小学5年のある夏の日、友達と校庭でサッカーをしていた。
日が沈み、あたりが薄暗くなっていくなか、友達は「もう帰る」と言って次々に帰り、ついに僕は一人になってしまった。
気になる”あれ”
ボールを片付けようと校舎の隅の用具倉庫へ向かったとき、フェンスの向こう、校庭の端で何かが動くのが見えた。
最初は猫だと思った。だが目を凝らすと、”あれ”は人のような形をしていて、背が高く、頭部だけが不自然に細い。
目を離さずにいると、それは校庭の中央へ、音もなく滑るように移動した。
そのまま凝視していると、今度はぴたりと動きを止めた。
理由は分からない。ただ心臓が早鐘を打ち、言いようのない恐怖が込み上げてきた。
僕はボールを片付けることも忘れ、その場から一目散で逃げるように家へ帰った。
”あれ”はいったい
家に帰っても、”あれ”のことが頭から離れなかった。
夕飯を食べていても、頭に浮かび、夢の中にまで現れたのだ。
次の日、友達に話してみたが、誰も本気にはしなかった。ただ一人、幽霊や妖怪が好きなやつが、「学校が建つ前、あの辺には何かあったらしい」と言った。
気にはなったが、どうすればいいのか分からない。変なことを言っても、笑われるだけだと思った。
そこで先生に、学校やその周辺の昔を調べたい場合はどうすればいいのか聞くと、図書室に古い資料があると教えられた。資料によると、校舎を建てる前、その場所には碑があったという記述が見つかった。
何の碑だったのか、なぜそこに建てられていたのかについては、書かれていなかった。
”あれ”の正体は
あの日見た”あれ”が、関係があるのかは分からない。
ただ、背が高く、頭部だけが妙に細い輪郭と、動くたびに聞こえた乾いた音は、今でもはっきり覚えている。
夕方になると、校庭の中央付近だけが少し暗く見えることがある。
そのたびに、”あれ”が、今もそこに立っているのではないかという考えが頭をよぎる。
それ以来、日が傾き始めた時間帯には、校庭に近づかないようにしている。
※画像はイメージです。


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