人災?天災?世界規模の社会問題、大地が陥没!シンクホール現象

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皆さんはある日突然大地が陥没する自然現象、シンクホールをご存じでしょうか?
現在世界中で観測されているこの現象は、各地に甚大な被害を与え、多数の犠牲者を出してきました。それは日本とて例外ではありません。今回は人類の足元に開いた巨大な落とし穴、シンクホールの解説を行っていきます。

目次

下水管の破裂が原因 グアテマラの大陥没

シンクホールは主に地盤が沈下する現象を指し、数百年を掛けてゆっくり沈下していくケースと、激しい揺れと地鳴りを伴って一瞬で陥没するケース、大きく二種に分けられます。
近年増加しているのは後者の現象で、土中の成分が雨水に溶けて流れやすい、火山国の石灰岩地帯で多発してきました。突然の洪水や台風で土砂を巻き込みながら地表が崩れ落ちた跡地が、シンクホールの正体なのです。

最初にご紹介するのは日本の新聞でも報じられた、南米グアテマラ市街のシンクホール。
2007年2月23日、グアテマラ市内の住宅街に巨大な陥没穴が出現しました。その深さはなんと100メートル以上!ビルでたとえると30階建ての高さに相当し、落ちたら命はありません。
原因は下水管、および排水管の破損。地中に埋まった配管に暴風雨がダメージを加え、内部の水圧が急激に高まり破裂したことで、家々が密集する一帯が地盤沈下を起こしたのです。

土壌に堆積した火山灰が排水管に詰まり、流れを堰き止めた可能性も指摘されました。
性急な都市開発や建築基準法に反する高層ビルの悪影響も無視できず、当然の結果として避難が滞り、5人の死傷者が出ています。地質学者の中には「防げたはずの人災」「杜撰な管理の代償」として、行政の責任を追及する向きも。

3年後の2010年5月30日にはグアテマラシティの工場地帯の一部が陥没し、直径20メートル、深さ30メートルのシンクホールが開口。地上で稼働していた3階建ての工場が吸い込まれ、何の罪もない労働者15人が命を落とす大惨事に。繰り返された悲劇に胸が痛みます。

400万匹のコウモリが住むデビルズシンクホール

お次はアメリカ合衆国テキサスの名所、ひと呼んで悪魔の陥没穴(Devil’s Sinkhole)。

1867年に入植者一行が発見したこの穴は直径121メートル、深さ40メートル以上に及び、禍々しい闇を湛えた開口部からは、ひっきりなしにコウモリの鳴き声と羽ばたきが響いてきます。
その数戦慄の400万匹!吸血種かは不明なものの、絶対ダイブしたくありません。夏の夕暮れ時にコウモリの大群が飛び立ち、真っ黒に空を埋め尽くす光景は圧巻の一言。見学ツアーも実施されているので、興味がある方はぜひご参加ください。

他にもペンシルバニアとフロリダに陥没穴が存在します。このうち人災に分類されるのがフロリダのシンクホール。1994年にリン鉱石採掘会社「IMCアグリコ」が捨てた廃棄物が地盤を浸食し続けた結果、15階建てのビルに匹敵する深さの大穴が開いています。なお恐ろしいのが穴の内部に残された8000万トンの有害物質の影響で、100万ドルの撤去費用を投じたとか。

フロリダ州タンパ近郊の平屋建て民家では、寝室の床が周囲の家具を巻き込んで陥没し、住人の男性が行方不明となっています。この民家が存在するヒルボロー群は別名「陥没地区」として知られ、以前からシンクホール現象が相次いでいました。原因は石灰岩で構成された岩盤上に位置する地理的条件と、酸性の地下水で削られた、この岩盤の上に家を建てたこと。
ちなみにテキサスにも別のシンクホールが存在し、そちらは石油採掘を目的とする、岩塩ドームの無計画な掘削が崩落を招きました。何事もバランスは大事ですね。

映画化もされた、韓国のシンクホールの緊迫

シンクホール現象は北米ロシアだけ?いえいえそんなことはありません。お隣韓国でもまた、シンクホール現象は社会問題になっています。
皆さんは2022年公開の韓国映画、『奈落のマイホーム』をご存じでしょうか?

