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都市伝説と陰謀論の類似・相違の考察

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知り合いとの会話の中で「都市伝説と陰謀論ってどう違うの?」と聞かれた。
確かに各々の雰囲気は似通っている気がしなくもないが決定的に違う点もある。ではなぜこの2つは混同するに至ったか。
今回の紙面ではこの素朴な疑問から湧いた双方の存在の相違点と類似点を整理し、最後に双方を語る際の注意点について触れていこうと思う。

目次

都市伝説と陰謀論の定義と相違点

整理・考察に入る前に都市伝説と陰謀論の定義を示しておく。
都市伝説とは人間の噂話により伝わり広まった不可思議な存在にまつわる伝承である。古い文献にも登場する怪談もこの定義が当てはまるが、戦前の時代から幽霊や妖怪と呼ばれる存在に関して伝わってきた怪談に対し、都市伝説は戦後の比較的現代寄りの時代に広まり、登場する不可思議な存在は怪異と呼ばれることが多い。
また都市伝説の中には怪異が登場せず人間の闇深い行動に基づく話や、放課後の子供を狙った通り魔の目撃情報や乳幼児遺棄など当時の社会問題を汲んだ内容の話が存在するのも特徴である。

一方陰謀論とは、「どこかに存在する、自分たちでは到底及ばない強力な権力を持った組織が、密かに世界を牛耳ろうと画策している」という内容の俗説を指す。
比較的規模が大きく知名度の高い事件・事故などが報道されると、「実はこの事故には黒幕がいて」「偶発的な事故じゃなくて黒幕のとある組織が意図的に起こしたテロで…」といった具合に、報道の裏を這うように並行して陰謀論は広まっていく。こういった陰謀論を信じ、広める者を陰謀論者と呼ぶ。陰謀論が広まるのにはこの陰謀論者の存在が一役買うのだが、詳しくは後述する。

先に問われた都市伝説と陰謀論の違いに関しては、この定義を元に回答できる。中には「陰謀論の核とも呼べる秘密組織そのものが都市伝説として語り継がれている」というパターンもあり、このややこしさも2つの混同を招いているのだろう。

それでもあえてこのパターンを使い例えるなら、
「死後の世界に繋がる電話番号をとある秘密結社が所有している」
という話なら都市伝説、
「実はこの噂は秘密結社がわざと流した噂で、実際に架電した人間に洗脳効果のある電波を聞かせている」
と続けば陰謀論という分類になる。

双方の類似点の整理


厳密には異なる2つの事象が混同するとは、すなわち相違点より類似点が多いか印象強い事を示す。
中でも印象強い点として挙げられるのが『真偽を問わずとも成り立つ』という点。都市伝説または話に登場する怪異たちにはそれらが真実であると裏付ける物的証拠は何一つない。口裂け女を実際に見たという話は無尽蔵に聞けるが、口裂け女とのツーショット写真はどこにも出回っていない。
陰謀論もしかり、中には存在を公表している秘密結社(言い得て妙な字面ではあるが…)もあるが、それらが一般市民を洗脳しようと秘密裏に開発した毒薬を井戸に放り込んだ確たる証拠などどこにもない。しかし成り立つ。噂に怯える者、あるいは興味を持つ者が伝播すれば、都市伝説と陰謀論は姿形を手に入れ信ぴょう性と説得力を得ていく。

都市伝説と陰謀論は『真偽を問わない話』として括ることはできる。
このテーマで組まれたバラエティ番組などでは都市伝説と陰謀論が同系列で括られる事もしばしばあり、この、話の伝播の手段の一種である番組の存在も、2つの混同に貢献しているともいえるかもしれない。しかしこの番組をきっかけに多くの人間が都市伝説や陰謀論に興味を持つのであれば、混同も決して悪い事などではないと補足しておく。

類似点と相違点から見える双方の扱い方とは

類似点を持ち、しかし定義は異なるこの2つを扱う際(この場合の『扱う』は『伝播する・語る』に当たるが)、『語り部のスタンス』には注意を払う必要がある。

前述した番組にて語り部たちは「信じるか信じないかは各位視聴者に委ねる」と添えて都市伝説ないし陰謀論を紹介している。都市伝説や陰謀論などは全般が『嘘か本当かわからない話』であり、そこには『未解明だからこそ無限の可能性がある』という一種のロマンを感じ取るのを楽しむ風潮がある。
この風潮を熟知したある種プロの語り部や陰謀論者は弁えも兼ねて「信じるか信じないかの判断は略」の文言を添えるのだが、中にはかなり妄信的な発信者も一定数存在し、「これこそが世の真実である」とでも言うように論を押しつけている場面も多々見られる。

『信じるか信じないか』とは『噂を広めるか否か』ひいては『その話に魅了されるか否か』である。
信じない、と言われればその話は途端に廃れてしまうだろうが、この選択の自由すらも都市伝説ないし陰謀論の嗜みであり、それを語り部側が奪い楽しみを半減させるような事は避けるべきだろう。

もし読者諸君が今現在都市伝説や陰謀論を扱っている、もしくはこれから興味を持ち扱おうとしているならば、この点を頭の片隅に置きながら教壇に立ってみてほしい。

断じて知り合いの問いに上手く答えられなかったのが悔しかったなどという事はない。

※画像はイメージです。

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