大きな書店に行くと、TRPGのルールブックが売られていることがありますただ、まずTRPGを遊んでみよう!と思ったとき、B5の大きな判型のルールブックとなると、高いものでは5000円を超え、お試しで遊ぶにはちょっと高いかな?と思ってしまうかもしれません。
しかし、書店で売られているものだけがTRPGではありません。
オリジナル作品の同人誌が世の中にたくさん出ているように、同人のTRPGも数多く存在します。
「エモクロアTRPG」のようにインターネット上で無料で公開されているものや、しっかりとした製本を行う、見やすいDTPや豊富なデータを用意する、などによって商業流通しているTRPGと同じような価格に設定されているものまで、様々です。
そんななか、「荒れ果てた終末世界で人間とロボットの2人組があてもない旅をする」 というキャッチ―なコンセプトで注目を集めたTRPGが 「終末紀行RPG」 です。
2022年2月末にサークル DONKEY HEAD QUAUTERからリリースされました。
Boothのほか、DLsiteで基本ルールブックが500円~550円で頒布されています。無料の試読版も用意されていて、プレイヤーをするだけならこちらだけで遊べます。
終末紀行RPGの特徴
キャラクター達は人間とロボットの「旅人」
プレイヤーキャラクター達は「旅人」と呼ばれる2人組。一人は冷凍睡眠から目覚めた、おそらくこの世界でたったひとりの人間。もうひとりはロボットです。ロボットは人間を助けるためにたくさんの固体が作られましたが、文明崩壊後はほとんどが稼働停止しており、あなたたち旅人以外に稼働している個体がいるかどうかはわかりません。
GMを置いて3人でも遊べますし、 人間かロボットのプレイヤーどちらかがゲームマスターを兼任することで、2人でも遊べます。
キャラクター作成はルールブック付属の表を振ることことでほぼすべてのデータができあがります。能力値は科学知識の高さを表す「技術」、サバイバル能力を表す「生存」、戦闘能力を表す「戦闘」がありますが、そちらも割り振り傾向をランダムで決定しますので、迷うことは少ないでしょう。
キャラクターの設定に関わる表として「ついでの目的」と「日々の楽しみ」があります。
他のTRPGの中には、「世界を救う」「大切なものを守る」など大きな目的があることもありますが、終末紀行RPGの旅人たちの最大の目的は「生きるため」です。なにしろ資源もなにもない終末世界ですから、日々を生き抜くのも大変なわけです。ただ、それとは別に「ついでの目的」として、何故世界が滅亡したのか、どこか安住の地はないか探している――そういったキャラクターになることはあります。
オンラインセッションに特化
終末紀行RPGはオンラインセッションツール「ココフォリア」で使用できるルームデータを配布しています。

画像を見て頂ければ分かる通り、ルームデータが非常に機能的です。パラメータを入れなくても画面上のパネルをひっくり返すだけでリソースを管理できるよう、工夫されています。
3つの能力値(技術、生存、戦闘)はキャラクター作成時に入れる必要があるのと、なにかダイスボーナスが入る場合は都度ダイスボーナスをパラメータに設定する必要がありますが、それさえやっておけば視覚的に分かりやすく遊べます。また、サイコロを振って判定すれば、成功数に応じたカットインが表示されてどれくらい成功したか一目でわかるのも大きな特徴です。
「ランダムプレイ」でシナリオがなくても遊べる
終末紀行RPGにはランダムプレイとシナリオプレイ、ふたつのプレイ形式があります。シナリオプレイは一般的によく見かけるTRPG同様、シナリオをGM側で用意して遊ぶものですが、ランダムプレイはシナリオを用意せず、表を振って出た目で場面の状況を設定し遊ぶというものです。良いシナリオがないかなと探すことなく、とりあえずTRPG遊びたい、遊ぼう!と思った時に遊べます。
「協力判定」を繰り返し、ふたりで旅を乗り越えよう
終末紀行RPGは使用する能力値の数だけダイスを振って、5以上が出た数だけ成功というものです。さて、終末紀行RPGの能力値は高くても3-4くらいですから、なかなか成功しません。
しかし、これはひとりで判定をした場合終末紀行RPGの旅人はふたりで旅をしています。そのため、ほとんどの判定は「協力判定」となります。協力判定は旅人それぞれが判定を行い。ふたりの成功数を合計する判定です。どちらかが1以上成功していれば、ふたりで協力してその障害を乗り越えたということになります。判定をふたりの能力値の合計で行う。非常にシンプルなことですが、ふたりで協力して旅をしている気分がぐっと増します。
空いた時間に気軽に楽しく遊べる「終末紀行RPG」
「終末紀行RPG」はキャラクター作成からセッションしても1回2時間ほどで終わる、とても気軽に遊べるTRPGです。TRPGに興味があってちょっと時間が空いたら、まず「終末紀行RPG」を遊んでみてはいかがでしょうか。

(C) SONE/DONKEY HEAD QUARTERS
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