敵戦車と戦える戦車として開発され、終戦までに試作車が2両が出来た四式中戦車
果たして四式中戦車の性能は時代に追いついていたのでしょうか?
四式中戦車の火力
四式中戦車が敵戦車と戦う為の武器は戦車砲です。
四式中戦車が装備している戦車砲は75ミリ砲になります。
この75ミリ砲は中国大陸の前線で鹵獲したスウェーデンのボフォース社が製造した75ミリ高射砲を元に作られました。
ドイツのクルップ社はボフォース社の75ミリ砲を元に88ミリ高射砲を作ります。88ミリ高射砲は第二次世界大戦では多くの連合国軍戦車を撃破した砲です。
そんな88ミリ高射砲の元となった高射砲から作られた戦車砲
その威力は1945年(昭和20年)3月の愛知県にある伊良湖射場で行われた弾道試験では初速(砲弾が発射された直後の速度)820メートル秒(m/s)で放たれた砲弾が距離1000m先にある75ミリの装甲を貫通した記録がある。
これはあくまで試験の記録なので、実際は距離1000mでの貫通力はより低くなるともされる。
太平洋戦争末期ごろに投入されはじめた米軍のM4A3シャーマン中戦車で装甲の最厚が108ミリ弱であり、四式中戦車でもまだシャーマン戦車に挑むには火力が足りないと言えます。
四式中戦車の装甲
戦車が敵戦車と戦うには、敵弾を受けても跳ね返し、攻撃に耐える装甲が必要です。
四式中戦車の装甲は最大で75ミリです。
75ミリの装甲は前面に、側面が35ミリから25ミリである。
九七式中戦車で最大の装甲厚が25ミリであった事を考えると、大きな進歩と言えます。
では、敵となるであろうM4A3中戦車に撃たれた場合は四式中戦車は耐えられるか?
M4A3が装備する75ミリ戦車砲は距離1000mで徹甲弾で84ミリの装甲を貫通できるとされています。
防御力にも不足があります。
四式中戦車の機動力
四式中戦車がM4A3に勝てる可能性は無いのか?
機動力を見てみましょう。
四式中戦車のエンジンは新規に開発された四式V型12気筒空冷ディーゼルエンジンです。
このエンジンは30tになる車体重量で45km/hの速さを実現する為に作られました。
速さにおいて四式中戦車の45km/hに対してM4A3は42km/h弱だ。
日本戦車では一番幅広となる450ミリのキャタピラもあって、四式中戦車は機動力はM4A3よりも上であると考えられます。
四式中戦車の勝機は足の速さでで至近距離に近づき、敵戦車と乱戦に持ち込む事にあります。
本土決戦で戦う場合は、他の日本戦車と同じく待ち伏せと、撃破できる距離まで近づく近距離の戦いで戦う様になったでしょう。
featured image:Imperial Japanese Army, Public domain, via Wikimedia Commons
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