日本各地の不思議な名前の食べ物

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日本各地にはその呼び名も含め、不思議な食べ物がたくさんある。

たとえば北海道の稚内市で購入できる「たこささめ」がそれだ。
「たこささめ」とはタコのエラを指しており、その味はとてもクリーミーで、歯ごたえもタコらしいという。
しかし見た目がグロい。はっきり言って幼虫だ。

この見た目だけでもネタになりそうだが、この「たこささめ」、名前の由来が分からないことも特徴に挙げられる。
そんなわけで見た目は「たこささめ」に負けても、名前だけ聞くと首をかしげてしまうような不思議な食べ物をいくつか紹介していこう。

目次

大分県「やせうま」

「やせうま」とは大分県の郷土料理である。
小麦粉を練り、平たく伸ばしたら茹でてきな粉や砂糖にまぶすお菓子だ。
有限会社・四井製?工場ではこの「やせうま」を乾?として発売しており、「だんご麺」と銘打っている。
伝統通りきな粉にまぶして良し、旬の野菜と肉と一緒に煮込んで食べるのも良し。

そんな「やせうま」の名前の由来は諸説あるものの、平安時代の伝説が通説となっている。
平安時代、豊後国に都からやってきた若君がいた。
その若君の世話をしていたのが「八瀬」という乳母で、八瀬は大層信心深く、若君を連れて妙蓮寺という寺に参詣していたという。そのとき若君が「八瀬、うま(食べ物のこと)」とせがんだだめ、八瀬がつくったのが「やせうま」だと伝えられている。

「やせうま」だが、実は全国各地にあったりする。
たとえば福島県・新潟県では2月15日の涅槃会にそなえる団子として、静岡県では小豆あんをまぶした草餅を「やせうま」という。どうやらどれも「痩馬」が語源となっているらしい。
見た目が痩せた馬に似ているからとも、「やせうま」の素材が馬の食糧なので結果的に馬の食べ物を奪ってしまうとも言われているが、真相は誰にも分からない。
不思議は尽きないものである。

山口県「ゆうれい寿司」

「ゆうれい寿司」は山口県宇部市の名物だ。
その見た目に「ゆうれい寿司」を知らない人間は目を疑うだろう。何しろ寿司は寿司でもネタは乗っておらず、シャリだけの押し寿司なのだから。
さすがに現代では具を加えたアレンジ「ゆうれい寿司」も珍しくないようだが、そもそも何故、このような寿司が生まれたのだろうか?

その由来は「ゆうれい寿司」の発祥地、宇部市の吉部地区が恵まれた土地だったからである。
吉部地区は米も水も評判で、海の幸がなくてもゆず酢をいれただけでも美味な土地だという。
けれど実際のところは山間部であるため、海の幸は入手困難。寿司を楽しもうにもできない土地だったのだ。
とにかくそんな土地の事情で生まれたのが「ゆうれい寿司」というわけである。
ネタはなくても美味しい寿司というわけだ。

それで名前の由来だが、何もネタが乗っていないから幽霊とも、その白い見た目が死に装束に見立てられたことからとも言われている。
起源は少なくとも江戸中期らしいが、そのあたりもあやふやだ。

青森県「いちご煮」

青森県八戸市を中心とした三陸海岸で食べられるウニとアワビのお吸い物、それが「いちご煮」である。断じて「煮いちご」ではない。
その昔、漁師たちが獲ったウニやアワビを煮たのが始まりだとされている。
さて、先ほど「いちご煮」は「煮いちご」ではないと言ったばかりだが、実は「いちご煮」は苺に見立てられたのが名前の由来だ。
お椀に浮かぶウニを「朝露にかすむ野イチゴ」のように見えたことから、大正時代に「いちご煮」と名づけられたという。

名付け親は八戸市鮫島町の料亭旅館「石田屋」の石田多吉氏という方らしい。
残念ながら「石田屋」は東日本大震災の被害を受け、取り壊しされ、現在は何も残っていない。
「いちご煮」は名前の由来や名付け親が分かっても、その先を調べるのは少々難しそうだ。

やせうま、ゆうれい寿司、いちご煮

現地の人間にとっては当たり前のように食べている郷土料理でも、他県の人間にはその見た目すら想像もつかない名前をしている。
その由来は昔の暮らしや古い言葉(あるいは方言)から生まれたものが多い。
きっと昔であれば不思議に思う名前も当たり前だったのだろう。
しかし時代が下るにつれて名前だけを残し、郷土料理の価値は大きく変わっていった。

「ゆうれい寿司」は具材を加えたレシピが普及し、「いちご煮」はアワビとウニが高級食材となって郷土料理にしては高すぎてしまっている。
もちろん「やせうま」のように変わらない料理もある。

それに大事なことは郷土料理を食べること、これに尽きる。その土地の歴史や文化を味覚で体験することこそが郷土料理の本懐ではないだろうか。

出典/引用
・「47都道府県 日本の地元食大全」菅原佳己(著)
・いも虫? タコササメ|クッキングおじさま
・ネーミングセンス抜群!名前からは想像がつかない”郷土料理”たち | おにぎりまとめ
・やせうま 大分県 | うちの郷土料理:農林水産省
・山口県の名物「ゆうれい寿司」とは?今なら持ち帰り鮨専門店「京樽」で買える!
・いちご煮 青森県 | うちの郷土料理:農林水産省

※画像はイメージです。

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