元女子陸上自衛官です。
私が自衛隊にいた時、陸曹候補生試験で起きた思い出を聞いてください。
陸曹候補生試験
連隊では年に2、3回「陸曹候補生試験」があるんです。
これは会社で言う派遣社員から正社員になるための試験みたいなものですね。
1次試験に「体力検定」と「筆記試験」があります。
体力検定の種目に「腕立て伏せ」や「懸垂」などがあって、その中で「ソフトボール投げ」という種目があります。
これは手榴弾を投げるのにある程度の肩が必要という発想です。
ソフトボール用のボールを25メートル以上投げれば合格なんですが、小さい頃からキャッチボールなんかやったことのない人にとって、結構ハードルが高くて、これで落選する人も多んですよ。
私も毎回、この「ソフトボール投げ」で落ちることが多くて、なので仕事が終わっても同期達と日が暮れるまでキャッチボールをしていたものすです。
東日本大震災
私が入隊して数年目の春の事、3月11日、東日本大震災がおきます。
地震から丸一日後、私の部隊は宮城県に災害派遣に向いました。
現地では捜索活動と市役所での炊事、米をひたすら炊いてそれをボランティアの人がおにぎりにして配る作業に従事していました。
この時初めて被災された方々や通行人の方々から感謝の言葉や深々とお辞儀をされるなど、自衛隊の仕事にやりがいを感じたのです。
こんなときでも陸曹候補生試験
それから3ヶ月後、駐屯地でまた「陸曹候補生試験」を行うと報告を受けるのですが、こんな時に試験を受けるのもどうかと思いました。
試験の練習を全くしてなかった状態で、とりあえず筆記試験を終わらせ体力検定に挑みます。
腕立て伏せや腹筋、そしていよいよ問題の「ソフトボール投げ」であります。
私はボールに魂を込めておもいっきり投げる、チャンスは2回。
みごと一発合格、これで波にのり体力検定を無事通過。
2次試験は格闘、射撃、武装走(銃を持って走る)などがあり、最後に面接という順番です。
思いもよらない事態
格闘は良くもなく悪くもない感じで終了。
そして、割と得意な射撃検定です。
射撃検定は200メートル当たりから伏せた状態と膝立の状態で的にめがけて射撃を行います。
確か20秒の間に5発撃ち込む。
必要なことは何事にも動揺しない精神力と静かな呼吸法であります。
私は心を落ち着かせ射撃する。
呼吸を整えてリズミカルに引き金を引いて的を狙います。
・・・3点だった。
3点は初、大事な試験でやらかしてしまった。
合格の基準は覚えていないがもちろん不合格。
教官からは呆れられ、同期達からは大笑いさてしまいます。
これが私の自衛隊での一番の思い出でした。
はあ・・・・。
※写真はイメージです。
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