私は基本的に心霊現象を信じていません、幽霊を見たこともありません。
しかし、単純に物理では説明しにくい体験をしたことがあります。
実名は評判に関わる可能性もありますので、本文中で伏せ字とさせて頂きます。
出張で思いもよらない事
5年前の初夏、私は兵庫県のある町へ出張で訪れていました。
当初は、お客様との打ち合わせを終えたあと、神戸牛でも食べてそのまま東京へ戻る日帰りの予定でした。
ところが打ち合わせの最中、相手先である某会社の社長と話しているうちに、互いにゴルフ好きだと分かりました。
すると社長は、「せっかくだから泊まって、明日一緒に回ろう」と誘ってきたのです。
新規顧客からの誘いという大義名分も立ちますし、私にとっても悪い話ではありません。
その場で会社に連絡を入れ、翌日は有給扱いにしてもらい、話はすんなりまとまりました。
急な話だったためゴルフ道具は持ってきていませんでしたが、ウェアを含め一式すべて社長が用意してくれるとのことで、まさに至れり尽くせりの対応です。
あとは宿の手配だけです。
私はスマホで検索し、翌朝迎えに来てもらいやすいよう、社長の自宅に近い「◯◯サイドホテル」を予約しました。
その日の夜は、社長たちと夕食を共にして、翌日に備えて早めに解散となりました。
私が予約したホテルは初めて利用する場所で、場所と金額だけで決めたものでした。
実際に目の前にすると、外観は想像以上に小さい印象です。
中に入っても外観の印象どおりで、部屋数も少なくこじんまりとしています。
ただ、フロントや内装は普通のビジネスホテルとは異なり、簡素ながらもオシャレで整った雰囲気があります。
受付でキーを受け取り、3階の部屋へ向かい、扉を開けると予想に反して広いツインルームでした。
ロフトまであり、広い風呂にトイレも部屋の中にあって、寝るだけの一泊にはもったいないと思ってしまうぐらいのホテルでした。
とは言え翌朝は6時起きのなので、お風呂に入ってから、すぐ寝ることにしました。
眠れない夜の
目覚ましをセットし、電気を消します。
普段ならすぐに眠れるはずなのに、明日の事を考えるとワクワクしてしまい、なかなか寝付けません。
何度か寝返りを打つうちに、時間だけが過ぎていきます。
そのときでした。
ふと、風呂場からシャーッと水の流れる音が聞こえたのです。
「あれ、蛇口を閉め忘れたかな?」
電気をつけて風呂場へ向かったのですが、水は流れていません。
首をかしげながらベッドに戻り、しばらくすると、また音がしました。
もう一度、風呂場へ。
でも何も起きていなません。
それが二度、三度と続き、四度目のとき、ふと思い出しました。
ホテルでは配管の関係で、他の部屋の水やトイレの流れる音が聞こえる事がある。
おそらくそれだろうと自分に言い聞かせ、無視して横になりました。
ようやくウトウトし始めると、今度はシャーッという流れている水の音ではありません。
風呂から水が溢れるような、ジャバジャバという音がします。
「もしかして、水道管のトラブルじゃないだろか?だとしたら面倒だ」
そんな事を思いながら再び風呂場へ向ったのですが・・・。
水は全く出ていません。水道の蛇口からしずくすら垂れていないのです。
理由が全く検討つきません、気味が悪いですが、そもそも私はそういうものを信じていません。
仕方なく耳栓がわりにイヤホンをつけ、そのまま眠りに落ちました。
思わぬ事実
翌朝、予定より少し早く目が覚めました。
チェックアウトを済ませ、ロビーで社長の車を待つあいだ、昨夜のことが頭を離れません。
ふと、事故物件をまとめたサイトの存在を思い出し、まさかと思って検索しました。
画面に表示された地図には、このホテルに印がついています。
詳細を開くと、「平成XX年 303号室 溺死」。
私が泊まった隣の部屋でした。
あの水の音、溢れるような音は関係しているのでしょうか?
スマホから目を上げると、フロントにいたホテルの従業員と目があいました。
なにかを察したようで、私の顔を見るなり頭を下げます。
私は確信して、事情を聞こうと立ち上がった瞬間、ごきげんな笑顔で社長がやってきました。
まさか社長のいるまえでそんな事を問いただせません。
仕方なく気を取り直して、ゴルフへいきました。
目の前に幽霊が出た訳でも、何か不幸な事故が起きた訳でもないため、心霊現象ではないかもしれません。
しかし、何か腑に落ちないのも事実です。
隣りではなく303号室に泊まったとすると、更なる何かが起きたのでしょうか?
※画像はイメージです。


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