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2丁拳銃は実用的?中二病?

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現実とフィクションとの間には、例えそれがどんなものであっても著しい落差があることは改めて述べるまで無いと思えるのだが、正にそれを絵にかいたようなものとして2丁拳銃は存在している。

2丁拳銃とは呼んで字の如く両手それぞれに拳銃を持ち、それらを発砲するこ事で攻撃力・火力を1丁の時よりも向上させようと言う戦闘手法だが、拳銃自体の進化から現在ではその有用性はほとんどないと言って過言ではない。
但しその2丁拳銃と言う響きと見た目のインパクトの強さは、何かしら人の注目を集めている事もまた事実であり、創作作品の中で脈々と受け継がれている用法・戦法である事も見逃せない。

今回はそんな2丁拳銃という技法について、微力ながらその発生経緯や作品についてリサーチした結果を紹介できれば幸いだと考え、記述していきたいと思う。

目次

2丁拳銃の起こり

拳銃と言うよりも銃と言う武器が発明されて以降、それが連続した射撃が可能となるまでに進化するのには当然の事ながら時間を要しており、日本で言えば火縄銃が戦国時代に伝わった16世紀が起点だろう。
当時今現在の鹿児島県の種子島に伝来した火縄銃は、言わずと知れた前挿式の単発銃であり、威力はあるものの連発は出来ない事から運用方法を工夫する事で実際の戦闘で有効活用されて広まって行った。

織田信長が長篠の戦いで武田軍を壊滅させたと言われる「鉄砲の三段撃ち」は現在では概ね否定されているだが、こうした伝説が生じる程、連発が利かなかった火縄銃にはそれを補う運用方法が模索されたのだろう。
そして拳銃ももこうした火縄銃を究極的にすんぴを切り詰め、手に持てるサイズにした事が起こりであり、もちろん連発は出来ず、従ってそれを行う為に両手に1丁ずつを携える2丁拳銃の用法が編み出されたと考えられる。
また当時の前挿式の単発銃だった拳銃では、貴重な1発が不発となるケースも想定された為、2丁拳銃とする事でそうしたトラブルを回避する使用方法の一つとして2丁拳銃が用いられた事も想像に難くない。

拳銃の進化と2丁拳銃の意義

やがて18世紀になると銃器は前挿式の単発から後挿式へ、更に金属薬莢を用いる形式が登場するに至り、拳銃も同様の仕様のシングル・アクション式リボルバーへと著しい進化を遂げて行く。
アメリカの西部開拓時代にベスト・セラーとなったコルト社のSAA(シングル・アクション・アーミー)等がその代表だが、これら6連発となったリボルバーではシングル・アクション故に連発時には撃鉄を起こす動作が必須となる。
従って6連発にも関わらず2発目の発射には必ず撃鉄を起こす動作が必要であった為、片手で1丁を保持し、残る片手で撃鉄を起こす方が連射は素早く行える事から2丁拳銃の持つ有用性は一旦潰えてしまう。

しかしやがてリボルバーにもダブル・アクション方式のもの登場、更にはオートマチック機構を搭載した拳銃も出現した事から、一応は再び2丁拳銃を戦法として用いる事は物理的には可能な時代が復活したと言えた。
但しそもそも拳銃の射程距離は短く、リボルバーのダブル・アクションと言えど2発目以降はトリガー・プルが重く正確な射撃がより困難となる事や、オートマチックでも反動の抑制が片手では難しく実用性は乏しかった。

殊にオートマチック式拳銃の場合、連射速度そのものが飛躍的に向上した為、両手でしっかりと保持して命中精度を向上させる方が圧倒的に実用的であり、今や20発近い装弾数の拳銃も登場しその傾向には揺るぎがない。

2丁拳銃の実例

2丁拳銃は実際の運用上では有用性が低くほとんど実用性が無い事は前述した通りだが、そうは言っても多くの方がアメリカの西部劇で左右の腰にコルト社のSAA(シングル・アクション・アーミー)等のリボルバーを下げている姿を見た事はあるだろう。
しかしこれとて西部劇の絵的なインパクトを重視して映画等で用いられたものであり、実際には2丁の拳銃を携行していたのは1丁を討ち終えた後にリロードする事無くもう1丁を使用する事と、故障等によるバックアップが主目的であった。

