機動戦士ガンダムのリリースから10年を過ぎた時期にあって、大型化・大火力化・装備の高性能化を繰り返しリリースされ続けてきたガンダムシリーズ。
その新世代発想として世に送り出された、小型・高出力・高機動型の開発プロジェクト「フォーミュラ計画」から生み出された目玉の一つが、このヴェスバー…可変速ビームライフル。
名称は「Variable Speed Beam Rifle」の頭文字V.S.B.Rから音便を抽出されたものとされます。
最大の特徴はその非常に高い攻撃力を生み出す思想で、F91というMSが小型化に際して機能の多くを機体全体へ分散する事に成功した結果、機体サイズに比して大型・大出力のジェネレーターを搭載する事が可能となった事が発端となります。
プロジェクトはこの大型ジェネレーターにビームライフルを直結、エネルギー源であるメガ粒子を射出する大火力武器を基本装備として搭載したMSを設計する事としました。
この際、設計当時極めて画期的であった小型・大容量のメガ粒子コンデンサを搭載し、粒子射出速度をコントロールする事で、高速で貫通力に長けた対装甲・機動戦から、低速による拡散性を高める事で広域、大型目標へ有効な損害を与える対艦戦闘用という幅広い任務応答性を目標とした汎用MSという存在への回答を得る事が叶ったのです。
ちなみにF91において鮮烈なデビューを飾ったヴェスバーという武器は、小型でスマートなガンダム型のMSながら、両脇の下から抱えるようにして構える力強い姿が非常に印象的なもので「F91」という新世代のガンダムを表わすアイコンの一つになりました。
ヴェスバーと言えば射撃形態を格好良く構えて力強く撃つシーンが印象的ではありますが、一方で「構えなくても撃てる」という設定的な多戦術性もシブい魅力を放っています。
劇中でそれを最大限に見せるのがコロニー・フロンティア4内に放たれた殺人マシーン「バグ」をF91が引きつけ、近づいて来た標的を次から次と撃破していくシーン。
両手に携えたビームサーベルを高速回転させている姿に目を奪われがちですが、実はこの幾つかのカットでヴェスバーが火を噴いているのです。
ちょっと分かりにくいシーンではありますが、ヴェスバーの頼もしい性能がシーブックという恐るべき使い手によって最大限に威力を発揮させたシーンとして語られる一幕です。
ヴェスバー(V.S.B.R)
登場作品:機動戦士ガンダムF91
使用キャラクター:F91(パイロット:シーブック・アノー)
(C) 機動戦士ガンダムF91 創通・サンライズ
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