「オーパーツ」とは、時代や文明レベルにそぐわないとされる出土品のこと。
英語でいうところの「Out-Of-Place Artifacts 」の略で、「場違いな工芸品」という意味です。
「これは古代文明の超技術では?」「宇宙からの贈り物では?」なんて言われがちなアレやコレ。
ロマンの塊みたいな遺物たちですが、実際は誤認や誇張、年代の勘違いというケースも多々あり、ツッコミが同時に発生するジャンルでもあります。
先に言っておきますが、私はわりと懐疑派です。
というわけで今回は、個人的に気になるオーパーツを6つピックアップ。
ワクワクしながら紹介しつつ、必要ならば容赦なく否定します。
ネブラ・ディスク
1999年、ドイツ・ネブラ近郊で金属探知機を使った違法発掘によって発見されました。発見者は正規の考古学者ではなく、いわゆるトレジャーハンターです。
遺物はその後、闇市場で転売されますが、2002年にドイツ当局がスイスでの取引現場に踏み込み押収。これをきっかけに正式な学術調査が行われました。
同時に出土した武器類や土壌分析の結果から、年代は紀元前1600年頃、青銅器時代中期と判断されています。
この円盤状の青銅器、ネブラ・ディスクには、太陽や月、そしてプレアデス星団と考えられる図像が表現されています。そのため「人類最古の天文盤」とも称されます。縁に追加された金板の配置から、太陽暦と太陰暦を調整する仕組みを示している可能性が指摘されています。
確かに、青銅器時代の高度な天文知識を示す驚くべき遺物です。ただし、「なぜ当時の人がこんな知識を持っていたのか未解明」という表現はやや誇張ではないでしょうか?
太陽も月もプレアデスも、すべて肉眼で観測可能です。農耕社会において季節の把握は不可欠であり、長年にわたる地道な観測の積み重ねがあれば、暦の体系化は十分可能です。
用途や象徴の解釈には議論が続いていますが、それは超文明の証拠という意味ではありません。
「未解明」と聞くと壮大な物語を想像してしまいますが、実際には観測と経験の蓄積、きわめて人間の地道は観測の産物と見るほうが自然だと思います。
トルコの古代ロケット
1975年にトルコ東部のトプラッカレ遺跡、古代のウラルトゥ王国の都市跡といわれている場所でで出土したとされる石の彫刻です。
ロケットのような外形と内部の人物のようなモノが宇宙飛行士に見えることから注目されましたのですが、この説を広めたのは・・・太陽系に第12惑星ニビルが提唱して有名になった「ゼカリア・シッチン」なのです。
そもそも彼は、大学で経済学などを学んだ人物で、考古学や古代メソポタミア研究の専門教育を受けていません。
シュメール神話を宇宙人の記録だと独自解釈しましたが、その根拠はなく、オタクが歓喜しただけで、専門家から支持されておらず、SF作家と位置づけるのが妥当だと思います。
確かに彫刻を見ると、宇宙服を着てロケットに乗っているように見えなくもないのですが、「ゼカリア・シッチン」が言いだいたというので既に胡散臭い。
それに、私たちは20世紀以降の宇宙開発を知っているからこそ、円筒形でバーニアっぽい突起物+宇宙服をきた人物像=宇宙船という現代的な視点から連想してしまいます。
そもそも、どの方向から見るのが正解かも不明ですし、おそらくなにかの神を形どった彫刻だと思います。
その神が宇宙人ではない保証はありませんが・・・。
古代の鉄製ハンマー
1930年代にアメリカ・テキサス州ロンドン付近で発見されたとされ、石灰岩の塊に包まれた状態だったことから「オルドビス紀(約4億5千万年前)の地層から出た」とされました。
分析によると鉄等の他に塩素が含まれ、塩素を含んだ合金を生成する事が現代でも不可能であり、オーパーツといわる所以となっています。
ですが、すべてが誤解ポイントと思います。
自然界では比較的短期間で鉱物が沈着して固まり、団塊が形成されることがあります。近代の物体が石灰質に包まれ、あたかも太古の岩に埋まっていたように見えるケースは珍しくありません。
「古い地層から出た」と「その時代の物である」はイコールではないのです。
また、ハンマー自体の形状が19世紀の一般的な鉄製ハンマーと酷似といいます。木柄も近代的で、数億年前の未知文明の道具というより、近代の工具と考える方がはるかに自然。
