品でありながら埋もれがちな「TV版サクラ大戦」。
今回はその知られざる魅力に迫ってみよう。
シリアス&ミステリー「TV版サクラ大戦」は大人向け?
さて、皆さん「サクラ大戦」と言うとどんなイメージを持つだろうか?
アップテンポなテーマソング、華やかなキャラクター、スチームパンクなメカ、恋愛要素。ロボットバトルものでありながら、どこか陽気で能天気なイメージを思い浮かべる人も多いのではないだろうか?
そのつもりで本作「TV版サクラ大戦」を観始めると残念ながら裏切られる。なぜなら「TV版サクラ大戦」は、オカルト要素の濃い敵との戦い、主人公たちの葛藤など「サクラ大戦」が持つシリアスな部分にスポットを当てた作品だからだ。もちろん、恋愛要素もほとんどない。
「TV版サクラ大戦」はラブコメバトルものというより、シリアスでややビターな冒険活劇といった作品に仕上がっているのである。そのためかゲーム版のファンからは、鬱展開等の厳しい評価を受けることもあったようだが、逆に考えると甘さ控えめのシリアスな展開は、大人のオタクにはうってつけと言えなくもない。
作中で描かれるややホラーテイストな伝奇パートや、奥深く描かれたキャラクターの心理描写に、むしろ惹きつけられるオタクも多いのではないだろうか?
「TV版サクラ大戦」はビターなシリアス展開が好きな、大人のオタクこそ楽しめる作品と言えそうである。
ストーリーだけじゃない『TV版サクラ大戦』は懐かし要素にも注目
「TV版サクラ大戦」だが、もう一つ注目したいポイントがある。実はこちらのアニメ、今となっては懐かしいセル画で制作されているのだ。
「TV版サクラ大戦」が放映されたのは2000年。いわばセル画アニメの最後の世代に作られた作品なのだが、それを意識して観るとなかなか面白い。CG全盛でぬるぬる動く現代のアニメとは違うが、美しいセル画ならではの表現方法にうならされる人も多いだろう。
特にメカやバトルの表現はCGに目が馴染んだ現代の視聴者こそ注目して欲しいところ。職人の技が光る演出に注目すれば作品をより楽しめるだろう。
まとめ
以上のように今回紹介した「TV版サクラ大戦」はビターなテイスト、最後の世代のセル画アニメと、ある程度の大人が観てこそ楽しい作品だ。全25話と短めで見やすいので、気になった人はぜひこの機会に、ゲームとは一味違う帝国華撃団での冒険を楽しんでみてはいかがだろうか。
TV版 サクラ大戦 ©SEGA/TBS・MBS
思った事を何でも!ネガティブOK!