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忘れられぬ疾走感!「電脳戦機バーチャロン」思い出と共にご紹介!

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20世紀末・・・テレビゲームがまだ「子供の玩具」であった頃、ゲーム機の売り上げで頂点を争った二種類のゲームハードがありました。
今も後継機にその名を残す「プレイステーション」と、ゲームハードメーカーとしては幕を下ろした有名企業の名機「セガサターン」。ネット界隈では「ゲハ(ゲームハード)戦争」とも呼び慣わされ語り草となった衝突の中で、勝ち組と思った「プレイステーション」を掴んだ少年が涙を呑む事となった伝説の一作が「電脳戦機バーチャロン」でした。

「セガサターン」を選んだ友達の家で疾走するポリゴンモデルの角張ったロボットが軽快に走り回り、ビームやミサイルを撃ち合う姿はあまりに鮮烈な記憶となって、おじさんとなった今も決して忘れられない思い出として今なお色褪せる事はありません。
今回はそんな思い出を交えながら、ハイスピードロボットバトルゲームに隠された心憎い「設定」の部分にも触れつつ「電脳戦記バーチャロン」の世界をご紹介したいと思います。

目次

メカニカルなノイジーサウンドが耳から離れない!あまりにも刺激的過ぎた対戦型ハイスピードロボットバトルの草分け的作品!

今回の話題で中心するのは、1995年にリリースされた筐体版「電脳戦機バーチャロン」をセガサターンへと移植したものとなります。当時小学生であった筆者にとって、ゲームセンターで筐体版に触れるという事は全く知る由も無い世界の話であって、バーチャロンというゲームはセガサターンでプレイするゲーム。

テレビ画面で疾走するバーチャロイドに直撃するミサイルや巨大レーザー、当てた当たったで炸裂する爆発音の背景でどの瞬間も格好良く演出してくれる爽快感満載のBGMに、対戦の緊張感を盛り上げてくれる歪んだ電子ボイスのラウンドコール・・・そのどれもが一瞬で子供心を鷲掴みにして電脳暦の世界へ引きずり込んでくれたものでした。

ゲーム大好き少年であった筆者が、およそ唯一涙を呑んだのがこの「プレイステーションを選んだ者は自分の家でバーチャロンを触る事が出来ない」という事実であり、今、比較的自由に過去のタイトルへ触れる事が出来るようになった現在にあっても「バーチャロン」という作品。特にこの第一作や、後年更なる驚きで以て出会う事になった続編「オラトリオ・タングラム」等に特別な感情を抱いてしまう原点になっているものです。

それ程までに印象的であったのは、技術者集団であった「セガ」が若い情熱で以て、当時の最新技術を思い切り「遊ぶ」為に挑みかかるようにして作ったとも言われる「3Dハイスピードバトル」の形態でした。

当時3DCGといえば「ポリゴン」!

当時の3DCGは「ポリゴン」と呼ばれる三角形を幾つも組み合わせてモデリングをする技術が主流であり、それも描画速度は現在と比較にならない程小さいものであった為、高速でアニメーション描画を行いながら、ゲームとしての爽快感も持たせるという事自体が「誰も思い付かない」か「思い付いてもどう形にすれば良いか分からない」ようなものであったとされます。

このスピード感に乗せた描画技術をアーケード基板という強力な処理技術によって得意としていたのがセガであり、そのノウハウを活かしながら家庭用ゲーム機への移植という離れ業をもやってのけたという、当時の開発に掛けられた情熱に感動めいたものを覚えます。

今ではそうしたスピード感を演出し、爽快感溢れるプレイングを可能とした作品はロボットバトルシミュレーターに限らず幾つもの作品が送り出されていますが、技術や思想的な系譜として一つの「草分け」と言うべき位置づけが与えられるべき作品であり、何より個人的な思い入れとして最も強い一作として数える事は譲れないものです。

「あなた」がパイロット?ゲームを通じた「メタ」で綴る、主観と記録で織り為す「電脳戦記」が楽しさを倍増させる!