これも前述した通り、その当時のシングル・アクション式リボルバーでは1発発射する度に必ず撃鉄を起こす動作が必要となる為、仮に2丁を使用しても各1発づつを放てば次弾の発砲が容易ではない事は明らかである。
但し7連発でダブル・アクション式のリボルバーであったナガンM1985を採用していた旧ソ連では、特殊部隊の一部の戦術で物理的には可能となった2丁拳銃運用を行ったとの説もあるようだが、真偽の程は不明瞭だ。
一応この説を裏付ける状況証拠として、もっと威力に優れ且つ連射が可能な銃器を携行できない特殊部隊の工作員らが実践したとの見方もあるようだが、これもフィクションである小説がそうした運用を広めたとの説が有力なようだ。

リベリオン

さてここまで再三に渡って2丁拳銃の現実世界での有用性の低さを列挙してきたが、それでもこれがある種の拳銃運用の形として世の中に流布している原因は、そのビジュアルとインパクトの強さがフィクションで強調された点が大きいと思われる。
そうした中で単に2丁の拳銃を使用すると言うのみでなく、作品の世界観そのものにその運用を組み込んで独自の評価を生み出したといっても過言ではない作品が、2002年に公開されたSF映画「リベリオン」である。

この「リベリオン」は第三次世界大戦後の近未来を舞台としたSF映画だが、「ガン=カタ」と呼称される接近戦闘用の武術を主人公らが駆使すると言う、正に2丁拳銃の運用にフォーカスした視点がウリである。
「リベリオン」における「ガン=カタ」とは、カンフー等の東洋武術に統計学上から得られた膨大なデータを元に構築された戦闘術と定義されており、敵の銃弾を躱しつつ自らの攻撃の効率を最大化するものとされている。
但しこうした「ガン=カタ」の設定自体が、大作のハリウッド映画等と比して低予算である本作を如何に見栄えのするものにするのかと言う、謂わばメタ的な動機から生み出された点が特異な作品たる所以でもある。

マトリックス

次に2丁拳銃のガンアクションが登場するフィクション作品として挙げたいのは、前述の「リベリオン」とは異なり、ハリウッドの大予算映画の王道として世界中で知られているキアヌ・リーヴス主演の「マトリックス」だ。
これまでに1999年の1作目から2021年に4作目までシリーズ化されている謂わずと知れたSFアクション映画の世界的ヒット作であるが、主人公たるネオ以外でもヒロインのトリニティ等も2丁拳銃の使用が確認出来る。

ネオは2丁拳銃と言うより2丁サブマシンガンとでも言うべきか、拳銃タイプのミニUZIを使用するシーンが印象的だったが、ネオらは元より敵側のエージェント・スミスも銃弾を躱しまくるので、致命傷など銃器ではほぼ与えられない。
「マトリックス」は日本の史郎正宗氏の「攻殻機動隊」に多大な影響を受けて制作された事は有名だが、個人的には「攻殻機動隊」では2丁拳銃スタイルが作中に登場したかについては、あまり記憶にはないのが正直なところだ。

ゴールデンカムイ

最期に2丁拳銃が描かれたフィクション作品として挙げたいのは、2022年4月に惜しまれながら最終回を迎え、その直前には実写映画化も発表された人気漫画・ゴールデンカムイをどうしても外せないと感じる。
但しこの「ゴールデンカムイ」では先の映画2作品とは異なり、2丁拳銃での立ち回りを演じるのは主人公ではなく、脇役の菊田特務曹長なのだが前述の実例でも紹介したナガンM1985リボルバーを彼は愛用している。

菊田特務曹長も日露戦争に従軍した軍人であり、その地で敵であるロシア兵から戦利品としてそのナガンM1985リボルバーを鹵獲する事に固執していたと表現されており、奇人だらけの登場人物の中でも埋もれていないキャラである。

個人的な2丁拳銃への思い

これまで見てきたようにそもそも拳銃と言う至近距離でも中々明通させることが困難だとされる銃器において、命中精度が期待できない2丁拳銃スタイルはフィクションでの出番しかないように思える。
但し発射時の反動が皆無なトイガンにおいては、弾幕を張ると言う意味では意外と実用的な側面もあると言えそうなので、銀玉鉄砲的なそうした使用法にはサバイバル・ゲーム等での一定の効果は見込めるかも知れない。

それでもリアリティを重視したいと言う諸氏には不向きであろうから、やはりフィクション作品のスパイスとして鑑賞するのが個人的には最も2丁拳銃スタイルを楽しむ方法だと思えてならない。

※画像はイメージです。

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