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浦島太郎伝説を深堀!

誰でも知っている浦島太郎伝説、万葉集の中のから深堀して解説していこう。
日本で有名な昔話といえば浦島太郎だ。「むかし むかし うらしまは~」と小さいころに聞いた浦島太郎の歌詞を今でも歌える人は多いだろう。この浦島太郎の昔話は、すでに万葉の時代から全国各地に伝承として伝わっていたようだ。

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万葉集の浦島太郎

日本最古の歌集の万葉集にも浦島太郎の昔話が収められている。それは、高橋虫麻呂という有名な万葉歌人が詠んだ歌である。しかしながら、そのあらすじは、我々がよく知っている浦島太郎の歌詞の内容とは少し違っている。そのあらすじの相違について見てみよう。

浦島太郎の歌では、浦島は助けた亀に連れられて、この上もなく美しい竜宮城に行く。この有名な出だしからして内容が違っているのだ。
万葉集の虫麻呂の歌ではどうなっているかというと、カツオを釣り、タイを釣った浦島が7日間も家に戻らず、漕ぎ進んでいくうちに、海神の神の乙女に偶然に出会う。そして、求婚して契りを結び常世の国へと至り、海神の神殿の美しい御殿で老いもせず、死にもせず、仲良く暮らしたという内容になっている。

このように虫麻呂の歌では、なんと亀が出てこないのだ。子どもにいじめられていた亀を助ける浦島もいいが、虫麻呂の歌の、カツオやタイを釣って得意げになり、海をずんずん進んでいく浦島も漁師らくてなかなかの好人物に映る。

虫麻呂の歌

この後のあらすじは、我々が知っている浦島太郎の歌とほとんど同じ展開で進む。両親が気がかりになった浦島が家に帰るというので、妻である海神の娘は箱を渡して「常世の国にまた帰って来たかったら、この箱を開けてはなりません」と戒める。だが、浦島が家に戻ってみると家を見つけることができず、住んでいた里もない。

訝しく思って「この箱を開けたら、もとの通り家も戻るだろう」と妻からもらった箱を開けてみると、箱から白い雲が出て常世のほうへと棚引いていった。虫麻呂の歌では、このシーンの浦島が生々しく描写されている。走り出し、叫んで袖を振り、転げまわり、足をばたばたさせ、たちまちのうちに気絶する。そして老人となり、ついには息も絶えてしまう。

浦島太郎の歌の「たちまち太郎はお爺さん」とあっさりと終ってしまう歌詞に比べたら、虫麻呂の歌はインパクトがあって悲惨な結末だ。それだけにこの部分は、虫麻呂が一番強調したかった部分ではないだろうか。せっかく、理想郷の「常世」で暮らすことができたのに、この世の事が気になってしまったばかりに現実に帰ってきてしまい、「常世」に二度と戻れなくなってしまった浦島。虫麻呂はそんな浦島を歌の中で「愚人」であり、「鈍なやつ」とまで批判している。

虫麻呂の批判

虫麻呂の批判は手厳しい。だが、この世の中に残してきた両親のことを気にかけ、現実に戻ってきた浦島は果たして虫麻呂が言うようにただの愚か者だったのだろうか?
むしろ誰もがこのような状況になれば、浦島の考えたことが頭をかすめるのではないだろうか?

このように、万葉集の中に収められた浦島太郎のお話は、我々がよく知る内容とは違いが見られる。
この他にも浦島太郎伝説は、『日本書紀』や「丹後国風土記」といった書物などにも収められ、内容にそれぞれ異なった部分がある。

それだけ全国各地に伝わり、人々によって語り伝えられてきたということであろう。有名な昔話もこのように深堀してみるとまた違った楽しみ方ができる。

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