「電脳戦機バーチャロン」というタイトルは、原典たる筐体版が2画面2席の「対戦型」筐体として設計されている事からも分かる通り、本来的に対戦ゲームとして設計されたものでした。その為、背景となるストーリー等はあまり意識せずとも楽しめる極めてキャッチーな設計が為されています。

登場する機体「バーチャロイド」が、その独特なメカニックデザインによって「カトキデザイン」等と呼び慣わされる「カトキハジメ」氏によるメカニカルでサイバネティックな中に、スポーティな爽やかさや怪物的なパワフルさ等を「イメージ先行で」掴み取る事の出来る容姿となっている事などがその観点をよく現していると言えるものでしょう。

そのデザイニングは後年「ホビージャパン」等において立体化される等、モデラー界隈でも高い人気を誇るものとなって広く人気を得る一因となっています。しかし一方で、完全にデザイン・見た目重視なのかと言えばそんな事は無く、ゲームのプレイ環境を通じて見え隠れする要素が、実は「物語とリンクした設計」になっているという、編み込まれた設定を背景に持っているのです。

ゲーム筐体は二人プレイを前提とした設計になっていますが、もちろん対戦者を待つ間に一人プレイを選択する事も可能であり、いわゆる「ストーリーモード」と言える連続戦闘が可能です。そこではプレイヤーは画面を通じ、最終目標である「ムーンゲートの破壊」を目指してバーチャロイドを操縦、相対する敵機を撃破していく事となります。

ゲーム筐体の座席がまるでパイロットシートのような形状をしており、インターフェースが「操縦桿」のようなツインスティックで設計された事を受けた物語と言えるこの「設定」では、プレイヤーが操縦するバーチャロイドは「リバースコンバート」という技術を通じて実体化し、電脳暦の世界で作戦をこなしているという様子が描かれているのです。

電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラムとの出会い

ちなみに筆者がこの「体験」を果たしたのは続編となる「電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム」と出会ってからの事でした。更にパワーアップした表現力と設計によって、座席につけば立体音響で以て一挙に世界へ引き込まれ、目の前に広がる「戦場」で夢中になって戦いを繰り広げたものでした。

この時期、「オラトリオ・タングラム」が「開催」されていた電脳暦の世界は、先の「オペレーション・ムーンゲート(O.M.G)」によってバーチャロイドの有用性が広く知らしめられ、バーチャロイドを用いた「興行としての戦争=限定戦争」が広まっていったという物語が語られていました。

「興行」としての性格と「戦争」というリアリズムのせめぎ合いから、バーチャロイドのバリエーションは一挙に広がり、質実剛健な如何にも兵器然とした量産機から見栄えの良さと性能を両立させたやんちゃな機体、果ては見た目通りの不気味さに狂気を孕んだ機能を搭載した機体まで、見て格好良く動かして痛快なモデルがこれでもかと居並んだものでした。

そのそれぞれの機体には、出自となる巨大開発局「プラント」が設定され、企業でもあるそれらの営利主義が、電脳暦というな世界にあって、電子の世界に生まれるイメージがそのまま現実の実体を得る「奇跡」の存在を予見され、奪い合う大規模闘争を「オラトリオ・タングラム」として「実体化」した…という物語を載せて、その筐体は世に解き放たれたという「背景」があったのです。

こうした物語は、後に「ホビージャパン」で連載された小説などによってクロスメディア的に公開・拡大されていく事となり、後年の作品となる「~フォース」や「~マーズ」においても補完が積み重ねられ、今日に至る大きな物語が形成されていきました。

25年以上の長きに渡って愛され続けるタイトル

ゲーム本体の体感性から「体験」される楽しみはもちろん、登場するバーチャロイドの魅力溢れる容姿からモデリング等のアプローチ、バックボーンとなっている陰謀と謎に彩られた奥深い物語を楽しむも良しと、25年以上の長きに渡って愛され続けるタイトルとして、広く楽しめるコンテンツとなっています。

かく言う筆者も、その全てを楽しみきった等とは到底言えない広さと深さを持った世界であり、まだまだ楽しみが拡がっていく事を願ってやまない。
具体的にはアニメ化などもそろそろして欲しいなと思ったりしている…作品です。

ふと立ち止まった時、つい思い返してしまう光景や音ってあると思います。ターボボタンをONにしてバーチャロイドが走り出す甲高い音はその一つだと思ってしまうおじさんです。

電脳戦機バーチャロン (C) Sega Enterprises, Ltd. 1995, 1996

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