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ヨーロッパの黒歴史!魔女狩りを考察

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中世ヨーロッパで猛威をふるった魔女狩り。
映画や小説、漫画で取り上げられる事も多いので私たち日本人も名前くらいは知っていますよね。

実際の魔女狩りではどんな拷問や処刑が行われたのでしょうか?
今回は西洋の暗黒史を紐解いていきます。

目次

魔女狩りの歴史

魔女狩りの発祥は12世紀まで遡ります。最も猖獗を極めたのは16世紀後半~17世紀で、ヨーロッパ全土に魔女狩りと異端審問の嵐が吹き荒れました。

なお魔女狩りと異端審問は混同されがちですが、異端審問がキリスト教カトリックの教えに背く者に行われたのに対し、魔女狩りで犠牲になった魔女たちはそもそも信仰を持たない者と見なされました。

最も古い歴史上の記録では、1428年にスイス・ヴァレー州の異端審問所で魔女が裁かれています。

当時ヨーロッパには薬草の知識を持ち、人々に民間療法を施す女性たちがいました。
その大半は善良な人物でしたが、一度魔女と見なされたら最後異端審問官に捕縛され、残忍な拷問と処刑が待ち受けていました。
医学に明るくない民衆には、薬草の調合に造詣が深い彼女たちが異端に思えたのかもしれません。

異端審問官は密告を奨励していた為、気に入らない隣人を魔女と称して売る例も後を絶ちませんでした。

全ヨーロッパにおける魔女狩りの処刑者数は最大4万人とされていますが、リンチや拷問による死者は含まれていないので、実際はもっと多そうですね。
公式の記録では1782年にスイスで行われた魔女裁判が、ヨーロッパにおける最後の事例とされています。

魔女を見分ける方法は水に沈める

さて、異端審問官に捕まった女性はどうなるのでしょうか?
裁判や処刑を行うには、まず魔女か普通の人間か見極めなければいけません。
その為に用いられた判定方法が、告発された人間の手足を縛った上で重石をくくり、水の中に放り込むというもの。
この状態で浮かび上がれば魔女、沈んだままなら普通の人間と答えが出ます。
しかし無実の人間でも、手足を縛られ水に放り込まれたらまず助かりません。即ち、どちらに転んでも助からない運命でした。

これは日本の神明裁判にも見られる形式で、「××ならば〇〇する、××ならば〇〇しない」と事前に宣言し、その結果を持って罪の有無を明かすのが目的でした。

魔女裁判の場合は「魔女ならば水に浮かぶ、人間なら水に沈む」ですね。

水による拷問、通称スイミング・テストを好んだ人物に英国の魔女狩り将軍マシュー・ホプキンスです。
彼曰く神聖な水は邪悪な魔女を拒む為、水に浮く者は魔女なのだそうです。
マシュ―・ホプキンスは対象の四肢にロープを繋ぎ、溺れないギリギリで沈めるのを繰り返して自白に追い込んだそうです。

ちなみに当時告発された魔女は女性のみならず、男性も含まれました。

オランダでは魔女か否か秤にかけて判定しましたが、これは「魔女は悪魔と魂を分かったので体重がとても軽い」と迷信が流布していた為です。

魔女に行われた凄惨な拷問の数々

魔女狩りで行われた拷問や処刑の詳細は、悪名高い異端審問官ハインリヒ・クラーメルとヤーコプ・シュプレンガーが書いた手引書『魔女に与える鉄槌』に記載されています。

まず取り上げたいのが苦悩の梨。シリアルキラーを扱った海外ドラマ『クリミナルマインド』にも出てきた拷問具で、鉄製の梨のような形状をしています。
これは先端が開く仕組みになっており、女性の膣に挿入して破壊しました。
審問では炎で炙って熱し、さらに苦痛を与える事もあったそうです。

棘のある椅子は全体に鋭い棘が生えた鉄の椅子。異端審問官はこれに魔女を座らせて拷問します。

魔女の布は前述の水責めの逆で、真っ赤な鉄を持たせた上で、その手を布でぐるぐる巻きにする拷問。
三日後に布をとって手が無事だったら放免されたそうですが、たとえ普通の人間でもただではすみません。

そして忘れてはならないスペイン。狂信的なカトリック国であるここでは、スペインの長靴と呼ばれる拷問具が発明されました。
これは足を入れて圧搾する装置で、内側に鋭い棘が付いており、最後には骨ごと粉砕されます。

魔女の身体には悪魔と通じたしるしが現れる

魔女とは悪魔と契約した者です。この契約は姦通と同義とされ、魔女はふしだらな女とされました。

悪魔と契った魔女の身体には悪魔のしるしが現れます。他のほくろや痣と悪魔のしるしを見分けるコツは針を刺して血がでるか否か。
それ故魔女と疑われた婦女子を観衆の前で裸に剥き、全身に針を刺して辱めたりしたそうです。

胸糞悪い話ですが、異端審問所に囚われた魔女が異端審問官の慰み者にされるのも日常茶飯事でした。

スコットランド最大の魔女狩り、ペンドル裁判とは?

