香川県善通寺市の乃木館に隣接する広報広場にて観覧可能な装備。その中でもレアなのに・・・レア感の無い車両74式自走105ミリ榴弾砲の紹介を行います。
レアなのにそこまでレア感の無い 74式自走105ミリ榴弾砲
香川県善通寺市の象徴とも言うべき善通寺、その近くに存在する陸上自衛隊善通寺駐屯地に隣接する、乃木館広報広場には数種類の陸上自衛隊装甲戦闘車両が鎮座し、無料(台帳への記載は必要)で観覧する事が出来る。
60式装甲車、61式戦車、74式戦車、75式自走ロケット弾発射器、それらの車両に混じって僅か20両しか製造されなかった自走砲74式自走105ミリ榴弾砲の姿がある。
自走砲とは読んで字の如く、自力で移動する事が出来る大砲の事であり、戦車が相手を視認して戦闘するのに対して自走砲は後方に展開して味方を援護する事を主任務としている。
何故20両しか生産されなかったのか?
自走砲として開発された74式自走砲が何故20両しか生産されなかったのか・・・。それにはこの車両が装備した砲の種類が最大の原因となっていた。
開発当時、世界的に見て日本を含む西側諸国の砲兵部隊は、105ミリ、155ミリの2種類の野砲を装備していたが、徐々により長射程大威力の155ミリに一本化され始めていたのだ。陸上自衛隊でも155ミリ自走砲を開発(75式自走155ミリ榴弾砲)していたのだが、国内の地形や道路状況から軽便で使い易い105ミリ砲を押す派閥の声も根強く、その為この車両が開発されたのだが、当然の如く制式採用の瞬間から問題が噴出してしまった。
本車の搭載する105ミリ砲は翌年制式採用された75式自走砲の155ミリ砲と比較して射程、威力の両面で明らかにお取り、身も蓋もない言い方をすれば今更105ミリ砲を自走砲化した所で意味が無いとさえ言えた。
そうして制式採用された時点で既に社程度、威力が共に不足している事が明白だった本車は僅か20両の生産に留まり、その全てが九州を管轄する西部方面隊に集中配備され運用される事となる。
展示されている74式自走砲を観察
本車は2000年に前者退役する事になり、その多くが展示装備品としての第二の道を進む事となる。レア車両である割に色んなの場所で見られる、レアなのかレアじゃ無いのかよく分からない車両として、一部の間で話題になっている。
確かに、本車の外見を見るとコンバクトに纏められた自走砲ではあるものの、翌年採用された75式自走砲や後継車の99式自走155ミリ榴弾砲と比較すると明らかに迫力不足なのは否めない。その外見は何処となく第二次世界大戦中にドイツが実戦投入した傑作105ミリ自走砲、ヴェスペを彷彿とさせる物があり、以外に味のある外見をしていると言うのは些か贔屓が過ぎるかもしれない。
無料で見学が可能
乃木館広報広場は閲覧者台帳に名前を記載すれば、無料で本車を始めとする装甲戦闘車両を間近で堪能する事が可能となっている。
香川県を訪れる機会があれば、話のタネに一度訪れて見ても良いと思われるですのいで、お越し下されば幸です。
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