「八尺様」真の正体

当サイトは「Googleアドセンス」や「アフィリエイトプログラム」に参加しており広告表示を含んでいます。

巨大掲示板「2ちゃんねる」のオカルト板を震撼させた、一つの怪談を覚えているでしょうか。

「ポポポ、ポポ、ポッポ」その奇妙な音と共に現れる、身長八尺(約240cm)の白ワンピの女。
ネット掲示板が生んだ「創作」であり、実在しないフィクション。
そう頭では分かっていても、なぜ私たちは、これほどまでにこの異形の存在に惹きつけられ、そして畏れるのか?

その背後のある感情に私は気づいてしまったのです。
大人になった今だからこそ理解する、八尺様の「真の正体」について私の意見を述べます。

目次

八尺様のあらすじ

まず、この怪異をご存じない方のために、あらすじを簡単にお話しておきます。

夏休み、当時高校生だった語り部の男性は、春休みに祖父母の住む田舎の村を一人で訪れます。
ある日、家の縁側でくつろいでいると、生け垣の向こうをゆっくりと移動する「麦わら帽子」が目に入ります。
人の頭の位置にしては明らかに高く、不審に思って様子をうかがうと、その下には白い服を着た、異様なほど背の高い女の姿が見え、男とも女ともつかない低い声で「ポポポ、ポポ、ポッポ」と不気味な音を発していました。

その夜、男性がその出来事を祖父母に話すと、二人は明らかに動揺するのです。
祖父は無言で親戚や村人に連絡を取り始め、祖母から、その存在が「八尺様」と呼ばれる怪異であることを告げられます。八尺様は村の周辺に棲みつき、気に入った人間に執着して、数日以内に連れ去ってしまう存在だという。

男性はその夜、家の一室に隔離され、部屋の四方には大量のお札や盛り塩が施されます。
深夜、扉の向こうから祖母の声で「おにぎりを持ってきたよ」「怖がらなくていいよ」と呼びかけられるが、祖母は別の部屋にいるはずでした。それが八尺様による声まねであり、外へ誘い出すための罠であることを男性は悟ります。

翌朝、村人たちの協力によって男性は車に乗せられ、村の外へと急いで逃がされます。移動中、車の進行を妨げるような異変が起こるのですが、決して振り返ってはならないという忠告のもと、村の境界を越えることに成功したのです。
男性は無事だったものの、祖父からは「二度とこの村に戻ってくるな」と強く言い渡されます。

八尺様は倒されたわけでも、消えたわけでもありません。その土地に存在し続けているのです。

「ぼくのなつやすみ」の成れの果て

八尺様のビジュアルは、日本人が共有する「理想の休日」だと思います。
久しぶりに訪れた祖母の家、縁側での心地よさ、夏ではありませんが、それは間違いなく「ぼくのなつやすみ」としての1ページに等しい体験です。
そこに現れるのは、真っ白い服を着た女性。実体は人間の規格を超えた異形で、理解不能なノイズを発する。

これは、私たちが「あの頃は良かった」としがみつこうとするノスタルジーが、時間の経過とともに歪み、肥大化してしまった姿なのではないでしょうか。
彼女が人を死に追いやるのは、戻れないはずの過去に無理に留まろうとする者を、現実へと引きずり戻すためなのです。

あの不気味な「ポポポ」という音は、声ではなく、精神を調律する「共鳴」です。
この一定のリズムを聴き続けるうちに、対象となる者の心拍数は彼女の発する振動に同期していきます。
恐怖による動悸なのか、恋による高鳴りなのか。その境界が曖昧になったとき、自ら結界を解き、彼女の懐へと歩み寄ってしまう。
それは捕食されるためではなく、本人にとっては「運命の相手」への歩み寄りに他ならないのです。

「成長」を強制する残酷な成人式

八尺様に魅入られるのは、ある種の「強制的で歪んだ成人式」と受け取れます。
若者や子供がターゲットになるのは、彼らが「子供と大人の境界線」に立っているからだと推測します。

「楽しかった時間は二度と戻らない」
このあまりに当たり前で残酷な事実を拒絶しようとする者の前に、彼女は現れます。
彼女から逃げ切るとは、文字通り「過去(子供時代)を封じ込め、二度と振り返らずに大人になる」ための通過儀礼で、彼女に抱かれることは、成長を拒んだ末の過去という名の死ではないでしょうか?

八尺様が持つ240センチという規格外のサイズは、大人になった私たちが忘れてしまった幼少期の視点。見上げるほどの巨躯、包み込まれるような、あるいは押し潰されるような圧迫感に母性を感じてしまいます。
それに魅入られた者は、彼女の中に「絶対的な母性」を見出す。この心理的退行こそが、八尺様という怪異が持つ真の毒性です。一度その巨大な影に抱かれる多幸感を知ってしまえば、現世の人間が提供する愛など、あまりに矮小で物足りないものへと成り下がってしまいます。

幸運にも村を脱出し、彼女の手から逃げ切った。しかし、そこには真の悲劇が浮かび上がります。
彼らは「助かってよかった」と口では言いながら、二度とそこには戻れない空虚感。
どれほど愛する人と過ごしても、心の片隅ではあの「ポポポ」という音、自分を見下ろしていたあの巨大な白を、狂おしいほどに求めてしまう。
一生解けない「失恋」を、魂の奥底に刻み込まれたのです。

彼女はあなたの「初恋」

八尺様との出会いは、物理的な死を招くだけの事件ではありません。
それは、あなたの人生における「愛」基準を書き換えられてしまう精神の支配です。

彼女に魅入られた者が抱く恐怖の裏側には、抗いがたい「恋心」という名の呪いが潜んでいます。なぜなら、八尺様は固定された姿を持つ怪異ではないから。
彼女は色々な姿で現れるという、つまり、あなたの脳内をスキャンし、あなたが最も求めている姿へと変貌します。
ある人にとっては清楚な少女、ある人にとっては優艶な年上の女性、彼女は、あなたにとっての「理想の女性」そのものとして現れるのです。

物語の終わり、主人公は村を離れ、生き延びます。しかし、本当の意味で助かったと言えるのでしょうか。蔵の中に閉じ込められ、外から聞こえる「知っているはずの誰かの声」を拒絶し続けたあの夜、「純粋だった自分」の一部を殺して、大人になりました。
八尺様から逃げ切った後に残るのは、二度と戻らない子供の頃の、純粋で無垢な日々への永続的な喪失感。

ふとした瞬間に鏡を見たり、空を見上げたりしたとき、視界の端をかすめる白い影。それは彼女が追いかけてきているのではありません。あなたの魂が、今もあの日、あの村、彼女の「ポポポ」という鼓動を感じたままに、置いてけぼりになっているだけなのです。

あなたの記憶にある「一番楽しかった日々」を思い出してください。
その景色の隅っこに、白くて背の高い影が立っていませんか?
もしそれが見えたのであれば、一生で一度きりの「初恋」の相手として愛し始めたのでしょう。

※画像はイメージです。

面白かった?

平均評価: 0 / 5. 投票数: 0

投票がありませんよ、最初の評価をしてね!

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

思った事を何でも!ネガティブOK!

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

目次