1589年、当時14歳のスコットランド王・ジェームズ6世の妃、アン・オブ・デンマークが乗る舟が洋上で嵐に遭い、仕方なくノウルウェーへと寄港しました。
ジェームズはアンを迎えに行くも、その帰りにまたしても嵐の直撃を受けます。
ジェームズはこの不運を魔女による妨害だと確信し、スコットランドで初めてとなる魔女裁判、通称ノース・ベリック魔女裁判を実施しました。

審問にかけられたのは魔術による嵐を起こして国王の命を狙ったとされる港町ノース・ベリックの住人たち。
正確な人数は判明していませんが、最大で200人程度といわれています。

陰謀の黒幕とされた町の名士ジョン・フィアン、ならびに助産婦のアグネス・サンプソンは、いずれも過酷な拷問を受けました。

アグネスは全身を剃毛された上、お喋り女の轡を被されて磔にされます。
お喋り女の轡には舌を押さえる金具が付属しており、発声を封じました。
その状態で鞭打ちの刑に服し、睡眠を与えられずに衰弱。遂に自白に至ります。

ジョンには両手の爪を全部剥ぎ、指の肉に鉄の針を刺す拷問が実施。さらには拷問具サム・スクリューで指を潰され、鉄のブーツで足を圧搾されます。
アグネスとジョンは最終的にキャッスル・ヒルで火刑に処されました。

眠れないのが最大の苦しみ?現代でも有効な拷問

ペンドル裁判のアグネスの項でも触れましたが、睡眠を奪うのは実に単純で効果的な拷問です。
睡眠欲・食欲・性欲は人間の最大欲求。成人の場合一日6~7時間の睡眠とされ、不眠が続くと心身に甚大な悪影響を及ぼします。

不眠の世界記録はアメリカの高校生による11日と12分ですが、この際は3日目から意識が混濁し、4日目になると幻覚や幻聴に苛まれ、記憶障害が起きたそうです。

魔女裁判にかけられた人々は異端審問官による過酷な追及と拷問、あるいは尊厳を打ち砕く凌辱にさらされ、寝る事もできず一日一日と消耗していきます。

グロテスクな拷問具を用いなくても人の精神は破壊できるのです。

最後はジャンヌ・ダルクと同じ火刑

魔女狩りの犠牲者の多くは火あぶりにされました。これにもちゃんとした理由があります。

熱心なキリストカトリック教徒は、聖書に記された死後の復活を信じています。
その為カトリックの葬儀において故人の肉体は埋葬されます。しかし肝心の死体がなければ甦れず、最後の審判を受けられません。

キリスト教徒にとって火あぶりは永遠の消滅を意味し、故に恐怖の象徴でした。
だからこそ英国の捕虜となったジャンヌ・ダルクは火あぶりを恐れたのです。
もちろん見せしめの役割も果たしました。

魔女狩りや魔女への拷問の手引書

以上、魔女に行われた酸鼻な拷問の数々を列挙しました。
もっと詳しく知りたい方は竹良実による漫画、『辺獄のシュヴェスタ』を読んでください。
本作は魔女狩りにより養母を殺された孤児の少女・シュヴェスタが、復讐の為に魔女の遺児たちが集まる修道院に潜入する話。
毎巻のごとく拷問シーンが登場し、どんな器具が用いられていたのか勉強になります。
私が見た中では台に磔にし、漏斗で大量の水を飲ませる拷問が辛そうでした。

最後に

村田真哉、檜山大輔による漫画『魔女に与える鉄鎚』も魔女と拷問をテーマにしています。
本作に登場するのは自分が命を落とすきっかけとなった拷問具の特殊能力を宿す少女たち。

死に際の無念と憎しみによって魔女に生まれ変わった設定で、ハードな世界観が読ませます。

※画像はイメージです。

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コメント一覧 (1件)

  • 拝読させていただきましたが、裁判の名前が違います!スコットランド最大の魔女裁判はノースべーリック魔女裁判です。ペンドル魔女裁判はイングランド最大の魔女裁判で、アグネスもフィアンもノースべーリック魔女裁判に出てきます。参照は”News from Scotland” です。

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