JCが夢中になった本格派ミリタリー小説「海の底」

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シン・ゴジラが何故あんなに流行ったのか。
ゴジラというありえない圧倒的な虚構に、これまた圧倒的なリアリティで立ち向かったからだと考えています。

そこに人間関係や胸を熱くする展開を落とし込んで、観る人に臨場感を与えました。
・・・ところで、フィクションにリアリティで真っ向勝負する小説、読んでみたくありませんか?

これを読めば日本の防衛機構への考え方が変わる!

今回紹介、オススメしたいのは、海上自衛隊(潜水艦)と日本の防衛機構が中枢に据えられた一冊です。
それは・・・有川浩著「海の底」。

有川浩先生と言えば「図書館戦争」でミリタリーと王道恋愛モノを両立させた強者です。「図書館戦争」に出てくる組織は架空のものでしたが、「海の底」は敵対するもの以外はすべて実在する組織で構成されています。

武装やガンアクション、接近での直接戦闘がとにかく好き!という方にはあまり食指が動かないかもしれません。
しかし軍事的背景による組織内での頭脳戦や、機動隊(警察)と自衛隊の関係性に深く踏み入った濃厚な作品が好きな方にはたまらない一冊になると思います。

作者の有川先生が、ミリオタの友人たちとリアルタイムでロールプレイングしながら実際の各陣営をシミュレーションしたという熱の入りぶり。一番大変だったのは出動しようとするアメリカ軍の決断をいかに引き延ばすか・・・だったそうです。

なんだか小説で読むのは難しそうだと思った方に。私がこの本に出会ったのは中学生のころでした。そして女子の友達にとにかく薦めて、同志を増やしました。
決して私も友達もミリタリーに詳しかったわけではありません。

この本、女子中学生が夢中になるようなギミックが仕込まれています。
親近感の湧くキャラクターたちが織りなす人間ドラマが、組織劇に見事にはめこまれていました。

恋愛のように見える部分もあれば、事態を好転させるべく泥をかぶることをいとわない渋い大人の男たち、それに加え思春期にどこかで経験したことのあるような歪な力関係。
そういった要素が、軍モノ好き以外の心も射止めるに至りました。

そこから日本の戦力とは何か?を考えた友人もいれば、海自の潜水艦を見に行くまでになった友人も生まれました。

人間対人間のミリタリーモノに飽きたあなた、あるいはシン・ゴジラにどっぷり浸かっているあなた、ここでひとつ、新しい世界へ潜ってみませんか?

4月。桜祭りで開放された米軍横須賀基地。停泊中の海上自衛隊潜水艦『きりしお』の隊員が見た時、喧噪は悲鳴に変わっていた。巨大な赤い甲殻類の大群が基地を闊歩し、次々に人を「食べている!」自衛官は救出した子供たちと潜水艦へ立てこもるが、彼らはなぜか「歪んでいた」。一方、警察と自衛隊、米軍の駆け引きの中、機動隊は凄絶な戦いを強いられていく―ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント。
「海の底」裏表紙あらすじより

一瞬でも興味を惹かれたら、ぜひ手にとってみてください。


Writing by あおいゆき
文章を読み書きすることが好きです。
ミリタリーに特別強い愛があるわけではありませんが、好きな銃は『S&W M686』です。