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人知では計れないモノ

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私が幼い頃から住んでいる土地は、今でも緑深き山間の小さな町です。
人口がとても少ない土地で、神話や古くからの因習が残り、岩や木々全てに神がいると教えられて育ちました。

目次

川にある奇岩

家の近くには 幅がそんなに大きくないけれど川があり、ここにはおそらくこの土地でしか見ることがでない奇岩が点在しています。
そのひとつがとても奇妙な形をしている奇岩で、幅も高さも2メートル以上もある綺麗に球体なのです。洪水が起こると橋さえ流す濁流が起きても、ビクともせずにそこにありました。

その岩の上には、誰がいつ祀ったかわからない祠があり、聞いた話では豊臣秀吉が祀ってあるとか。
この土地の先祖は昔、豊臣秀吉に救われた事があるとかいう話も聞いたことがあり、なにかの関係で祀ったと思うのですが、はっきりした事は解りません。
ですが、そんな岩ですから神聖なものとして、むやみに近づいてはいけないと言われているの事実なのです。

秋祭りの日

ある年、村の秋祭りであの奇岩の事が話題になって、おそらく酒に酔っ払った勢いもあったのでしょうか、あの奇岩の祠の正体を確かめようと村の青年達が言い出しました。
当然周りの年配の方々は叱責して止めましたが、そこは好奇心が大勢な若者達。その場は大人しくしていましたが、祭りが終わってしばらくすると奇岩に行ってしまったのです。

夏まで流れが激しいのですが、秋から晩秋になると水量が減り、流れが緩やかになるという少し変わった川で、それを利用して岩に梯子をかけての登って記念写真を撮るという内容のようでした。

夕方薄暗くなるまえだったか何人かその岩の上に人が見えたので、祖父に伝えると血相を変えて川のほうに走っていきました。ちようど1人の青年が岩の上の祠を覗き込もうとしていた、そのとき、「うわ?!目が身体が」と岩の上から聞こえて来て、それと同時に”どすん”と鈍い音が聞こえました。
そう岩の上の青年が落ちたのです。そして周りで梯子を支えてた青年達も次々に倒れこみ、皆、目が身体が動かないと叫び悲鳴を上げたのです。

ただ事ではない

祖父や駆けつけた人たちは騒然となり、田んぼのあぜ道からみていた私もただ事ではないと感じました。
それから救急車が駆け付けた時には、落ちた青年は既に事切れ、他の青年達も全く動けないのです。
なぜなら、全員が数人の大人でも動かせない程に岩のように重くなっていました。
これは祟りだと言うことになり、祈祷師が呼ばれ、様々な事が行われると、重くなっていた青年達は動けるようになったのです。

祈祷師によると、その奇岩には計り知れない強い強い力が働いているので、むやみやたらに近づいてはいけないと皆に諭しました。その奇岩と祠のナゾはわかりませんが、古来の強い陰陽師か何らかの理由で、その祠を祀ったのだろうと言うことでした。

人が踏み入ってはいけない物が、この世にはあるのを初めて知りました。

※画像はイメージです。

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