皆さんは台湾を代表する妖怪、紅衣小女孩(紅い服の少女)をご存じですか?
今回は台湾の人々を戦慄させた紅衣小女孩の成り立ちや、その恐るべき逸話を振り返っていきます。
2000年代初頭の心霊テレビ番組が発端
全ての始まりは2000年放送の心霊番組『神出鬼没』。これは視聴者投稿型の企画で、台湾全国からホラー体験や怖い話を募り、検証するのが番組の趣旨でした。その中に混ざっていた動画の一本が、出演者たちを震え上がらせます。
動画の内容は台中の大坑山を撮ったもの。この山は台湾の先住民が暮らしていた場所で、休日となれば台中市民が気軽に行楽に繰り出す、東京都民にとっての高尾山のような存在でした。
動画の序盤はただの登山記録でしたが、やがて和気藹々と歩く家族の後ろに不気味な影が映りこみます。影の背丈は低く、赤いジャージを着た年端もいかぬ少女に見えます。
このビデオの撮影後に家族の一人が不審死を遂げたことも、撮影者の不安を煽る要因になっていました。
番組が追加情報を募集したところ、「私も見た」「俺も会った」と大量の目撃談が殺到し、紅い服の少女に纏わる都市伝説が形成されていきます。その過程で少女の服はボロボロのワンピースに変化し、よりホラー色を強めていきました。
メリーさんと同一視される紅い服の少女
紅い服の少女の噂は次第にエスカレート。もともと山にだけ現れるはずだったのが、やがて麓に下り、深夜に家々のドアをノックして回るようになります。日本におけるメリーさんを想像していただければわかりやすいでしょうか。
肝心の正体ですが、初期は大坑山の精霊説が有力でした。
台湾先住民・平埔族の聖地だった背景を踏まえた、リアリティーのある仮説ですね。台湾の冥婚に使われるご祝儀袋も赤ですし、赤色が帯びた呪術性は否定できません。その後は大坑山に拉致され殺された子の悪霊説が浮上。服が真っ赤なのは血で汚れたせい、山に化けて出るのはそこに埋めらたからと、噂が独り歩きしていきます。
動画はやらせ?真実は闇の中
結論を述べるなら、発端になった動画の信憑性は疑わしいです。紅い服の少女の祟りで家族が死んだというのも、投稿者の証言にすぎません。米国のスレンダーマンがネット掲示板から広まった作り話であることを考えると、当時の心霊ブームに不特定多数の愉快犯が便乗し、紅い服の少女を作り上げた可能性は十分あります。
少女の赤ジャージがワンピースに変更された理由は、そちらの方がより視覚的に怖く、怪談の道具立てにふさわしいと視聴者が指向したから。
問題の動画はYouTubeで検索すればすぐ出てくるので、気になる方はチェックしてください。


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