本作は平凡な会社員が念願のマイホームを手にしたものの、家族で入居した部屋がその翌日にマンションごとシンクホールに飲み込まれ、スマホの電波も届かぬ地底から脱出を余儀なくされる話。
あらすじは荒唐無稽に聞こえるかもしれませんが、驚くなかれ実話をもとにした映画なのです。

2025年3月24日、ソウル江東区明逸洞(カンドング・ミョンイルドン)の道路中央部が唐突に陥没。ブレーキが間に合わずバイク運転手が転落する事故が起き、警察と消防が駆り出されました。
穴の深さは20メートル……今まで取り上げたシンクホールに比べたら「なんだそんなものか」ですが、近くに小学校があり、子供の行き来が多いことに留意が必要。
穴の底は水と土砂がまざってドロドロにぬかるみ、ただでさえ救助活動が難航したのに加え、当時は周辺マンション全戸が停電し、建物が沈んでいく感覚がしたそうです。ぞっとしません。

事故の原因は配管の水漏れや付近で建設中の高速道路、及び地下鉄工事の影響など。地中が空洞化すれば地盤が緩むのは必然な上、ソウルは世界有数の人口過密地域なので、著しい負荷がかかっていたのは想像に難くありません。付け加えるとポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』のように、家賃が安い半地下住宅で暮らす貧困世帯が多いのも、シンクホール急増の一因となっています。

さらに10年前、2015年2月20日にも同じくソウル市内でシンクホールが発生。この時は市内の歩道が5メートル陥没し、バスから降りた男女2人が落下して軽傷を負いました。
たった10年で深さが4倍になった事実が怖いです……。

海浜公園で遊ぶ父娘を襲った、日本のシンクホールの悲劇

さて、日本のシンクホールの特徴とは何でしょうか?それは鉱山跡や採掘場後、あるいは下水道管路や地下鉄工事の現場など、人が手を加えた場所で起きやすいこと。
特に危険なのが亜炭の採掘場で、地表と坑道の距離が近ければ近いほど、崩落の可能性が高まりました。

採炭や採石で栄えた町もシンクホール多発地域に当たり、可児郡御嵩町や宇都宮市大谷町、北海道夕張郡や福岡県筑豊地方に複数の陥没穴が発生しています。
シンクホールとして認識されない陥没事故に至っては数え切れぬ程で、年間5000件に上ると言われています。大蔵海岸陥没事故や琉海ビル陥没事故、梅ヶ丘特殊地下壕の事故などは皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
中でも大蔵海岸陥没事故は一際痛ましい内容でした。

2001年(平成13年)12月30日、兵庫県明石市の実家に帰省していた父と4歳になる娘の親子が、近所の大蔵海岸に散歩に出掛けました。が、父の目の前でだしぬけに娘の姿が消失します。驚いてすぐさま駆け寄ったところ、娘は人工砂浜に生じた穴に吸い込まれ、土砂の生き埋めになっていたのでした。重度の酸欠状態に陥った娘は結局意識を取り戻さぬまま、翌年5月に息を引き取っています。

大蔵海岸は明石市が管理する海浜公園であり、常日頃から子供の笑い声が絶えない場所。休日は行楽に訪れた家族で賑わい、水平線に沈む夕日の美しさに、誰もがうっとり見とれます。
だからこそ余計に女の子を襲った残酷な運命と、その現場を偶然目撃してしまった、父親の心情がやりきれません。

人災か天災か?まだまだ底が尽きない、シンクホールの謎

以上、シンクホールの解説でした。シンクホールにはまだまだ謎が多く、自然発生するものもあれば、人災と言えそうなものまで幅広いです。
現場は住宅街・交差点・鉱山と様々なものの、家族の憩いの場である海浜公園に落とし穴が待ち受けているなんて、完全に予想の範疇外でしょうね。このさきシンクホールの原理が解明され、不幸な事故が防げるように祈ります。

featured image:Public domainPublic domainfalsefalseThis image or file is a work of a U.S. Army Corps of Engineers soldier or employee, taken or made as part of that person’s official duties. As a work of the U.S. federal government, the image is in the public domain.English | italiano | Nederlands | پښتو | русский | sicilianu | slovenščina | Türkçe | українська | +/−, Public domain, via Wikimedia Commons

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