材料の塩素成分も、腐食過程として説明できるというのです。
ピラミッド・アイ・タブレット
エクアドルで1984年、地元の金採掘関係者ギジェルモ・ソトマヨールが廃坑から多数の石製遺物とともに発見したとされます。これは学術発掘ではなく、個人的な回収のようです。
その後コレクションとして保管されていましが、1999年にオーストリアのウィーンで、クラウス・ドナが関わった「未解明の謎」系展示で公開され、世界に知られるようになりました。
いわゆるピラミッド型をしており、てっぺんにいわゆる「プロビデンスの目」が埋め込まれ、その下には怪談を思われる13本の横線が刻まれています。
わかりやすく説明するならば、ドル札の裏に描かれている、アレのようなイメージに近いでしょう。
底面には「オリオン座」と思える配置で星が埋め込まれ、その下にはサンスクリット文字で「創造主の息子がやってくる」と書かれていて、ブラックライトを当てると目と段々の部分が光るらしい。
現時点で、これはなんなのか、何の目的で作られたのかは分かっていません。
出土地とされるラ・マナも体系的な学術調査は行われていません。
ピラミッド形状、プロビデンスの目、星座と解釈される配置、そして古代文字といった、意味ありげな要素は神秘思想やオカルト好きの間で好まれる組み合わせです。
資料的裏付けが乏しい以上、発見者側の創作、あるいは注目を集めるためのフェイクという可能性も十分にあります。
これ、どうみても◯年パズルじゃない・・・としか思えません。
ヴォイニッチ手稿
未知の文字がびっしり書かれ、植物図・星図・人体図などが添えられたカラーの写本で、現在はイェール大学が所蔵しています。
発見は1912年、古書商のウィルフリッド・ヴォイニッチがイタリアの修道院で入手したことに始まり、発見者の名前からヴォイニッチ手稿と呼ばれるようになりました。
使われている羊皮紙は放射性炭素年代測定により15世紀前半と確定し、素材そのものは中世のものですが、問題は本文の文字体系。
統計的に自然言語に似たパターンであるものの、世界中のどの言語ともあてはまらず、多くの暗号学者や言語学者が挑戦しましたが解読には至っていません。
様々な憶測が飛び交う中、偽書説があります。
私が思うに、中世には錬金術書や秘伝書への需要があった事から、当時の貴族かなにかが意図的に「それっぽい体系」を作り上げ、神秘的な知識書を装ったのではないでしょうか?
つまり、俺的最強の秘伝書を作ってみたといったような、高度に作り込まれた創作物であると思うのです。
ピリ・レイスの地図
1513年にオスマン帝国の提督で地理学者でもあったピリ・レイスによって作られた地図です。
大部分は失われ、現在確認できるのは一部の断片のみで、イスタンブールのトプカプ宮殿博物館に所蔵されています。
これがなぜオーパーツと呼ばれているのかといえば、その時代にありえない精度の地図。
人工衛星のような視点で正確に書かれ、まだ発見されていない南極も描かれているうえに、氷の下の地形まで把握していたというのです。
だからこそ、超技術だ!と言われるようになりました。
でも実際は、描かれているのは南米沿岸の歪みと解釈するのが妥当ですね。
氷床下地形を把握していた根拠はないと思いますし、どうみても、大航海時代初期の地図の範囲内じゃないでしょうか?
結局オーパーツって?
オーパーツと呼ばれてきたものの中には、その後の研究で正体が判明したものや、単なる誤認、あるいは捏造だったと分かった例も少なくありません。
でもね、古代の遺物にはロマンがあり、未解明のオーパーツが存在するのも事実です。
宇宙からの贈り物なのか、古代人の隠されたメッセージなのか、そう想像するとワクワクしますが、想像が先走った瞬間、そこから真実が見えなくなると思うのです。
ロマンは否定しませんし、むしろ探究心の燃料となるのですが、それでけでは前に進めません。
最終的にものを言うのは資料と分析です。
ロマンは大切、でもそれ以上に大切なのは検証だと思うのです。
※画像はイメージです。


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