十年以上前、僕がまだ高校生だった時の出来事です。
体育祭が終わって、その夜、クラスの数人で友人の家に集まり、打ち上げをしました。
良いもの
だいぶ遅い時間になり、そろそろお開きにしようかという頃でした。
素行が悪く、教師からも目をつけられていた、いわゆる不良と呼ばれている友人が「いいものがあるからついてこいよ」と言い出したのです。
僕たちは「なんだよ」と半ば面白がりながら後をついてくと、そこは近所の神社でした。
彼は神社の扉を勝手に開け、奥から何かを抱えて戻ってくると、それは日本酒の一升瓶。
未成年であることも、たぶん神社の供え物であることも、誰も深く考えることなく皆の歓声が上がりました。
いかにも彼らしい悪さでしたが、止める者はいません。それどころか、回し飲みが始まったのです。
僕は内心、少しまずいのではないかと思っていました。けれど、ここで止めに入れば空気を壊す。
あいつらに「ノリが悪い」と言われ、ハブにされるかもしれないという怖さもあって、結局、差し出された瓶に口をつけましたのですが、これが僕にとって初めての酒でした。
ほどなくして酔いが回り、頭が軽くなり、妙に気分が高揚していくのを感じました。
神社での騒ぎ
酒が進むにつれ、友人たちはどんどんと壊れていきます。
大声を上げて走り回る者、裸になって踊り出す者、その様子を面白半分で撮影する者。酔いもあって、とにかく楽しく、馬鹿騒ぎは盛り上がっていきました。
しかし、その最中、例の不良の友人が急に気分が悪いと言い出しました。
ただ酔いが回っただけだろうと考え、境内のベンチに座らせていましたが、次第に顔色が青白くなり、ついには立てなくなってしまったのです。
さすがに様子がおかしいと感じましたが、対処する方法など知らず、僕たちはただ周囲で立ち尽くすばかり。
彼の様子を面白半分に写真に撮ろうとする者がいて、僕はそれだけはやめろと制しましたが、場の空気は完全に冷えきっていました。
やがて酔いが冷めてくると、このままではまずいという話になり、深夜ではありましたが家族に連絡を取り、迎えに来てもらうことにしました。
そのまま解散となったのですが、結果、飲酒と神社の乱痴気騒ぎがバレて、それぞれの親にこっぴどく叱られた事は言うまでもありません。
身近な神社なのに
この一件は、それで終わらなかったのです。
数日後、撮影した写真を皆で見返し、騒いでいる自分たちの姿を笑いながら見ていましたが、体調を崩した不良の友人の写真に差しかかった瞬間、僕は思わず息をのみました。
彼の周囲にだけ、無数の白い球体が写り込んでいたのです。いわゆる「オーブ」と呼ばれるものに似ていました。
他の誰の写真にも、そのようなものは写っていませんが、彼が写っている写真には、同じようなものがまとわりつくように写っているのです。
体調を崩した不良の友人は、その後回復しました。しかし、それ以降、卒業するまでの間、彼の周囲では様々なトラブルが相次いで起こったのを覚えています。
あの神社は、僕自身が幼い頃から何度も遊びに行っていた場所で、近所の子どもたちにとっても身近な遊び場でした。
中には悪さをする子どももいましたが、少なくとも僕の知る限り、何か不可解な出来事や怖い目にあったという話は聞いたことがありません。
特別に恐ろしい言い伝えがあるわけでもありません。
それでも、あの夜の騒ぎ方を思い返すと、何かしらの罰が当たったのではないかと考えてしまいます。
僕たちのあまりの無礼さに対しての神罰だったのではないか、と思うのです。
※画像はイメージです。


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