かわぐちかいじ先生の傑作、タイムスリップ戦記「ジパング」

今回は2000年から2009年に連載された、かわぐちかいじ先生の作品「ジパング」を承知いたします。

時は200X年……海外紛争派遣により南米エクアドルへと向かう事になった、海上自衛隊自衛艦隊所属のイージス艦「みらい」は、ミッドウェー沖合にて突然の嵐に巻き込まれてしまいます。

落雷の直撃を受け、レーダーからロストしてしまった「みらい」。
波が落ち着き、嵐が去った後「みらい」の機器は故障ではない衛星通信の不通へと陥り、イージス艦を包む吹雪に不可思議な現象は続き、やがて「みらい」は濃い濃霧へと包まれてしまいます。

その霧の中から戦艦大和が通り過ぎ、かつての大日本帝国海軍連合艦隊が大波を越え現れたのです。

そして「みらい」の乗員達は気づきます。そこはミッドウェー海戦へと突入する、1942年6月4日。
そう「みらい」は、第二次世界大戦の太平洋上にタイムスリップしてしまっていたのです。

想像を超えた異常事態に動揺を隠せない「みらい」の乗員達。

その混乱の中で「みらい」の前に、敵弾の直撃を受け撃墜された一機の零式水上観測機。
深い海へと沈む観測機には帝国海軍通信参謀である、草加拓海少佐が乗っていました。

本来の正史ならばミッドウェー海戦にて命を落としていた筈の男を救出してしまった、みらい副長角松洋介三等海佐。
これから訪れる日本の未来の情報を知った草加少佐によって、世界の歴史は別の流れへと向かっていく事になってしまう……と、物語は進んでいきます。

タイムスリップした自衛隊が過去で活躍、連載当初は戦国自衛隊の様な雰囲気になるのかと言われていましたが・・・
そこはリアリズムのドラマ性を追求する、かわぐちかいじ先生の作品ならではのこだわりが出ており、戦争の時代を変える力を持つイージス艦の存在をどの様にして扱うべきなのか。

登場人物達のそれぞれの想いが交差し、自分達が知る歴史を通すのか?、それとも違う時代の歴史へと書き換えていくのか?
「みらい」の乗員達は思い悩み、それぞれの決断を選んでいく、人間ドラマの深さに今作の趣が置いてあります。

時代をどのように変え、どのように関わっていくのか、主人公の角松が決断する思いが時代を動かし、日本の未来を憂う草加の思惑が交差する、実に奥の深い戦記モノとなっています。

イバ・ヨシアキと申します。
戦艦の名前を覚えるのが苦手で、特に難しい名前の戦艦などは難儀した記憶があります。
特に「龍驤」とか「饒津丸」など読むのに難儀しました。
そんなにわかなライターですが、宜しくお願い致します。
(C) ジパング かわぐちかいじ 講談社/モーニングコミックス
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